改造車に乗っている方の中には初めから正規ディーラーへの入庫を考えていない人もいますが、
中にはそんなつもりはなく、入庫拒否されて驚愕してしまう人もいます。
今回は入庫拒否された実例を紹介し、どのように対処したのかを解説します。
ケース1:アウディRS3の場合
対象車:2017年式アウディRS3スポーツバック
指摘内容:ECUチューン、はみ出しタイヤ、車検非対応マフラー(音量)
このアウディの場合はECUチューンとハミタイで入庫拒否を告げられました。
やや爆音マフラーではあるものの、排気音量に関してはギリギリセーフと判断されています。
また、マフラー自体が車検非対応製品ではありましたが、
これに関してディーラーはとくに問題視することはなかったそうです。
このアウディはECUチューン施工後もオイル交換などの通常入庫を続けてましたが、
OBD接続を伴う点検時にエンジンプログラムの書き換えが発覚し、
以後の入庫を拒否されました。
正規ディーラーからはECUをノーマルに書き換えてもいいなら継続入庫可能ということでしたが、
オーナーが承諾できなかったためクルマを引き揚げています。
尚、正規ディーラーの整備士はECUチューンには気づいていたものと思われますが、
見て見ぬフリをしてくれていたように思います。
しかし、診断機ではっきりとその改造を確認してしまったため、
今後の入庫を断らざるを得なかったようです。
また、合わせてもともと微妙だったタイヤのはみ出しもその際に指摘されました。
対処:正規ディーラーへの入庫を諦め専門店へ入庫先を変更
このアウディディーラーは実はよく知っている店舗になります。
RS3はかなりスポーツ性の高い車種のため改造している方が多いクルマだと思いますが、
さすがにECUチューンは許容できなかったようです。
尚、タイヤ・ホイールに関しては毎回のように「次は入庫不可」と言われ続けていたようですが、
なんとか作業を引き受けてくれていたようです。
実際、車検に通らないほどはみ出しているわけではなかったので、
「一応、言うだけは言っておこう」という程度だったようです。
一般に正規ディーラーはハミタイに関して判断が厳しいケースが多いので、
正規ディーラーへの入庫を希望される方は程々にしておいたほうがいいと思います。
![アウディRS3](https://sskoba.com/wp-content/uploads/2022/11/rs3-2000.jpg)
![](https://sskoba.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/b-man.png)
クルマを改造する人が圧倒的に手を入れているのがいわゆるツライチでしょうか。
スペーサーなどを使う場合もあれば社外ホイールを使うなど方法はさまざまです。
しかし、正規ディーラーは保安上の理由からはみ出しタイヤにはうるさいです。
車検は通ったのに正規ディーラーがNGを出すことも珍しくありません。
ケース2:ポルシェ911GTSの場合
対象車:2019年式ポルシェ911GTS
指摘内容:非純正ホイールの装着
この911GTSは私の友人のクルマでほとんどノーマルのクルマです。
機関部や排気系などにはまったく手を入れておらず、サスペンションもノーマルです。
もちろんECU関係も触ってません。
ホイールサイズも純正と同じでタイヤサイズも変更しているわけではありませんが、
ホイールの強度が不明という理由で入庫拒否となりました。
ポルシェの正規ディーラーはかなり厳しいことで有名ですが、
さすがに厳し過ぎでは?と思ったものです。
対処:別経営会社のポルシェ正規ディーラーへ入庫
ポルシェの正規ディーラーは一般にかなり厳しい印象です。
もちろんそのディーラーを経営する会社の方針であったり、
業務に携わるスタッフさんの考え方によってかなり違いがありますが、
総じて外車ディーラーの中では厳しいように思います。
今回、問題となったホイールメーカーは明示しませんが、
ポルシェワークスチームのレーシングマシンが履いていたこともある超有名ホイールメーカーです。
(もちろん製品個々の問題なのでワークスチーム云々は関係ない話しではあります。)
得体の知れないノンブランドホイールならともかく、ちょっと我が耳を疑った事例でした。
ちなみに紹介した別ディーラーでもJWL適合と第三者機関によるVIA認証、
そしてJAWA品質認定証の確認を求められています。
このホイールはすべてを満たしていたため事なきを得ていますが、
ポルシェの場合、純正から変更すると入庫に支障を生じる可能性が高いです。
事実、ポルシェ正規ディーラーを訪問すると異常なほどノーマル車が多いですね。
派手な改造ポルシェは専門店以外に選択肢がない印象です。
![ポルシェ ディーラー](https://sskoba.com/wp-content/uploads/2022/11/porsche-shop-2000.jpg)
ケース3:BMW435iの場合
対象車:2015年式BMW435iクーペ
指摘内容:はみ出しタイヤ、サブコン装着、車検非対応マフラー
このBMW435iは入庫するたびにノーマル戻しをしていたクルマですが、
不幸にしてタイヤ2本が同時にパンクするトラブルに見舞われたとき、
正規ディーラーへ救援を依頼したため以降の入庫拒否宣告を受けてしまいました。
その際、タイヤのはみ出しやサブコンについては改善すれば問題なしと伝えられましたが、
装着していた車検非対応マフラーは許容範囲を超えていると判断されました。
(いわゆる違法改造車認定です。)
この435iオーナーはノーマルの118iも所有しており、
こちらは継続入庫中なのでディーラーと関係が絶たれたわけではありませんが、
435iに関してはいっさいの整備を拒否されています。
対処:BMW専門店へ入庫先を変更
BMWに限らず車検非対応のパーツを装着する場合は注意が必要だと思います。
この435iに関しては既にすべての保証が終了しているクルマであることから、
オーナーもとくに困ることはなかったのですが、
もし新車・中古車保証が残っていた場合、保証打ち切りになってしまいます。
正規ディーラーの中には「純正戻しをしなければ保証を打ち切ります」という対応の店もありますが、
いきなり保証打ち切りを宣告する厳しいディーラーもあります。
保証付きのクルマに車検非対応のパーツを組み込む場合は覚悟を決めないといけないと思います。
尚、BMWディーラーも厳しいところと比較的甘いところがありますが、
車検非対応マフラーの装着はすべてNG判定になると思います。
![BMW](https://sskoba.com/wp-content/uploads/2022/11/bmw-2002.jpg)
ケース4:レクサスLS600hの場合
対象車:2013年式レクサスLS600h
指摘内容:はみ出しタイヤ、ECUチューン、最低地上高、車検非対応マフラー
スピンドルグリルのレクサスながらそこそこの年式なので買いやすくなっており、
改造されるクルマが増えてますね。
このレクサスはぱっと見はそこまでケバケバしい改造車ではありませんが、
地味ながらギリギリ車検に厳しそうなところが各所にあります。
とくに最低地上高はギリギリで、正規ディーラーで入念に計測されて入庫拒否となっています。
オーナーはかなりギリギリだけど厳密にはクリアだと主張しましたが、
受け入れられませんでした。
ちなみにディーラーの計測値は92mmとジャンジされたそうです。
そのディーラーからは100mm前後ないと基本的に入庫をお断りしていると説明を受けたそうです。
対処:ローダウンを施工した一般整備工場へ入庫
直接の原因は最低地上高でしたが、他にも車検非対応マフラーとECUチューンの指摘も受けています。
マフラーに関しては音量がそれほど派手でなかったことから、
JASMA認定品ではなかったものの、車高を落とす前までは入庫拒否には遭っていなかったようです。
(車検入庫は不可能といわれていたようです。)
一般にトヨタ系ディーラーも怪しげなクルマの入庫には厳しいです。
ただ、このレクサスの場合は改造を開始した時点でディーラー入庫を断念していたことと、
オーナー自身も高額なディーラー整備を嫌っていたため入庫拒否は想定内であったようです。
尚、ECUチューンに関しては施工後エンジン不調に見舞われたため、
早々にノーマルに戻しています。
実績のあるチューニングショップにて実績あるプログラムに書き換えたそうですが、
すべてのクルマが完璧に動くとは限らない実例となったようです。
![レクサス](https://sskoba.com/wp-content/uploads/2022/11/lexus-2000.jpg)
ケース5:AMG CLA45の場合
対象車:2020年式メルセデスAMG CLA45 S 4MATIC
指摘内容:車検非対応マフラー、ECUチューン、はみ出しタイヤ
このクルマはまだ新しく新車保証を持っており、
改造後もしばらくは正規ディーラーへ点検入庫を続けていました。
(純正戻しがなければ次回入庫は不可能という警告を受け続けていたようです。)
しかし、一向に改善されないため、ある日突然入庫拒否と保証の打ち切りを宣告されました。
正規ディーラーも一定の警告後に入庫拒否するケースもあれば、
いきなり入庫拒否することもあります。
このクルマは多少の猶予を与えられた後で入庫を断られてますが、
新車保証もあったことから最低限の猶予を与えてくれていたのではないかと思います。
対処:今後はチューニングを受けた専門店へ入庫
このクルマのオーナーは新車保証を重視していなかったため、
入庫拒否を覚悟していました。
いろんな考え方があっていいと思いますが、
失う物が大きいので保証のあるクルマの場合はしっかり考えてから手を入れたほうがいいと思います。
ちなみに最近流行りのバブリング施工をした直後に入庫拒否宣告されたようですので、
ディーラーも許容範囲というのがあって、それを超えると問答無用で入庫を断るようです。
見るからに保安基準に違反してそうなクルマを出入りさせるわけにはいかないでしょうからね。
ちなみにこのオーナーは同じベンツディーラーから過去に6台新車を購入しています。
現在もCLA45の他にS400hを所有しており、こちらは通常通りに入庫しています。
あくまでも改造されたCLA45の入庫を断られただけで、
オーナー自身が来店禁止などの処置を受けたわけではありません。
![AMG BENZ](https://sskoba.com/wp-content/uploads/2022/11/amg-2000.jpg)
![](https://sskoba.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/b-man.png)
正規ディーラーに対する考え方は人それぞれですが、
保証などの問題がなければ正規ディーラーにこだわらない人は多いです。
「正規ディーラーじゃないと直せない故障もあるのでは?」
などと思われるかも知れませんが、はっきりいってそんなものはほとんどないです。
それに心配されなくとも有力な専門店は正規ディーラーと繋がりを持っています。
また、怪しげなパーツのせいで発生した故障などへのスキルは専門店のほうが高く、
むしろ有力な専門店は正規ディーラーより高い整備力を持っていることも珍しくありません。
まとめ
正規ディーラーが違法改造車を入庫拒否するのは決して嫌がらせではなく、
業務上、やむを得ない判断です。
今回取り上げたケースはほんの一部に過ぎず、
実際の現場ではもっとシビアに判断されることもあると思いますし、
中にはある程度許容されて入庫しているクルマもありそうです。
いずれのケースも基本的に改造されたクルマが入庫拒否の対象であって、
オーナー自身が来店を拒否されることは少ないようです。
また、入庫拒否というのはあくまでも整備の拒否であって、
来店自体を拒否するものでもないようです。
ただ、爆音マフラーを装着するなど極端に派手な改造をしてしまうと、
店舗の敷地内への立ち入りを拒否されるケースはあるようです。
クルマに乗り続ける以上は今後も正規ディーラーとの関係を悪化させないほうが得策で、
仮に入庫を拒否されても逆ギレしたりせず、
素直に従うほうがいいかも知れません。
(改造しているのはクルマの持ち主のほうです。)
正規ディーラー側だって客を失いたくないのが本音で、
その客と事を構えて揉め事に発展させたいと思っているわけではありません。
お互いに大人の対応を取るのが双方にとって吉なんだと思います。
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