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ランボルギーニ・カウンタック ローボディモデルとハイボディモデルの違い

インポートカー関連
出典:lambopower.com
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ランボルギーニ・カウンタックにはローボディとハイボディの二種類が存在します。
初期のLP400~LP400S(シリーズ2)までのカウンタックはローボディで生産され、
LP400S(シリーズ3)からアニバーサリーまではハイボディで生産されました。

今回はローボディとハイボディの違い、なぜハイボディ化されたのかなど、
そのあたりのカウンタックヒストリーをご紹介します。

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ミウラの後継車としてカウンタックが誕生!

歴史的な名車であるミウラの後継として1971年にカウンタックのプロトタイプが誕生します。

このプロトタイプカウンタックはジュネーブモーターショーに出展されますが、
これはあくまでもスタディモデルといった内容で、
とても量産車になり得るようなクルマではありませんでした。

LP112プロトティーポと呼ばれているカウンタック1号車。このクルマはクラッシュテストに使用され現存していません。
(全長4010mm×高さ1030mm×幅1850mm)

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1974年 カウンタックLP400量産モデル生産開始

カウンタック LP400 量産試作車
出展:genroq.jp  当初赤色だったシャシーNo.1120001の量産試作車

プロトタイプLP500(ティーポ112)を現実的な形にあらためてLP400が登場します。
ただ、大方の予想を裏切って限りなくプロトタイプに近いカタチで量産化されたため、
当時は驚きをもって迎えられました。

登場時の月間生産台数は3台だったそうです。

カウンタックLP400
出典:imboldn.com 1974年当時のオリジナルLP400量産車
(全長4140mm×全高1070mm×全幅1887mm)
全幅1890mmとの記載が多いですが、車検証上の記載寸法で、設計書記載の正確寸は1887mmです。

限りなくティーポ112を再現して生産開始されたカウンタックLP400でしたが、
新しい5Lエンジンは信頼性の確保が図れず、ベースエンジンは従来の4Lエンジンとなりました。

開発していたプロトタイプ5Lエンジンは剛性不足などからエンジンブロー問題が解決できず、
最終的に量産化は断念されます。

また、カウンタックは新しいピレリのロープロファイルタイヤ(後のP7)を採用する予定でしたが、
完成が間に合わず既存のミシュランXWX(70扁平)タイヤを装着しています。
正確に言えばこの新タイヤの登場を待てなかったためスレンダーなLP400が世に出たとも言えます。

この新しいロープロファイルタイヤはピレリとポルシェが共同開発を続け、
1975年にポルシェ930ターボ(現公式名911ターボ3.0に改名)に装着されて姿を現します。

この素晴らしいタイヤの登場はカウンタックにも影響を与えました。
(ピレリは現在もP7という名のタイヤを市販していますが、この当時のP7とはまったくの別物)

1978年 カウンタックLP400Sの登場

1978年3月ジュネーブモーターショーに初めてLP400S(シャシーNo.1121001)が出展されました。

初めてカウンタックに本格的なマイナーチェンジが施されます。
ただ、当時ランボルギーニ社は極度の資金難に陥っており、カウンタックに改良を施す余裕はなく、
その改良作業はウォルター・ウルフやジャンカルロ・ダラーラといった社外の人々によって成し遂げられました。
(ダラーラは後にランボルギーニ社に復帰)

このLP400Sは後にウォルター・ウルフによって3代目ウルフカウンタック(シャシーNo.1121002)へと発展することになりますが、
もともとLP400Sというクルマはウルフ用モデルであったという表現のほうが適切な気はします。

この新しいLP400Sはピレリが市場に投入した新しいロープロファイルタイヤを採用し、
これによってカウンタックの外観は大きく変化を遂げます。

前後オーバーフェンダーを装備し、オプションのリアウィング(エンドプレートなし)も設定され、
この極太の15インチタイヤ・ホイールを収めるためサスペンションやハブも改良を受けました。
さらにより強度の高いアンチロールバーも装着されています。

また、Girling製ブレーキキャリパーを使っていたLP400とは違い、
LP400SはATE製のより強力なブレーキが搭載され、大幅に制動力も高めています。

後年、多くのLP400がLP400S仕様にモディファイを受けますが、
実は両車にはかなりの違いがあったことがわかります。
(近年はLP400が見直され、多くのLP400S仕様がオリジナルに戻されているようです)

カウンタックLP400S
出典:supercarnostalgia.com 1978年当時のオリジナルLP400S
(全長4140mm×全高1039mm×全幅2000mm)

生産が開始されたLP400Sですが、18台目からは計器が変更されています。
このメーター変更はシリーズ2からと書かれた文献が多いですが、
正しくはシリーズ1の18台目から変更されています。
8連メーターから7連メーターへの変更です。

ローボディ最後のモデルLP400S(シリーズ2)

翌1979年にLP400S(シャシーNo1121102~)は細かな変更を受けます。
ホイールの形状変更とオプションのリアウィングがエンドプレート付となりました。

このシリーズ2の大きな変更点としてメーターが7連へ変更されたと記載している文献が多いですが、
前述のとおり、正確にはシリーズ1の途中から変更されています。
生産51台目となるシリーズ2から変わったわけではありません。

1981年6月LP400Sは大きな変更を受けます。
シリーズ3の登場です(シャシーNo.1121312~)。

このシリーズ3では車高が30mm高められ、中央のルーフトンネルも排除、
サスペンション取付位置も高く変更されています。
また、キャブレターも輸出先の排気ガス規制に対応するため、
従来より小型のウェーバー40DCOEキャブレターへと変更されました。

これによってカウンタックは慢性的に抱えていたある大きな問題を少し解決しています。
それは極端に低く薄いボディデザインから来る乗降性の悪さ問題でした。
当時、買いたくても買えない身体の大きな顧客がたくさんいたのです。
ローボディのカウンタックは身長180cm以上あるような人だと運転は困難で、
また、実際に購入したオーナーにも乗れない人がいて、
その不満は世界中から寄せられていたそうです。

LP400S(シリーズ3)からハイボディへ

シリーズ3で大幅なボディ改修を受けるカウンタックですが、
その作業は外観のイメージを崩さないよう慎重に行われています。

カウンタック ローボディ ハイボディ
出典: Automobili Lamborghini S.p.A.(ベルトーネにおいて撮影された当時の同社出版物)
カウンタック ローボディ ハイボディ
左がローボディのドアパネル、右がハイボディのドアパネル
カウンタック ローボディ ハイボディ 
左がローボディ、右がハイボディ この部分だけで約2cmほどボディの厚みが違うのがわかります。

当時のローボディとハイボディのカウンタックを比較した貴重な写真です。

これらの写真は当時のランボルギーニ(ベルトーネ)のものですが、
すでに両社とも当時の法人は消滅しており、
出典先として正式な承継会社である現ランボルギーニ社を記載させていただいております。

これらの写真からローボディがいかに低かったかがわかると思います。
同時に、大きな違和感なくハイボディ化を果たしたデザインの妙は称賛に値すると思います。

この改修で極めて乗り難く狭かったカウンタックはかなりの改善を果たしました。
また、LP400Sシリーズ2までは下回りの低さも問題だったようですが、
サスペンション位置の変更はこれの改善にも効果があったと言われています。

ランボルギーニ カウンタックLP400S 
出典:Lambo Power.com 上がローボディのシリーズ2、下がハイボディのシリーズ3
よく見比べるとルーフ先端の傾き、ボディ全体の厚みの違いがわかります。

ローボディ カウンタックの生産台数

LP400Sはシリーズ1が50台、シリーズ2が105台、シリーズ3が82台の合計237台生産されますが、
ローボディのカウンタックという括りで見ると以下のようになります。

LP400152台
LP400S(S1)50台
LP400S(S2)105台
307台
プロトタイプを除く

この数字を見るとローボディのカウンタックが如何に希少な存在であるかがわかります。

余談ながらハイボディ化された最初のモデルであるLP400S(シリーズ3)ですが、
当時ランボルギーニ社が新経営体制へと移行し、
新しいLP500S(北米名5000S)の販売開始を急いでいたことから、
生産設備を素早く新モデルへ移管する必要がありました。
新生ランボルギーニ誕生の波に押されるように1982年春には生産終了しています。

そして以降のモデルはすべてハイボディで生産され、
ローボディが復活することはありませんでした。

まとめ

カウンタックはローボディもハイボディもどちらも低く、
カッコいいクルマであることに変わりはありませんが、
細かく比較するとかなり違いがあることがわかります。

カウンタックなんてそう簡単にお目にかかれるクルマではありませんが、
もし運よくローボディの実車を目撃できたなら、
是非この記事を思い出してやってください。

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