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クルマ買取一括査定は危険? 実態を適切に把握して利用しましょう

カーショップ自動車関連
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これからクルマを売却しようとしているとします。
ネットで調べると一括査定がお得だといって推奨している記事がたくさんありますね。
私はクルマ業界関係者でもありますが、安易にお得だと考えないほうがいいかも知れません。


実際はほんのちょっとのメリットとたくさんのデメリットがあったという人がいたり、
逆にデメリットなんてほとんど感じることなくお得に利用できたという人もいます。
正に真逆の評価ですね。
利用にあたっては各サイトの特徴をしっかり把握することが必要です。

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ネット記事の危険性

ネットで調べると一括査定のメリットとデメリットをまとめた情報記事がたくさんあります。
多くの記事は適切な情報を提供してくれていますが、
中には「一括査定を利用しないと損します」というような記事もあります。
正直、こういう記事には違和感しかありませんので注意しましょう。
私も読んでみましたが、ほぼ確実になんらかの報酬サイトへの誘導記事が多いですね。
その一方で「絶対利用してはダメだ」と痛烈に批判してる記事もあります。
これもサイトの適切な利用方法を理解していないだけでは?と感じるものもあります。

ネットにある多くの情報はとても有益で参考になることは間違いありませんが、
それが自分の求めている情報なのかどうかを見極めないと役に立たないこともあります。

クルマを売るときには業者がJPUCに加盟しているかどうか確認しましょう。
JPUCとは一般社団法人日本自動車購入協会といって、
消費者保護の基準を遵守している優良な業者だけが認定され加盟しています。
意外と未加盟の業者は多いです。
未加盟業者がすべて悪質で危険というわけではありませんが、
一定の信頼の証にはなると思います。

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一括査定の利用方法

今回は一括査定の利用をお勧めしたり促進する記事ではないので簡単に説明します。
一括査定の利用自体は極めて簡単です。
一括査定を行っているサイトに登録して査定の申し込みをするだけです。
ただ、登録には住所や連絡先も提示する必要がありますし、
クルマの細かな情報も入力しなければなりません。
予めご自身のクルマの状態を頭に入れて車検証などの書類も用意して申し込みましょう。

そして多くのサイトでは自分で業者を選ぶ方法を採用しています。
ここで選んだ業者はあなたが入力した情報を参照することができて、
取引が開始されるという流れになります。
まず最初は査定日時のアポ取りから始まるでしょうね。
すぐに多くの業者から電話がかかって来ると思います。
そこでは売却する理由とおおよその希望額やクルマの状態を聞かれると思います。

一括査定サイト利用の流れ

・一括査定サイトに売却するクルマ情報を入力

・連絡先など個人情報を入力

・電話やメールで買取業者から連絡が入る

・各業者の査定額を比較して売却する業者を選ぶ

・選んだ業者と本格的な売却交渉を行う

・精密な査定を経て売却する

一括査定の注意点

一括査定は便利な反面、気をつけないといけないところがあります。
あらためて整理したいと思います。

電話ラッシュに襲われる

これは最大のデメリットとして多くの方が注意喚起しています。
車種によっては一度登録すると何百本という電話がかかってきます。
しかも朝から晩までです。
仕事中だろうが何だろうがお構いなしにかかってくるので非常に厄介です。
最初は自分のクルマに興味を持ってくれてると感じて嬉しくなってしまう人もいますが、
やがてはあまりの電話本数の多さに辟易してしまいます。

しかし、原因はご自身のほうにもあります。
査定を依頼する業者さんを絞らず申し込んでしまうと鬼電ラッシュに遭ってしまいます。
サイトによって査定申込可能な業者数は違いますが、少ないところで10社前後、
多いサイトだと30社なんてサイトもあります。
何も考えずに何十社も対象にしてしまうと電話ラッシュに遭いますので注意が必要です。

別サイトへの誘導がある

これは必ずしも悪い話しばかりではないのですが、
自社の専用サイトなどを持っている場合はそちらへの誘導を図って来ます。
多くは顧客の囲い込みであって商行為としては自然です。
ただ、依頼者は簡単に済ませたいと思って一括査定を利用しているわけなので、
本末転倒で迷惑な話しでもあります。

メール連絡だけでは取引できない

一括査定サイトではメール連絡のみを選べるようになってますが、
これがまったく機能しておらず確実に電話がかかって来ます。
大手業者の中にはオートコールを採用しているところもあり、
自動的に電話連絡する仕様になっています。
ガリバーとかビッグモーターなどがそうです。

大手の場合は客数も多く、初期段階ではオートコール機能にでもしてなければ、
捌ききれない現実もあります。

強引なスタッフに遭遇する

業者の中にはかなり強引にグイグイ迫って来るところがあります。
業者も必死なわけですが、熱意とは感じられないくらいの態度に驚いてしまう人も多いです。
業者側から見るとタッチの差で良い商品を買い損ねたくないので必死です。
ただその強引さが不快なことも多いです。
一括査定とはそういうものだと割り切らないといけないでしょうね。
つまりのんびり売却を進めたい人には向かないサービスだと思います。
ここで温度差があると「しつこくて酷い業者だ」と感じたりします。

クルマの売買は百万単位のお金が動くビジネスです。
何がなんでも買い取りたいと思えば朝から晩までプッシュして来ます。

キャンセル料金が発生することがある

一括査定サイト利用者の苦情で多いのが売らなかった場合に発生するキャンセル料の問題です。
(もちろん個別に買取査定を受けてキャンセルする場合も同様です。)
中には支払う必要のない根拠なきキャンセル料を請求して来る悪質業者もいますが、
実際に実害を発生させてしまうとキャンセル料は請求されます。
よくあるパターンが売却契約を結んだ後でもっと高値の業者が現れてキャンセルする場合です。
これは買取業者に実害を生じさせてますので契約書に基づいた額を請求されます。
正規の商行為として請求されるキャンセル料からは逃れられませんので注意しましょう。

利用客側の注意点

確かに不快な業者はいますし迷惑を被ることもありますが、客側にも問題のある人はいます。

軽い気持ちで査定依頼しない

クルマの査定依頼は売る行為の一歩なのに、
単に自分のクルマの相場が知りたいだけで安易に申し込みをする人もいます。
本気で売る人と本気で買う人ならばそこまで迷惑とは感じないものです。
本当に本物の迷惑電話をかけているような業者はほとんどありません。
ネットには「迷惑だった」と実例を挙げている人もいますが、
あそこまで嫌な思いをする人は極一部です。

必要以上に恐れることはないので極端なネット情報に振り回されないようにしましょう。
もっといえば自分で対象業者を絞るなどコントロールもできるので、
無闇に多数の業者に査定依頼しないことが重要です。
一般的には5社前後に依頼するのが理想的といわれます。

必ず売れるわけではない

一括査定をしてもらえば必ずどんなクルマでも売れると思っている人がいますが、
決してそうではありません。
正確にいえば希望した額や内容で売れるとは限らないということです。
とくに地方だと業者数が少なくて動きが悪いことも珍しくありません。

残念ながら大都市と地方都市では享受できるサービスに差があります。
業者も高値で売れるクルマなら地方へ出向いてくれますが、
数十万円程度の市場価値しかないクルマだと、
わざわざ時間と費用をかけて地方へ赴き買取りたいとは思わないものです。

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結局のところ一括査定は有利なのか?

結論からいうとメリットもありますが、確実にデメリットもあります。
一括査定のシステムを体験してみるとわかりますが、
自動的に売却が完了するわけではなく、
最終的なクルマ売却に関する手続きは(当たり前ですが)通常と何も変わりません。
最初の窓口が広いので同時に複数業者と話しが進んで行くという一面はありますが、
極論をいえばメリットはただそれだけです。

また、とくにここが重要ですが、総じて査定額は高くならないと思います。
(一括査定で高く売れたという情報は多いですが、怪しい話しも多そうです。)
自分で足を運んで各業者と値交渉したほうが高値を得られることが多いです。
これはクルマ関係の仕事をしている人なら常識の話しといっても過言ではありません。
はっきり書いてしまいますが、一括査定の業者は連絡を取り合っています。
業者側は横の繋がりを持ってますので内々に調整して値付けしてることが多いです。
この言葉の意味をしっかり理解していただけたら幸いです。
自分で個別に足を運んで査定を受ければそんな「調整価格」に遭遇することはありません。
ネギを背負ったカモにならないよう気をつけましょう。

本気で売る気があるなら選択しても良い

一括査定サイトにもそれぞれ傾向や特徴があって、
ある意味で危険なサイトもあればまったく心配無用なサイトもあります。
危険というのは「売ってくれるまで帰らない」ような業者に遭遇することを指してますが、
本気で売る気があって査定を受けているのであれば別に迷惑な話しではないはずです。
徹底的にその熱心な営業マンと値交渉すればいいと思います。
クルマ屋視点で見ると、売る気がないから迷惑に感じているようにしか思えないわけです。

また、総じて査定額が高くならないデメリットがあると書きましたが、
別の一面もあります。
クルマによっては個別に足を運んで必死に値交渉しても数万円高いだけということもあります。
つまり貴重な休日を潰して買取店巡りをしてもその成果が数万円高いだけということもあるわけです。
そういう方にとっては一括査定を利用したほうが得だったかも知れません。
少なくともゆっくり過ごせた休日が何日か得られたと思います。

基本的なクルマ売却の注意点

クルマというものは大体の相場価格というものがあります。
基本的にどこで売ってもそれほど大きくは変わらないものです。
ただ、ややこしいのはクルマによって相場が動くことがあります。
そういうクルマを売る場合は時間をかけて足を運べば高く売れる可能性があります。

わかりやすい例を挙げると初代ユーノスロードスターがここにあったとします。
年式だけを考えればもう価値はほぼ0円のクルマですが、
現実相場は100万円以上で売れる可能性があるクルマです。
こういうクルマは欲しがる業者とそうではない業者で価格差が生まれます。
是非売って欲しいと思っている業者は120万円くらい値付けする可能性がありますが、
そこまで欲しがっていない業者だと90万円くらいかも知れません。
こういうクルマを一括査定に出すのは危険です。

ポルシェ911 ナロー
希少価値の高いクルマは個別に査定を受けたほうがお得です。

買取業者へ売却するときの注意点

クルマの買取業者というのは文字通り「買取り」に来ています。
つまり価格交渉が成立すればその日のうちにでも引き取るつもりで来ています。
多くの方が新しいクルマを買ったから古いクルマを売却するんだと思いますが、
販売店の下取り査定と買取店の買取り査定はまったく別物です。
そもそも比較するようなものではないともいえます。
新しいクルマを販売した会社の下取り査定はクルマを入れ替えるときの価格をつけてますが、
買取業者の場合は「今」の価格です。
極端な話し、明日になったら価格は変わります。

よくネット上に、

「下取りは120万円だったけど買取りは150万円だった」

などと価格情報が出てますが、
売却する時期が違うことが多いので十分注意しましょう。

次のクルマの納車時期が未定だと今の150万円がお得かどうかわからないです。
数ヶ月間クルマなしで大丈夫なら150万円の買取業者を選べばいいと思いますが、
次期愛車が納車されるまでクルマが必要なら「買取業者」は選べないのです。

まとめ

乗らないクルマを処分するなら一括査定を受けて有利な条件を導き出してもいいと思いますが、
現在乗っているクルマを売却する場合は売却時期も考えないといけません。
一括査定のようなシステムはクルマの入れ替えには向かないことが多いので注意しましょう。

また、多くの場合、メリットがあったという方は優良なサイトを利用しており、
嫌な思いをしたという方は悪質なサイトを利用してしまったというのもありそうです。
一概に一括査定が危険とか悪質なんてことはないですし、
逆にメリットがたくさんあるなんてこともないです。
大事なことはそれぞれの特徴を理解して利用することだと思います。

また、売却するクルマによっても一括査定向きかどうかは考えたほうがいいです。
プレミア価格が付くようなクルマは時間をかけてしっかり査定を受けたほうが絶対に有利です。
慌てず焦らず自分のクルマに向いた売却方法を探しましょう。

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