FIAT 500に限らず現代のクルマにはエンジンチェックランプが点灯するエラーは数多くあります。
この現象はエンジンになんらかのエラーが出ていることを表していますが、
考えられる原因が多岐に渡り過ぎていて判断が難しいです。
FIAT 500の場合はどんな原因が多いのでしょうか?
走行しても問題ないエラーと危険なエラーがある
このエンジンチェックランプ点灯には大きく分けて走行しても大丈夫なエラーとそうでないエラーがあります。
代表的なエラーを見てみましょう。
![エンジンチェックランプ](https://sskoba.com/wp-content/uploads/2022/08/checkmark.png)
O2(空燃比)センサーの故障
これは多くのクルマで発生しやすいエラーです。
いわゆるセンサーエラーというものです。
稀に誤反応でエラー信号を出力することもありますが、
センサー本体の故障が原因です。
FIAT 500の場合は前後に2つのO2センサーがありますが、
診断機にかければどのセンサーがエラー信号を出しているかはすぐわかります。
このO2センサーの故障の場合、まず走行不能にはならないので放置している人もいますが、
エンジンチェックランプが点灯している状態では車検を通すことはできないですし、
整備不良になってしまいますのでできるだけ早く交換修理しましょう。
それに点灯状態で乗っていて他のもっと深刻なエラーを見逃してしまったら本末転倒です。
交換費用は1~5万円くらいです。
費用に幅があるのは単純にセンサーが2つあるからです。
正規ディーラーだと2つとも交換する修理を勧めて来ると思いますが、
交換作業自体が簡単なので壊れたほうだけの交換でいいと思います。
というのもそんなに頻繁に壊れるパーツではないからです。
![フィアット500 O2センサー](https://sskoba.com/wp-content/uploads/2022/08/O2SENSOR.png)
インジェクションバルブ故障
FIAT 500の場合、インジェクション関係の故障は少ないと思います。
私の身近にある数多くのFIAT 500で壊れたクルマは一台もありません。
ただ、確かに少ないのですが、この不具合でこのエラーを出すエンジンは確実に存在します。
しかし、実際はインジェクションバルブの故障が原因ではなく、
それを制御しているエンジンコンピュータのトラブルのほうが多い印象です。
普通に診断機にかけるとインジェクション関係のエラーが表示されますが、
本当の故障原因は別のところにあるという厄介な状態です。
これを正確に診断するのは困難で、おそらく腕利き整備士でも簡単には見抜けないと思います。
そのためあちこち部品を交換する修理になりやすく、
完治までにお金がかかってしまうことが多いです。
ちなみエンジンコンピュータ(ECU)は約15万円くらいしますが、
腕のある専門店なら中古品を使って数万円程度で修理してくれます。
(中古ECUは適切にマッチングさせないと稼働してくれません。)
尚、壊れたコンピュータを修理する業者もありますが、
ほとんど修理できないようです。注意しましょう。
また、このエラーの場合はエンジンが正常に動作せず変な振動を伴うことが多いです。
そのまま走らせるとエンジンストップしてしまう可能性があるので、
走行はやめて速やかに修理工場へ持ち込みましょう。
イグニッションコイルの故障
FIAT 500に限らずいろんなクルマに多い定番トラブルですね。
粗悪な社外品を使っているとさらに起こりやすい印象です。
上のインジェクショントラブルと同様でエンジンは一部のシリンダーが正常に爆発していないので変な振動も発生します。
こういう点火系のトラブルも発生したら走行を中止して整備工場へ駆け込みましょう。
純正品は一本約1万円前後、粗悪でない社外品でその半額くらいでしょうか。
交換工賃はそう高くないですが、DIYでも比較的簡単に交換できると思います。
オーバーブーストソレノイドバルブの故障
これはターボエンジンを搭載するTwinAirに発生するトラブルです。
ただ、本当にソレノイドバルブが壊れているのではなく、
ゴム製のインタークーラーホースにひびが入ってエア漏れが起きていることのほうが多いです。
このホース劣化は定番トラブルの一つで、
キチンと定期点検を受けているクルマなら事前に交換しているのでほとんどないトラブルだと思います。
定期整備をしていないクルマだとホースがボロボロになっていることもありますね。
(中古車をチェックするときの目安にしてもいいと思います。)
ちなみに純正部品は15,000~20,000円くらいでしょうか?
このパーツは時期によって価格が変動してる気がします。
ただ純正品は経年劣化するので社外品の強化シリコンホースに交換してるクルマも多いです。
部品単価が倍くらいしますが、耐久性が全然違います。
セイフティーフューエルカットエラー
このエラーは何か異常を検知したときに安全のため燃料がカットされるため発生します。
多くの場合はエラーコードを消去すれば正常に戻ります。
ただ、本当に何かマズイところが壊れて燃料をカットしてる可能性もあるので、
このエラーが出た場合はきちんと整備士に診てもらいましょう。
ただ、厄介なのは原因不明でこのエラーが出ることがあるのと、
ヘタな修理工場へ持っていくと原因がわからず片っ端から部品交換修理をされやすいことでしょうか。
本当は1万円くらいで直る故障なのに20万円近い出費になった実例もあります。
そういう整備に遭わないためにも信頼できる整備士と仲良くしておきましょう。
マルチエアユニットの故障
フィアット500は油圧でバルブを制御しています。
寒冷な日はエンジン始動時に油圧が上がらず、
一時的に作動不良から点火系が誤動作し警告灯が点灯しやすいです。
そのような場合は暖まれば支障なく走行できますので焦らないようにしましょう。
また、こういう状態のときはアイドリングが不安定になってカタカタ音が鳴ったりしますが、
多くの場合は一時的な失火現象なので頻発しなければそれほど心配しなくても大丈夫です。
エンジンコンピュータにはエラー履歴が残っているので消去してもらいましょう。
ちなみにツインエアの場合、なぜか2番シリンダーに発生しやすいです。
最近の若い方だと理解しにくいかも知れませんが、
昔のキャブレター車でプラグが被ったときの症状に近いと思います。
もしこういう状態になったら軽くアクセルを煽ってエンジンストールしないようにしましょう。
油圧が上がってくればエンジンは正常に回り始めます。
また、ストールさせてしまうとプラグ被りを起こして再始動が困難になってしまいます。
気をつけましょう。
![](https://sskoba.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/b-man.png)
この現象が頻発する場合は整備工場で調べてもらいましょう。
一時的な現象ではなく本当に点火系が壊れている可能性があります。
最悪の場合、油圧制御しているマルチエアユニット故障の可能性もあります。
そうなると約30万円ほどの修理になってしまいます。
下手な修理工場だと安易にマルチエアモジュール一式交換と診断することもあります。
数万円で直るものを数十万円の修理と誤診されないよう気をつけましょう。
AUTELなど診断機の導入をおすすめ
FIAT 500も搭載エンジンによって若干エラー表示の傾向に違いがあるように思いますが、
エンジンチェックランプ点灯の原因としては上記が多いように思います。
厄介なことはエラー表示としてわかるのは単に「エンジン異常」という情報だけで、
そのエラーの中身まではわからないというところですね。
ある程度クルマのメカに詳しい人じゃないと推測するのも難しいと思います。
FIAT 500に限らず現代のクルマは一度エラーが出るとチェックランプは点灯を続けます。
整備士が使うような業務用の高価な製品でなくてもいいので、
OBD接続できる簡易的な故障診断スキャンツールを持っておいて、
自分でエラーの正体を把握できるようにしておくと安心だと思います。
もちろんエラーを消去することもできます。
本当に故障してるときはエラーコードを消去しても再度エラーが表示されるので、
整備工場へ駆け込む判断もできるようになります。
個人的にはAUTELの診断機が使いやすいように思います。
AUTEL診断機は自動車整備工場ではおなじみの業務用製品ですが、
エンドユーザー向け製品もあって、こちらは価格も8,000円前後とリーズナブルな製品です。
私はもうちょっと機能豊富な上位機種を使用していますが、
整備業務で使うわけではないのでこのくらいの物で大丈夫です。
嵩張るものでもないので車載しておくと安心度が上がると思います。
![AUTEL319](https://sskoba.com/wp-content/uploads/2022/08/AUTEL319.png)
1996年以降に販売されたほとんどのクルマで使用できる汎用性の高い製品です。
まとめ
クルマに乗っているとどうしても不意のトラブルは避けられません。
安心確実なロードサービスと契約しておくのは必須ですが、
自分でも多少の状況判断ができるように勉強しておくと気持ちにも余裕が生まれます。
きちんとメンテナンスされたFIAT 500ならそうそう壊れることはありませんが、
万一に備えておくとドライブの安心度はぐっと高まると思います。
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