クルマの売却には下取りや買取りなどの方法がありますが、
効率良くお得で上手に売り抜けるのはなかなか難しかったりします。
まして不動車や古いクルマとなると売れるのかどうかすらわからないものです。
今回はしっかりと調べてから売却すれば高値で売れたケースをご紹介します。
国産旧車の不動車
![トヨタマークⅡ](https://sskoba.com/wp-content/uploads/2022/12/mark2-2000.jpg)
古い国産車のセダンを安値で売却してしまったケースをご紹介します。
クルマはトヨタマークⅡの不動車で、自宅ガレージの隅に約20年放置されていたクルマでした。
もともとはその家のご主人が乗っていたクルマで、
ご主人が病気でクルマを運転できなくなったことから長期間放置されていました。
ご家族は完全に鉄くずと思っていたので引き取ってくれる業者を探していましたが、
20年放置の不動車と聞くとほとんどの中古車屋は色良い返事をくれなかったそうです。
そんなとき地元のよく知る解体業者さんに相談してみたところ、
すぐ見に来てくれて即決5万円で買い取ってくれました。
お金を払わないと引き取ってもらえないと思っていたので喜んで売却したのですが、
後日、そのクルマがレストアベースとして他県の専門業者に70万円で売却されたことを知りました。
最近は国産旧車の人気が高まっており、しかも後輪駆動車のマークⅡは人気が高く、
なかなかの潜在的市場価値を持っていたのです。
なぜ70万円もの金額で売却されたことがわかったかというと、
5万円で引き取った解体業者もそんな高値で売れるとは思わず、
あまりにも買取り額と差があり過ぎたため、
後日、10万円ほど追加支払いしてくれたからでした。
解体業者は決して悪徳業者などではなく、家人とよく知っている間柄であったため、
気持ち程度ながら追い金をしてくれたわけです。
このケース…もし最初から自分で旧車を扱っている専門業者に問合せていれば、
15万円ではなく、少なくとも50~70万円で売却できた可能性が高かったと思われます。
せめてもの救いは10万円でもバックしてくれたことでしょうか。
走行距離38万kmの古いベンツ
![ベンツ300E](https://sskoba.com/wp-content/uploads/2022/12/benz-w124-2000.jpg)
1986年式のベンツ300Eで走行距離38万kmというクルマがありました。
ベンツのEクラスは1985年に初代が登場しますが、日本に導入されたのは1986年であり、
そのクルマは実質的に初年度モデルという希少なEクラスでした。
そんな古いベンツでしたが、オーナーが愛情を注いで大切に乗り続けたクルマであったため、
内外装ともにコンディションは上々な一台でした。
このクルマのオーナーは免許返納を機にクルマを売却処分しますが、
その買取り額は70万円…
長年お世話になったクルマ屋(整備専門の店)に買い取ってもらったのですが、
そのクルマ屋は中古車販売を本業としていなかったため、
すぐにそのベンツを業者向けオークションで処分します。
クルマ屋は70万円で買い取っているため、90~100万円くらいの落札額を希望していたのですが、
セリが始まるとどんどんと値を上げ、最終的に195万円で落札となりました。
このようにプロのクルマ屋でも潜在的な相場を見誤るケースは珍しくなく、
予想外に市場で高値がつくクルマはあります。
この300Eの場合はオーナーがご高齢者であったことから、
複数の買取店と交渉して巧みに売却するなどというのは困難だったかも知れませんが、
せめて販売メインの会社に売却していればもう少し高値で買い取ってもらえた可能性はあります。
錆びた空冷ビートル
![フォルクスワーゲン ビートル](https://sskoba.com/wp-content/uploads/2022/12/vw-type1-2000.jpg)
フォルクスワーゲンの空冷ビートルと言えば昔から人気のドイツ車ですが、
さすがに最近は街中で見かけることも減って来ました。
そんなビートルですが、今でもときどき錆びたスクラップのようなクルマが発見されます。
ちょっと前までなら屑鉄として解体処理されていたと思いますが、
現在、空冷ビートルは綺麗に修復すれば高く売れる時代になったため、
専門店でレストアされて蘇るクルマが増えています。
2022年春、ある農家の農機具小屋に放置されていたビートルが発見されました。
その農家は長く廃屋となっていたためトラクターや農機具などの残骸も多数見つかっており、
それらすべてを地元の建設会社が引き取って処分することになっていました。
なぜ建設会社が処分することになったかと言えば、
その廃農家の持ち主がそこを更地にして新しく自宅を建てるつもりだったからです。
そのためスクラップ状態のビートルは建設会社が処分することになったのですが、
実際は建設会社の担当者は下請けの土木会社に処分を依頼しました。
ところが依頼された下請け会社の社員がクルマ好きだったため、
そのまますぐに鉄くずとしては廃棄処分せず、
知り合いの中古車販売店店長に見てもらってその価値を確認しました。
もしかしたらちょっとした値がつくのではないかと思ったそうです。
その結果、なんとそのビートルには65万円の値段がついてしまいました。
それは喜ばしい出来事だったんですが、ここでちょっとした問題も起きてしまいました。
実はそのビートルはその農家の所有物ではなく、
かつて庭先を貸しガレージにしていたときから放置されていた知人(故人)のクルマだったんです。
クルマは抹消手続きが取られてはいましたが、現実的に所有者は知人の家族ということになり、
第三者が勝手に売却したり廃棄処分できないことが判明。
最終的に建設会社の弁護士が関係者の間に入って調停し、
売却額を一定の割合で分配することで話しがつきました。
当初からクルマの所有者の許可を得て処分を進めていれば全額近くが手に入った可能性が高く、
錆びて廃屋のガレージに眠っていたとはいえ、パーツはすべて揃った状態であったため、
専門のレストア業者に相談していればさらに高値で売れた可能性もありました。
![](https://sskoba.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/b-man.png)
このビートルはその後の行方が判明しており、
専門店で綺麗にレストアされて178万円の価格で販売されています。
まとめ
一般人から見たらゴミにしか見えない古いクルマでも、
特定のマーケットでは宝物に化ける可能性があります。
とくに古いクルマの場合は普通のクルマ屋ではなく、
そのクルマを専門的に扱っているお店に相談したほうが良さそうです。
普通の街の中古車店ではその価値に気づいていないケースもあり、
思わぬ高値がつくこともあるようです。
少しだけ時間と手間をかけて売却すると、
ちょっとした恵がもたらされるかも知れませんね。
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