日本を代表する高速道路の一つが東名高速道路と新東名高速道路ですが、
素朴な疑問としてどっちを走るほうが快適に移動できるんでしょうか?
また、一部の方は今でも東名高速道路を強く推しているようですが何故なんでしょうか?
東名高速道路の現状
東名高速道路はその名前からもわかるとおり、東京と名古屋を結んでいる高速道路になります。
名古屋と大阪を結ぶ名神高速道路とともに日本でもっとも主要な高速道路ではありますが、
東京から名古屋に至る地域周辺以外にお住まいの方にとっては日常的に使用する道路ではなく、
中には一度も走ったことがないという方だっていると思います。
そうなると初めて走る方やたまに走る方にとってはどっちが走りやすいのか、
どっちが便利なのかみたいなことは体感としてはよくわからないものです。
もともと東名高速道路は慢性的に渋滞しやすい区間を多く抱える高速道路で、
その解消は古くからの懸案事項でもありました。
新東名高速道路が開通すると並走区間の渋滞はかなり解消されましたが、
残念ながらまだ新東名高速道路は全線開通してません。
もっとも渋滞の激しい東京近郊の区間については今でも大きな渋滞が頻繁に発生しており、
これが軽減されるのはまだしばらく先になりそうなのが現状です。
一般的に「東名高速道路」と呼ばれますが、
正式路線名は「第一東海自動車道」となります。
新東名のほうは「第二東海自動車道横浜名古屋線」です。
ただ、全国各地に存在する他の「〇〇自動車道」と違って、
東名高速や名神高速の公式供用道路名はともに「〇〇高速道路」です。
公式に「高速道路」と称される道路は東名、名神、新東名、新名神だけで、
この4道路の大きな特徴となっています。
料金比較
現在の新東名高速道路はまだ全線開通してないので厳密に比較することは困難です。
しかも名実ともに並走道路であるため途中で両高速道路を行き来することも可能です。
そうなると単純な料金比較をしてもあまり意味がなく、
スタート地点から目的地までの区間を比較するのも困難です。
ただ、例えば愛知県の豊田市から静岡県の御殿場市までと限定するような比較なら可能です。
(この豊田市と御殿場市は両高速道路のICが近隣に存在します。)
起点 | 終点 | 距離 | 料金(普通車) | |
東名高速道路 (E1) | 豊田IC | 御殿場IC | 約216km | 5,240円 |
新東名高速道路 (E1A) | 豊田東IC | 新御殿場IC | 約210km | 5,090円 |
予想通りといえばそうなんですが、ほぼ大差ありません。
厳密にいうと線形の良い新東名のほうがやや距離が短く、料金も気持ち安いようです。
そのため業務で走行している営業車両などは新東名高速を好む傾向にあるようです。
そうなると次に気になるのは混雑具合ですよね。
交通量の比較
全国各地にある高速道路の混雑状況は曜日傾向や時間帯傾向などもあって単純ではありませんが、
一般的に比較される一日の交通量というデータで比較するならこちらも大差ないようです。
もともと東名高速道路と新東名高速道路は比較的近い距離を並走しているので、
大きくどちらかの道路に偏ってしまうようなことはないようです。
これが東名高速と中央自動車道みたいにルートが大きく異なる道路だとまた違うでしょうね。
御殿場JCT~三ケ日JCT間の全日平均の交通量データは以下のようになります。
2011/4/17~2012/4/7 | 2012/4/15~2013/4/6 | |
東名高速道路 | 約73,200台 (一日平均台数) | 約39,600台 (一日平均台数) |
新東名高速道路 | 開通前 | 約43,600台 (一日平均台数) |
このデータは単なる一例に過ぎませんし、今から10年以上も前のものです。
当時は開通したばかりの新東名高速道路が物珍しかったこともあって、
無理して新東名を走るクルマも多かったようです。
現在はそのような「ご祝儀通行」みたいなものもありませんので、
両高速道路の利用台数は開通当初とはまた違った傾向にあるようです。
最近は平日だと東名高速を利用する方が増え、
休日になると新東名高速の利用者が増える傾向にあるようです。
平日の新東名は大型トラックだらけで走り難いからでしょうか…
実際に走ってみた印象
私は名神高速や新名神高速はかなり頻繁に走ってるんですが、
東名高速と新東名高速に関してはそれほどでもなく、せいぜい月に数回程度でしょうか。
そのため毎日走っている地元の方々ほど実戦的に比較することはできませんが、
それでも私なりに感じていることをまとめてみます。
東名高速のほうが路肩が広い?
これは場所によりますし、道路全体がそうだというわけではありませんが、
総じて昔作られた東名高速のほうが走行路以外の周囲の空間が広く感じられます。
なんとなく新東名高速はコンクリートの壁に囲まれていて息苦しさを感じますが、
東名高速は山あいや谷を切り開いてガードレールを配した構造のところが多く、
新東名高速ほど圧迫感がなく、実寸以上に路肩が広く感じられます。
この両方の高速道路はともに本格的な一線級の高速道路ですが、
もともと視界の開けた広い場所に道路を作れた東名高速に対して、
新東名は取得できた限られた土地を使って無理に通したような構造になっています。
だからやたらと(狭い)トンネルも多いです。
確かに道路の線形は新東名高速のほうが綺麗で快適ですが、
少なくとも路肩付近の開放感は東名高速のほうが上だと感じられます。
東名高速のほうが前方視界が良好
新しい新東名高速や新名神高速は走行路面の状態なども良好ですし、
水はけの良いアスファルトで作られていることもあって雨の日の安心度も高いです。
しかし、気になるのは道路縁にあるやや背の高いコンクリート壁です。
運転中によそ見して景色を楽しむなんてのはNGですが、
それでも東名高速は視界の中に周囲の景色が飛び込んで来ます。
コンクリート壁の多い新東名高速にはこれが少ないですね。
普通乗用車だとこの壁が邪魔してカーブの先などは前方視界が遮られ気味です。
これは人によるとは思いますが、私は前方の道路状況が掴み難いのでこの構造は嫌いです。
回り込むようなカーブだと新東名高速は先が見え難いです。
それと視界不良の原因の一つに大型車両が多いというのもありそうです。
とにかく平日の新東名高速は前も後も斜めも大型トラックだらけです。
決してトラックが悪いわけではありませんが、
これら大型車両の集団に前方視界を遮られ気味なのは間違いないと思います。
カーブが多く単調な運転になり難い
古い線形の東名高速道路は場所によってはかなりのカーブが連続しています。
この連続するカーブや高低差が東名の弱点と言われてますが、
こういう線形の道路はやるべきことがいろいろあって眠くならないです。
確かに急カーブや視界の悪い高低差は危険なのかも知れませんが、
真っ直ぐ伸びているだけの道路には別の意味での危険が潜んでいそうです。
メディアの走行検証は当てにならない?
この東名高速と新東名高速に関してはさまざまなメディアが実走して検証してますが、
こういう検証は一般的なドライバーが普通に走行する状態を再現してないかも知れません。
「車線変更の回数が少なく済む」とか、「走行路が真っ直ぐに広くて快適」などと書いてますが、
実際に走る人が気にするのはそんなことよりも異常なスピードで走る暴走車が少ないとか、
大型トラックの集団の中を走らなくて済むといった、もっと現実的なポイントのような気がします。
確かに新東名高速の静岡県内は三車線あって速度も120km規制で速く走れますが、
高速走行に不慣れな方やご年配の方などはこの区間を少し怖く感じるようです。
もちろん120kmで走っているクルマが怖いのではなく、
120km区間だからプラスアルファして140~150kmで走るクルマが少なからずいることでしょうか。
そんなスピードのクルマがビュンビュン走って来たら怖く感じる人だっています。
高速道路を日常的に走っている方はそういうクルマをさほど気にはしないと思いますが、
久しぶりに高速走行される方だと危険な暴走車に見えてしまうでしょうね。
まとめ
新東名高速や新名神高速のような新しい設計の道路は線形が緩やかです。
そのため速度を出しやすく、高速巡行も楽なのは間違いありません。
しかし、全般に単調で変化がない道路であることも間違いなく、
運転していて道路からの刺激が少ないように感じます。
距離にして100km以内くらいの短い走行なら大した問題ではありませんが、
それ以上の長距離走行になると単調な道路は返って疲れそうです。
それが関係するのか、東名高速のほうがどこを走っているのか視覚的に理解しやすく、
新東名高速は案内看板やナビの地図などを見ないと現在地がよくわからないです。
感覚的にどこを走っているのかわからないというのはややストレスを感じます。
基本的には設計の新しい新東名高速のほうが走りやすい道路ということで間違いないですが、
実走してみると意外と「東名高速も悪くない」と感じるものです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ブログ村にはさまざまなカーライフ情報が溢れています。
是非訪れてみてください。
にほんブログ村
コメント