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FIAT 500 デュアロジック初体験者が語った正直な印象と感想

デュアロジック フィアットFIAT500関連
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フィアットが採用するデュアロジックには独特な運転感覚がありますが、
その挙動を口頭で伝えたり説明するのはなかなかに困難です。
そうなるとやはり実車に乗ってもらうのが一番手っ取り早いものです。
今回は初めて運転した方が感じた印象をまとめてみました。
果たしてどんな印象を持ったんでしょうか…

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デュアロジック初体験

デュアロジックが独特の走行感を持っていることはよく耳にする話しだと思いますが、
走行動画などを見ても実際に自分で運転してるわけではないので実感が湧かないものです。
これは無理もないですよね。
やはり自分でハンドルを握って動きや反応を体感しないと難しいです。

そこで今回はこれまで一度もフィアットに乗ったことがない親戚に運転してもらい、
素直にどう感じたか印象を語ってもらいました。

ドライバーはトルコンATとCVTのクルマにしか乗ったことがないAT限定免許所持者です。

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いきなり戸惑う状況に…

今回はとくにフィアット好きというわけではないドライバーであることと、
すぐ交通量の激しい公道へ走り出すことになるので簡単に口頭説明だけはしましたが、
初めて乗った人が適切にマニュアルモードでデュアロジック操作なんてできるものではないため、
最初は完全にATモードだけで走ってもらいました。
その状態でも普通に走るだけならまったく問題はないのですが、
いきなりもっとも苦手な状況に遭遇することになります。
やや勾配の急なキツめの坂道です。

走行を始めてすぐ少々キツイ上り坂に遭遇したんですが、
デュアロジックはATモードだとすぐ2速にシフトアップしてしまいます。
ちょうど坂道に差し掛かったあたりで2速に入ったので、
そのまま坂道に突入することになるんですが、これが全然上らない…
正確にいうともの凄くモタつきながら必死に上るような感じです。

これがパワーのあるアバルトだとMTAのATモードでももう少し楽に上ってくれるんですが、
アンダーパワーなフィアット500だとかかなり厳しいです。
ちなみに1速のまま坂道に入っていけばさすがに楽々と上って行きますが、
こういう微妙なシフトチェンジのクセを掴めているかいないかでも乗りやすさの印象が変わります。

逆にいうとクセを掴めてしまえばそういう状況で困惑しないものです。
もちろんクルマ自身が限界を感じたら自動で1速にシフトダウンしてくれますが、
これも慣れないとそのタイミングがわかりずらいです。

ここでアクセルをトンと一発踏んでやるとキックダウンして1速に落ちますが、
トルコンAT感覚でゆっくり踏み込んでるとキックダウンしないこともあります。
この微妙なアクセルワークも慣れが必要かも知れません。
慣れてないと「え、キックダウンしない?」と感じるようです。
最近の賢いトルコンATだとそこまで2速で粘らないのと、
キックダウンさせるための踏み込み方もちょっと違いますね。
慣れてないのでドライバーも「キックダウンしないの?」と言ってました。

なお、このときの後続車はBMWの2シリーズ(多分218d)だったんですが、
煽られはしないものの、BMWドライバーからは「もっと加速してくれ」という、
なんともいえない無言の圧力みたいなものが伝わって来ます。
慣れるまではこういう状況もちょっとしたプレッシャーに感じられますね。

ちなみにデュアロジックに慣れた人だと素早く手動でシフトダウンさせますが、
まだ慣れてない方だとそういう簡単な操作もできないものです。

初体験者が感じたトルコンATとの違い

一般にフィアットのデュアロジックもATと表記されることがありますが、
当然ながらトルクコンバータを使った一般的なATや国産車に多いCVTとは別物です。

よくデュアロジックにクリープ現象がないことは話題になりますが、
このクリープ現象のないクルマに乗ったことがある人は意外と少ないものです。
そういう人だとブレーキを離してもクルマが動かないのが不思議に感じられるようで、
この段階で早くも違和感を覚えてしまいます。

これが坂道だったら…
上り坂だと後ろに下がりますし、下り坂では前に下がって行きます。
しかもクリープ現象で駆動力が伝わって動き出す感覚とは違い、
トルコンATで例えるならNモードでクルマが重力に引かれて動いてるように感じられます。
この状態は実際にギアがニュートラル(と同じ状態)なので間違ってはいないです。
違いはトルコンATだとアクセルを踏んでもエンジンが吹けるだけでクルマは動きませんが、
デュアロジックは機械がクラッチを繋げてくれるのでクルマが動き出すところです。
要はマニュアルミッション車のニュートラルと同じ状態なので、
AT車しか知らない人だと違和感を感じやすいですね。

多少なりともデュアロジックの挙動を知っている方ならすぐ慣れますが、
そうでない方だとクルマが進むように感じないので一旦ブレーキを踏んじゃいます。
つまりギアが入っていないと感じてしまい、シフト位置を確認しようとします。
これはマニュアルミッション車の運転経験があるかないかも影響するような気がします。

デュアロジックの印象

では初めてデュアロジックを体験したドライバーはどう感じたんでしょうか?

悪印象だったところ

ギアポジションがわかりにくい

運転してるときも止まっているときもギアが何速なのか感覚的にわからなかったようです。
ギアはインジケーター内に表示されてますが、体感的に何速に入っているかわからず、
なかなかこの状態に慣れず落ち着かなかったそうです。

微速前進が困難

クルマをちょっと前に出したいとか、後ろに下げたいときが厄介に感じられたそうで、
これはクリープ現象のないデュアロジックだと慣れるまでに時間のかかる人もいます。
(マニュアルミッション車に乗っていた人だとすぐ慣れるように思います。)

ギアの段数が少なく乗りにくい

最近のATは多段化が進んでいるのでデュアロジックの少ないギア数に慣れないようです。
マニュアルモードで走らせればそうでもないと思いますが、
ATモードだと変速時の段ツキを感じやすく不快感が増します。
これがデュアロジックの味でもあるんですが、好きでもない人だと微妙ですね。
確かに多段ATやCVTしか知らない人だと「なんじゃこりゃ」と思うでしょうね。
極端な言い方をすれば常にギクシャクしてます。

Pレンジがない

デュアロジックの特徴の一つにPレンジがないというのがあります。
多くのクルマにはこれがあるので停車時に戸惑うようです。
しかもPがないだけでなく、ギアのポジションがわかりにくいので戸惑いやすいです。
適切なポジション以外でエンジンオフすると「ピー」という警告音が鳴りますし…

好印象だったところ

無茶な操作は無効化される

デュアロジックをマニュアルモードにして走り出すと怖いのがシフトミスです。
なんか壊しそうな気がしますよね。
しかしデュアロジックはトルコンATミッションなどと同様に無茶な操作は無効になります。
間違ってシフトダウンさせても回転が高いとギアは落ちません。
つまり基本的にオーバーレブしないので安心度は高いです。
このあたりは精巧なDCTミッションと同じように作動してくれます。

シーケンシャルなので扱いやすい

一昔前の自動クラッチミッション車の中にはHパターンになってるタイプもありましたが、
デュアロジックは前後に操作して一段ずつしかシフトアップ、ダウンができません。
いわゆるシーケンシャルミッションになっています。
もちろんラリーカーやレースカーみたいな高速シフトチェンジはできませんが、
扱いやすいという点でとても好印象だったようです。

これがHパターンなんかだったら相当慣れないとマニュアルモードでは走れないかも。

クラッチミートが適切で快感

デュアロジック自体は変速ショックも大きく快適とは思わなかったそうですが、
自動的に繋がるクラッチの感触はとてもスムーズで快感だったそうです。
もっとガクっとクルマが揺れる印象を持ってたみたいですね。

あとがき

今回はあまりフィアットに興味のないデュアロジック初体験者に乗ってもらいましたが、
全体的な印象としてはすぐ馴染んでたようには思いました。

ただ、自分のクルマとしてこういうミッションのクルマを欲しいか尋ねたところ、
普通のトルコンATのほうが良く、デュアロジックは「乗りにくい」とはっきり言ってました。
ちょっと厳しい評価ではありますが、これがデュアロジックの真の姿なのかも知れません。
やはり一般的には少々厄介なトランスミッションなんでしょうね。
私は好きですが…

最後までお読みいただきありがとうございました。

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