FIAT 500には低ダストブレーキパッドを装着したクルマも多いですが、
純正ブレーキパッドと比較したときの効き具合はどうなんでしょうか?
私のFIAT 500 TwinAirは純正パッドを装着しているので、
これと比較した低ダストブレーキパッドの効きについて検証してみます。
試乗した社外製パッド
今回は身近なFIAT 500で低ダストパッドを装着しているクルマに乗ってみて、
その効き具合を体感してみました。
シリーズ3の1.2POPはツインエアとキャリパーが異なっていて効きが違い、
パッドの違いによる効きの判断が困難なので検証から除外しています。
(シリーズ4の1.2はツインエアと同じキャリパーです。)
基本的に同じブレーキキャリパーを使っているクルマに限定し、
キャリパー違いによる印象誤差が出ないようにしました。
ディクセル(Dixcel)タイプM
![ディクセル](https://sskoba.com/wp-content/uploads/2023/07/dixcel-2000.png)
誰もが知るディクセルの低ダストパッドです。
フィアットだけじゃなく愛用者の多い製品ですね。
難点はちょっと販売価格が高いところでしょうか?
フィアット500用も15,000~18,000円くらいしますね。
これを書いている現時点ではメーカー欠品中のようです。
それだけ売れてるということなんでしょうか?
私が懇意にしてるフィアット専門店もディクセル製品をイチオシにしてますね。
それもあって身近に装着車が多いです。
ディクセル(Dixcel)プレミアムタイプ
![ディクセル](https://sskoba.com/wp-content/uploads/2023/07/dixcel-2001.png)
ディクセルのプレミアムシリーズは厳密にいうと低ダスト製品とは明記されてませんが、
しかし純正パッドよりダストの汚れが少ないことと、
価格がタイプMよりかなりお値打ちということもあって使っている人が多いです。
ブレーキパッドとローターのセット製品があるのも愛用者が多い理由だと思います。
私の身の回りでも3台くらい装着車がいますね。
総じて好印象なようです。
ブレーニ(breni)DFPシリーズ
![ブレーニ](https://sskoba.com/wp-content/uploads/2023/07/breni-2000.png)
このブレーニはまだ自動車販売店や整備工場にそれほど知られていないかも知れませんが、
ネットでは有名な製品で購入して愛用してる人が増えている製品です。
私の身近でも急激に装着車が増えてますが、理由は比較的安価というのがありそうです。
もちろん「安かろう悪かろう」の低品質な製品というわけではないので安心です。
ブレンボ(brembo) 低ダストパッド
![ブレンボ](https://sskoba.com/wp-content/uploads/2023/07/brembo-2000.png)
不思議と身近には愛用者が少ないですが、これも人気の低ダストパッドです。
あまりにも有名な超高性能ブレーキメーカーですが、低ダストパッドなども販売しています。
ブランドイメージからするとパッドもかなり高価な印象ですが、そんなことはありません。
私の身近だとやや遠方に一台しか装着車がいないんですが、
今回は無理を言って協力してもらいました。
街乗りで試乗した印象
本当はブレーキの冷えた状態と暖まった状態の両方を試せるといいんですが、
現実的にそういう検証は難しく、すでに暖まった状態での試乗になります。
テストコースで厳密な比較などしてるわけではないのでご理解ください。
あくまでも公道で通常走行した印象です。
なお、純正パッドはすでに装着から約4万km走行している私のツインエアと、
最近、新車で購入されて約4,000kmほど走行したツインエアの両方に乗っています。
また、ブレーキローターは各車違いがあります。
純正パッド装着車以外はすべてローターが違いますのでそれもご容赦ください。
条件をすべて揃えるのは困難です。
なお、数字はすべて純正新品パッドを10としての比較になります。
ディクセル タイプM
ディクセル タイプM | 純正パッド ほぼ新品 | 純正パッド 4万km走行済 | |
装着後走行距離 | 約25,000km | 約4,000km | 約40,000km |
初期制動 | 8 | 10 | 9 |
ペダルタッチ | 8.5 | 10 | 9 |
効きの印象 | 8.5 | 10 | 9 |
乗ってすぐ感じたのは初期制動の甘さです。
純正パッドはちょっと強く踏むと「カクン」と来るような衝撃がありますが、
これがほとんどありません。
ただ止まらないような危険な感じではなく、慣れてしまえば気にならないと思います。
これを嫌って低ダストパッドにする人もいるくらいです。
全体の印象としては純正パッドから効きが「5~10%くらい落ちた?」という感じでしょうか。
スポーツ走行などする人だと気になる落ち具合でしょうが、
普通に街乗りするくらいならまったく支障は感じないと思います。
なお、試乗車のローターはTWR製でしたが、これがやや使用期間が長く擦り減っています。
この影響もあると思いますので、あくまでもこのクルマでの印象とお考えください。
ディクセル プレミアムシリーズ
ディクセル プレミアム | 純正パッド ほぼ新品 | 純正パッド 4万km走行済 | |
装着後走行距離 | 約5,000km | 約4,000km | 約40,000km |
初期制動 | 9 | 10 | 9 |
ペダルタッチ | 8.5 | 10 | 9 |
効きの印象 | 8.5 | 10 | 9 |
このプレミアムシリーズはかなり印象良かったです。
チョイ乗りしただけならタイプMより好印象です。
ただ、オーナーさんの話しによると汚れに関しては期待したほどではなく、
純正パッドよりは全然少ないものの、思ったよりダストは出るようです。
試乗時もけっこうホイールは汚れてました。
これが低ダストパッドであるタイプMとの差なので、
あくまでもダスト対策をメインに考えるならタイプMのほうが良さそうです。
ブレーニ DFPシリーズ
ブレーニ DFP | 純正パッド ほぼ新品 | 純正パッド 4万km走行済 | |
装着後走行距離 | 約3,500km | 約4,000km | 約40,000km |
初期制動 | 8 | 10 | 9 |
ペダルタッチ | 8.5 | 10 | 9 |
効きの印象 | 8.5 | 10 | 9 |
ディクセルのタイプMと違いがまったくわかりませんでした。
強いて言えば試乗したディクセル タイプMはすでに2.5万kmほど走行してますが、
こちらはほぼ新品のせいか鳴きが気になったくらいです。
効きの印象もペダルタッチもまったく同じに感じました。
個人的には全体の印象が一番良かったです。
コストパフォーマンス的にも他製品を圧倒しています。
ブレンボ 低ダストパッド
ブレンボ 低ダスト | 純正パッド ほぼ新品 | 純正パッド 4万km走行済 | |
装着後走行距離 | 約6,500km | 約4,000km | 約40,000km |
初期制動 | 8 | 10 | 9 |
ペダルタッチ | 8.5 | 10 | 9 |
効きの印象 | 8.5 | 10 | 9 |
これもディクセル タイプMやブレーニなどと違いを感じませんでした。
ただ、この試乗車はローターにスリット加工が施されているせいか、
一番派手にブレーキ鳴きがあってやや戸惑うくらいでした。
これはパッドそのものには関係ない話しですが、
もしかして鳴きが出やすい製品なのかも知れないので注意が必要です。
ただオーナーさんは同じパッドを純正ローターのフィアットプントにも装着しており、
こちらはまったく鳴きがないそうなので個体差かも知れません。
ATEセラミックパッド(番外編)
条件が揃ってないので番外編になりますが、
シリーズ4の1.2POPにディクセルPDローター+ATEセラミックパッド装着車にも乗りました。
このクルマはお世話になってる正規ディーラー所長の愛車で、
半年ほど前に下取り入庫したクルマをプライベート購入したクルマだそうです。
クルマをお借りして20分ほど走らせただけなので参考程度にお願いします。
ATE セラミック | 純正パッド ほぼ新品 | 純正パッド 4万km走行済 | |
装着後走行距離 | 約12,500km | 約4,000km | 約40,000km |
初期制動 | 9.5 | 10 | 9 |
ペダルタッチ | 9 | 10 | 9 |
効きの印象 | 9 | 10 | 9 |
これは純正パッドと違いをあまり感じませんでした。
かなり効きも似てます。
今回は効き具合を評価してますのでダスト汚れについては調べてないですが、
試乗時の汚れ具合いはかなり少ないように思いました。
所長の話しだと純正パッドの半分くらいの汚れ量ではないかとのこと。
ダスト汚れをやや抑えてくれて、純正同等の効きを求めるならベストな選択かも知れません。
![フィアット ダスト汚れ](https://sskoba.com/wp-content/uploads/2023/07/brake-dust-2001.jpg)
今回はダスト汚れの検証ではありませんが、
純正パッドはこのようにすぐ真っ黒に汚れます。
(汚れがわかるよう一部拭き取っています。)
実は中身は同じ??
さまざまなメーカーから低ダストブレーキパッドは販売されてますが、
実は製品の中身は同じなんじゃないかという説は根強いです。
確かにいくつかの製品は見た目のカラーこそ違いますが、
まったく形状などが同じです。
正規ディーラーの整備士は社外パッドに触れる機会が少ないのでよくわからないと言ってますが、
多くのフィアット専門店のスタッフは「いくつかの製品は絶対同じだよね」と言ってます。
また、親しいドイツ車専門店も〇〇社と△△社の製品はまったく同じだと断言してました。
(確証がないので社名は書きませんが、確かに色が違うだけで見た目はまったく同じです。)
どうなんでしょうか??
まとめ
今回は有名な低ダストブレーキパッド装着車に乗ってみたわけですが、
効きに関しては純正のメタルパッドより不利なのは当然なので、
あくまでもダスト汚れの少なさなども含めて判断すべきでしょうね。
全体的な印象はやや制動性能で劣るけどほぼ同等という感じで、
少し走れば違和感とかも消えるように思いました。
ただ、乗ってみて一番感じたのは「物は一緒じゃない?」というところで、
はっきり言って低ダストパッド同士なら違いなんてまったくわかりませんでした。
もしかしたらダスト汚れに違いがあるのかも知れませんが、
これの正確な検証は困難です。
少なくとも今回試した低ダストパッドで大きく性能差を感じることはなかったので、
販売価格なども考慮して「好きな製品を選べばいいのでは?」と思いました。
低ダストパッドを検討されている方の参考になっていれば幸いです。
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