FIAT 500の中古車は全国に1,000台以上存在します。
その中から希望の一台を探し出すのは至難の業です。
そこで大手カーサイトの中古車情報を活用するわけですが、
どんなに優れた検索サイトでも適切に探さないと優良車を見逃してしまうようです。
カーセンサー中古車検索のコツ
カーセンサーやグーネットといったサイトには全国各地の中古FIAT 500が掲載されており、
さまざまな検索条件でお目当てのクルマを探せるようになっています。
「簡単に数千台の中から希望の一台を探せます」
これがカーサイトのセールスポイントです。
実際、フィアットのように販売台数の多いクルマだと全掲載車を確認するのは困難です。
そこで検索条件を絞ってクルマ探しをするわけですが、
初期段階では条件をきつく絞って検索しないほうが良さそうです。
検索サイトのセールスポイントに書かれていることと違いますが、それはなぜでしょうか?
それは販売店によって掲載情報が揃っていないため、
初期段階であまり細かく条件を付けて検索してしまうと優良車を見逃す恐れがあるからです。
最初はかなりざっくりとした検索で絞り込みましょう。
重要なポイントを以下に記します。
今回はカーセンサーの検索画面を使って探し方を検証してみます。
まず上の初期画面の赤枠で囲った部分を見てください。
検索に入る前にここを確認しておきます。
この情報から2008年から販売開始されたモデルであることと、
おおよその販売価格、掲載台数が読み取れます。
次に検索項目にチェックをつけて絞り込みます。
ここでチェックするのは赤枠の二か所だけが良さそうです。
この段階でこれ以上絞ると後述するデメリットが出て来ます。
検索すると以下のような情報が見られます。
まだ160台以上もあって探しにくいと思いますよね?
でもこれでいいと思います。
ここで確認するのは赤枠の部分です。
この情報で以下のことがわかります。
- どんな販売店なのか?
- 保証の有無
このサンプル画像では販売店がBMW専門店で、
カーセンサーアフター保証取扱店であることがわかります。
フィアットの専門店ではないようですが、
欧州車専門店なので一定の安心感はありそうです。
もし正規ディーラーの認定中古車だけを購入対象とするなら以下のように検索します。
ここで注意が必要なのは検索された34台すべてが正規ディーラー中古車ではなかった点です。
今回の検索でもホンダ系ディーラーが販売するFIAT 500の中古車が含まれてました。
ここのチェックだけでは自動車メーカー系販売店すべてが含まれてしまうためこのようなことが起きてしまいます。
赤枠の情報からフィアット正規ディーラーの認定中古車であることがわかります。
認定中古車一択の場合は販売店情報と「認定中古車」という表記をしっかり確認しましょう。
なぜ細かく検索条件を指定しないのか
ではなぜ初期段階で細かくチェックして検索しないほうが良さそうなのかを説明します。
一例として支払い総額の問題があります。
実は中古車販売店によっては支払い総額情報を載せていません。
これは何故でしょうか?
主に以下の理由によります。
- 月を跨ぐと税金関係が変わってしまう
- 遠方購入者だと陸送費が発生してしまう
- 納車整備を必要としないケースもある
上記を読んで納得できる方は詳しい方だと思いますが、
実は中古車販売店が掲げる支払い総額は店によって含まれている内容がバラバラです。
最低限必要な費用だけを掲載し、あとは状況に応じて追加費用を加算する業者もあれば、
初めからかなりアバウトにてんこ盛りな数字を載せている業者もいます。
支払い総額を載せていない販売店は優良店と悪質店が混在しています。
ある程度クルマ販売に関する知識のある方なら見極められますが、
そうでない人だと明細を見せられても何がなんだかわからないと思います。
そこにつけ込んで本来必要のない費用まで徴収する業者もいます。
もっとも問題を感じるのが納車整備と書かれた項目です。
優良店は納車整備の詳細まで載せてくれてますが、
悪質店だと一律〇万円というような表記をしています。
このような表記をしている業者は要注意です。
実際には大した作業はせず、オイル交換と洗車だけして納車している業者も多いです。
(めちゃくちゃ多いです。注意しましょう。)
つまり支払い総額というものを正確に表記することは不可能です。
だからあえて載せていない優良店もあります。
そして中には車両販売価格を低く抑え、諸費用を厚くして利益を出している販売店もあります。
これは悪質店なんでしょうか?
そうとも限りません。
優良店の中にもこのような値付けをしているお店はたくさんあります。
大切なのはかかる費用の詳細を明示してくれているかどうかという点です。
このように支払い総額一つとっても店によって掲載内容が違いますので、
初期段階でここを一律チェックしてしまうと支払い総額を明示していない優良車や優良販売店を見逃してしまいます。
これを防ぐ必要があります。
何となく
『支払い総額を明示している = 優良店』
と思ってしまいそうになりますが、決してそんなことはないです。
最初の検索でここにチェックをつけてしまうと多くの良さそうな中古車が除外されてしまいました。
(重要)おおまかに検索したクルマの中から絞り込む
あえてざっくりと検索したため160台以上ものクルマ情報が出ていますが、
優良車を探すためにはここからがんばって絞り込みます。
ちょっと面倒な気がしますが、本当の優良車を埋没させないためには仕方ありません。
そしてここではクルマだけではなく、販売店の情報についても収集します。
FIAT 500をたくさん扱っている経験豊富な店は「おおまかに検索」するとたくさん浮上して来ます。
それだけ取扱車が多いということです。
お店情報を集めるためにもたくさん見たほうが良さそうです。
ところで、なぜ年式や走行距離情報を加えて検索していないのかは以下の理由によります。
- 全体相場を確認する
- グレード間の価格差を把握する
- 地域販売価格の差を確認する
- 単純にどんな中古車が市場にあるのか確認する
確かに少々大変なんですが、全体情報を集めたいので年式や走行距離情報はカットしました。
この作業を行うことで偏った相場情報を認識することなく、
FIAT 500中古車の実勢を見ることができます。
つまり走行距離が進んでいてもしっかり整備された少々高めの優良車があるということです。
実際そういうクルマが何台かありました。
ここで走行距離制限をかけてしまうとそういうクルマを除外してしまいます。
これを何度か繰り返し行うと販売価格が高いのか安いのかの目安もつかめるようになります。
もちろん「後期型に決めている」というような方は最初から年式検索で絞ってもいいです。
重要な点は最初から車両を絞り過ぎないことだと思います。
次にこのざっくり検索したクルマの情報から以下をチェックします。
この総合評価は絶対ではありませんが、ある程度は基準になります。
たくさんのクルマを確認していると評価数値の前後ブレ幅もつかめて来ます。
これもたくさん確認するからわかるもので、
数台だけを比較しているとよくわかりません。
そして保証の有無と保証内容も確認します。
但し、FIAT 500の場合、例えば重要機関部は整備済だが保証のない車と、
整備履歴ははっきりしないが保証はあるという車があった場合、
私なら整備履歴がはっきりしている整備済のクルマを選びます。
保証を付ける場合は相当額の上積みが発生しますが、
この金額によっては自分で購入後に必要なメンテナンスができてしまうこともあります。
外車購入の基本中の基本は「保証あり」ですし、
できるだけ「走行距離の短いクルマ」ですが、
FIAT 500に関しては現時点でのクルマのコンディションを優先したほうがいいです。
これは実際にFIAT 500に7年乗って来た経験から強く感じています。
他記事にも書いていますので宜しければご参照ください。
そして気になったクルマがあればここで「お気に入り」に登録します。
ここで約160台ある中古車から良さそうな5~10台程度までに絞り込みます。
この5~10台はクルマ自体も良さそうでしたが、
販売店も経験豊富で良さそうなお店ばかりでした。
かなり時間のかかる作業でしたが、
悪くないFIAT 500を抽出できたように思います。
いきなり細かく検索条件をつけて探していたら抽出から漏れたクルマもありました。
ざっくり検索の成果といえます。
本格的にクルマと販売店チェックを行います
5~10台程度まで絞り込んだら本格的に選んだクルマの状態を確認します。
サイト情報には書かれていないこともありますので、
必要に応じ電話確認も併用します。
合わせて販売店の細かな情報も収集します。
(聞いたことのない店舗ならネットで徹底的に調べます。)
経験上、たくさんの在庫車に対して一台一台丁寧に説明を記載している店は優良店が多い印象です。
とくにフィアットの壊れやすそうなところに関してコメントを入れてくれてる販売店には安心感を感じました。
逆にフィアットに関して詳しくないお店は「十分綺麗です」とか、
「車検も豊富なので安心の一台です」みたいなコメントばかり並べていて、
絶対にここからは買わないほうがいいなと感じた販売店もありました。
それからネット掲載車は時間差の関係ですでに売却済みになってしまっていることも多いです。
また、あらためて検索結果に誤りがないかも確認します。
例えば本当に事故車ではないかなどです。
ここでは以下の点を確認します。
- まだ在庫されているかどうか
- 整備履歴が残っているかどうか
- 走行距離や内外装のコンディションはどうか
- 正規ディーラー車かどうか
- 事故車(修復歴車)の恐れがないかどうか
- 装備内容に間違いはないかどうか
- 保証の有無と内容
他にも確認すべき点はありますが、
一から十まですべて完璧に確認することは不可能です。
高い買い物ではありますが、新車ではないので欲張りすぎないようにしましょう。
中古車はあくまでも中古車という割り切りは必要です。
ここまで進めるとかなり情報を整理したことになるわけですが、
しかし、この段階でもまだ確認だけに留めます。
例えば保証なしのクルマであっても超優良車は存在します。
保証がないからといって除外してしまうとその優良車を逃してしまいます。
ネット検索でクルマ探しを行う場合、
段階的に詳細を調べてから都度除外していったほうが結果がいいと思います。
《事故車に関して》
実は事故車の定義は業者によって違います。
日本オートオークション協議会が事故車というものを定義しており、
通常、自動車販売業界ではこの基準に沿って判定しています。
ただ、これは強制ではないため、独自に判断されているケースも多いです。
業界では事故車のことを「修復歴車」と称しますが、
中古車が売買されている業者向けオークション会場によって、
これの判定基準が違うという事実は覚えておいてください。
エンドユーザーはどうすればいいでしょうか?
「日本オートオークション協議会の基準に準拠してますか?」と確認しましょう。
気休め程度ですが、それくらいしか手立てがないのが実情です。
事故車に関しては、「最終的には自分の目で判断しましょう」などと言われますが、
実はプロの業者でも事故車を見抜けないことは珍しくありません。
つまりそれほど難しいものなのです。
ただあきらかにモノコックフレームまで損傷したようなクルマは判断できます。
優良な販売店であればこれを故意に隠して販売したりはしません。
販売店の選択を誤らないように注意しましょう。
保証内容の確認について
正規ディーラーも一般中古車販売店も保証付きのクルマを販売してますが、
保証付きと書かれているからといって安心してはいけません。
大切なのは保証の中身です。
以下はカーセンサー保証の一例ですが、
内容をしっかり確認することが必要です。
保証の期間や内容はさまざまです。
中には保証条件が厳しくて実質的に保証にならないケースもあります。
しっかり確認しましょう。
例えば上記保証の中にロードサービスが記載されてますが、
多くの任意自動車保険にはロードサービスが付帯しています。
JAFに加入されている方もいると思います。
そうなるとロードサービスは重複しますので不要なサービスになるかも知れません。
(ロードサービスといっても内容に差があります。これも確認要です。)
このように本当に必要で有効な保証内容なのかどうかしっかり確認しましょう。
また、できれば保証期間は半年以上が望ましいと思います。
ここまで確認して希望条件に合致しない場合は除外します。
希望条件に合ったクルマがない…
こうして絞り込んだ選別車の中から自身の好みや予算に合ったクルマを見極めます。
詳細なチェックをして自分の希望に合ったクルマに絞り込むわけです。
全車が残るかも知れませんし、2~3台に絞られるかも知れません。
そして、0台になる可能性もあります。
ここで焦って希望ではないクルマの商談に入らないことです。
数の多いFIAT 500の中古車ですが、
探すタイミングによっては希望するクルマが中古車市場にないことはあります。
市場に出て来るまで落ち着いて待ちましょう。
希望条件に合ったクルマが見つかった場合
この段階まで残ったクルマがあれば待ち望んだクルマの発見かも知れません。
購入希望を伝えて販売店と連絡を取っていい段階だと思います。
見積りを依頼しましょう。
そして近隣店であれば現車確認にも行きましょう。
遠方の店ならより詳細な情報も取り寄せましょう。
ネット掲載に使ってない写真や資料を送付してくれます。
気になるところの写真を送ってもらうことも可能です。
また、所定の回送費用さえ負担すれば系列店へクルマを送ってくれる販売店もあります。
(ヤナセなど全国展開している販売店がそうです。)
こういうサービスがあるのは大手販売店だけですが、一応問合せてみましょう。
基本的に中古車を現車確認なしで購入するのはリスクが大きいと思いますが、
最近は遠方にある極上車を見ずに買うというのも選択肢として確立しています。
しっかり調べた優良販売店からなら「買っても大丈夫じゃないか」という気にもなりました。
まとめ
今回はカーセンサーでのネット検索について検証してみましたが、
しっかり優良車(と思われるクルマ)を検索することができました。
あまりにも抽出作業が複雑になるので記載してませんが、
ボディカラーだけで探す方法や販売地域限定で探すようなやり方もしてみましたが、
正直、この方法だと優良車を探し出すのは難しい印象を受けました。
つまり検索対象が限定され過ぎてお得なクルマを見逃してしまうということです。
どうしても「〇色のFIAT 500が欲しい」というような強いこだわりがあれば別ですが、
そうでなければ特定項目を条件にしないほうが安全確実に優良車を探せると思います。
つまりFIAT500の中古車はたくさんあるが、
条件を絞って探し出せるほどの台数は出回っていないということだと思います。
また、在庫車すべてがネットに掲載されてるわけではないこともわかりました。
掲載枠数の関係から載せていない在庫車をたくさん持っている販売店もありました。
確かに私が知っているフィアット専門店も店頭で売れる優良車はあまりネットに掲載していません。
普通に店頭販売できるからです。
もちろんネット掲載車が粗悪ということではありませんが、
そういうお店もあることは覚えておきましょう。
中古車のネット検索サービスは在庫車情報を見るだけでなく、
優良店情報を集めるということでも使えるサービスです。
上手に使って良いクルマ探しに活用しましょう!
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