大人気のベンツCクラス(W205)も新型モデル(W206)の販売開始で買いやすくなって来ました。
まだまだ高価ではありますが、中古車購入を検討されている方も多いと思います。
W205にはさまざまなグレードがありますが、
中でもC180はお得感のあるモデルということで人気車となっています。
このC180ですが、C200やC220dとはどんな違いがあるんでしょうか?
W205のメイングレードはやはりC200
まず大前提としてCクラスのメイングレードはやはりC200だと思います。
W205に関してはC180もよく売れた人気車ですが、
そこにははっきりとしたグレード差が存在します。
しかし、中古車市場では現実的な理由からC180も高い人気を誇っています。
ちなみにライバルであるBMW(F30)の場合、
320iと318iにはあきらかなグレード差や人気差がありますが、
ベンツのC180とC200にはそれほどの差はありません。
これはW205の大きな特徴の一つになっています。
少し遅れて2015年に登場したC220dはディーゼルエンジンモデルなので違いが明確ですが、
C180とC200は販売当初から違いがわかりにくいモデルでした。
これはメーカーが見た目で大きなグレード差を出さないように販売した影響もありそうです。
しかしこの両車の中身にはそれなりに違いがあります。
どんなところでしょうか?
また、W205は前期型と後期型で大きく仕様が変えられています。
中古車市場だと同じ名前の各モデルが混在しててわかりにくいです。
まず前期型と後期型を分けて整理してみましょう。
前期型C180とC200、C220dの比較
ここでは両グレードの代表モデルであるアバンギャルド同士で比較してみます。
中古車市場でも一番販売数の多いモデルだと思います。
C180アバンギャルド | C200アバンギャルド | C220dアバンギャルド | |
排気量 | 1,595㏄ターボ | 1,991㏄ターボ | 2,142㏄ディーゼルターボ |
車両重量 | 1,510㎏ | 1,540㎏ | 1,690㎏ |
ミッション | 7AT | 7AT | 9AT |
駆動方式 | FR | FR | FR |
乗車定員 | 5名 | 5名 | 5名 |
最大出力 | 156ps/5,300rpm | 184ps/5,500rpm | 170ps/4,200rpm |
最大トルク | 25.5kgm/1,200rpm | 30.6Kgm/1,200rpm | 40.8Kgm/1,400rpm |
燃費 | 17.3km/l | 16.5km/l | 20.3km/l |
販売価格 | 467万円~ | 524万円~ | 569万円~ |
最小回転半径 | 5.1m | 5.1m | 5.1m |
エアサス | なし | なし | なし |
後期型C180とC200、C220dの比較
C180は同じエンジンを搭載してますが、
C200とC220dは前期型とは違う新エンジンが搭載されました。
C180アバンギャルド | C200アバンギャルド | C220dアバンギャルド | |
排気量 | 1,595㏄ターボ | 1,497㏄ハイブリッド | 1,950㏄ディーゼルターボ |
車両重量 | 1,510kg | 1,550kg | 1,640㎏ |
ミッション | 9AT | 9AT | 9AT |
駆動方式 | FR | FR | FR |
乗車定員 | 5名 | 5名 | 5名 |
最大出力 | 156ps/5,300rpm | 184ps/6,100rpm | 194ps/3,800rpm |
最大トルク | 25.5kgm/1,200rpm | 30.6Kgm/3,000rpm | 40.8Kgm/1,600rpm |
燃費 | 14.3km/l | 13.6km/l | 18.9km/l |
販売価格 | 498万円~ | 562万円~ | 588万円~ |
最小回転半径 | 5.1m | 5.2m | 5.2m |
エアサス | なし | なし | なし |
後期型の特徴は全モデル9速ATに変更されたことでしょうか。
よく9速AT化されて大幅に進化したという記事を見かけますが、
実際に前期型から後期型へ乗り換えた多くの人が大きな差を感じないと書いてます。
実際はどうなんでしょうか。実は私の印象も大差ないでした。
もともと7速ATも優秀でしたのでそんなに大きな差は感じなかったです。
もちろん多段化の恩恵で変速ショックが少なくなってはいますが、
大幅進化というのは少々大げさな気がします。
しかし、こうして見るとC180には大きな変更はなく、
主にグレード整理や装備品の変更中心だったことがわかります。
それに対してC200やC220dは新エンジンに変わるなど、
かなり大きな変更が施されました。
購入検討されている方はしっかり確認してから購入したほうが良さそうです。
尚、後期型の燃費データが極端に悪化してますが、
これは新エンジンの燃費が悪いのではなく、
計測基準が変わったことによる表記変更です。
残念ながら前期型と後期型の燃費比較検証はしてませんが、
比較された方の話しだとほとんど同じとのことでした。
C180とC200、C220dの相違点
C220dはディーゼルエンジンということもあって、
ガソリンエンジンのC180やC200とはまったく違うクルマに仕上がってますが、
C180とC200というガソリン車同士の比較ではどうでしょうか?
ディーゼルのC220dも含め、カタログスペックの読み上げではなく、
実際に乗って感じた違いをまとめてみます。
パワー感の違い
パワーに関してはC200やC220dが有利なのは当然ですが、
非力なC180だとどんな状況で差が出るでしょうか。
実は普通に走っているときにはほとんど差を感じませんでした。
強いていえばややアクセルを踏み込む量が多いかな?と感じたくらいで、
発進するときもそれほど非力感は感じなかったです。
スペックを考えるともっと差を感じそうなものですが、
このあたりは見事に出力調整されてると思います。
ただ、坂道を徐行していて急に加速するときや、
高速道路で追い越しをかけた瞬間にその差が現れます。
さすがに本当にパワーが必要なときはエンジンマッピングの調整で補えるものではないようです。
逆にいうと普通に走らせるだけならC180でもパワー不足を感じることはないです。
この違いが重要ならC200やC220dを選んだほうがいいですが、
そうでないならC180で十分だと思います。
乗り心地の違い
乗り心地の違いはもっともわかりやすいところです。
全体の印象としてC180が一番足回りが固いです。
これはおそらく車重が関係していると思われ、
C200やC220dのほうが走りに重厚感があります。
とくにC220dはあきらかにクルマの挙動もゆったりしており、
コーナーではフロントノーズの重さも感じます。
余談ですが、C180の純正バネサスは18インチ以上のタイヤ・ホイールは苦手かも知れません。
17インチのタイヤ・ホイールは極めて良好なんですが、
AMGラインの18インチになると一気に乗り心地が悪くなります。
人気モデルではありますが、AMGラインを買われる方はご注意ください。
クルマの外観はほぼ同じW205各モデルですが、
この重さの差から来る走行感の違いは結構ありますので、
購入検討されている方は必ず試乗比較したほうがいいと思います。
かなり好みが分かれそうな気がします。
走りの重厚さではC200やC220dに及ばないC180ですが、
C180にははっきり体感できる軽快感があります。
その軽快感ゆえに普通に走る分には不満を感じさせないのだと思います。
ヘッドライト照射感の違い
ヘッドライトは狭い夜道などを走ると違いがわかります。
C180は普通のLEDハイパフォーマンスヘッドライトですが、
C200やC220dはLEDインテリジェントライトシステムを搭載しています。
(後期型のマルチビームLEDヘッドライトはさらに進化しています。)
これは状況に応じてライトが可動するヘッドライトですが、
暗い夜道で大きく旋回するときなどは照射範囲の違いからちょっと差を感じます。
C200からC180に乗り換えると最初は視界が狭くなったように感じて戸惑うかも知れません。
このヘッドライトシステムはC180とC200以上のグレードでの大きな相違点であり、
ここを重視されるならC200やC220dを選んだほうが幸せです。
これが気にならないならC180でまったく問題ありません。
その他の違い
他にもC180とC200、C220dは選べるオプションの違いや、
細かな標準装備品の違いがあります。
また、内装パネルの質感の差も大きいです。
普通なら十分豪華なC180ではありますが、
上位グレードとの差が気になる方は慎重に判断しましょう。
あとから内装パネルを交換してもいいですが、
内装関係のパーツは結構高いです。
中古車の多くは何らかのオプションを装備していると思いますが、
仮にC180がオプション満載のクルマであったとしても、
このように物理的にC200やC220dに及ばないところもあります。
高年式のクルマは微妙にコストダウンされている?
自動車雑誌などはあまり触れていないことが多いですが、
前期型に比べて後期型はややコストダウンに走っているように思える点があります。
また、追加グレード車なども同様です。
これは一例ですが、C180AMGラインとC180ローレウスエディションを比較すると、
あとから登場したローレウスエディションはお得で良さそうに見えます。
しかしAMGラインがステッチ付きのレザーARTICOダッシュボードを標準装備していたのに対し、
AMGラインを装備してるはずのローレウスエディションはノーマルダッシュボードのままでした。
些細なことですが、高級感が損なわれたと感じた人は多かったようです。
(本国では有料ながらステッチ付きのレザーARTICOダッシュボードも選べたらしいです。)
まとめ C180中古車のメリット
C180を中古車で買う場合のメリットは以下の4点だと思います。
- Cクラスで唯一極上車が200万円以下で買える
- Cクラスの中では高額修理になりそうな要注意ポイントが少ない
- 比較的燃費が良い
- 3~5年後もまだ一定の査定額を維持しそうな人気車
懸念されるデメリットは以下だと思います。
- 売却時にAMGラインやローレウスエディション以外は買い叩かれる恐れがある
C180を中古車で買う最大のメリットはなんでしょうか?
それはやはり壊れそうな先進装備が少ないクルマだという点だと思います。
ただ矛盾したことを書いてしまいますが、
レーダーセイフティパッケージなどが付いているクルマのほうが人気があるのも事実です。
そのあたりのさじ加減は買う人が判断することだと思いますが、
私はC180を買うなら上級グレード車ではないと割り切ることが大切だと思います。
例えばC200の場合、エアサスを搭載したクルマが多いですが、
これは壊れやすいというよりメーカー自身も消耗パーツだと公言しています。
一定距離を走行すると交換が必要なパーツです。
これの交換費用は正規ディーラーだと80~100万コースです。
(正規ディーラーは4輪交換を推奨しています。)
安価な社外品パーツを使い故障個所だけを交換しても20~50万くらいはかかってしまいます。
とくにW205のC200はAMGラインなら標準装備、
アバンギャルドもオプション設定されていたので装着車が多いです。
それに対してC180にエアサス搭載車はなく全車バネサスです。
エアサスは壊れて発生する修理費用も心配ですが、
それ以前に走行不能に陥ってしまうことが多いです。
もともとこの装備がないC180はそうなるリスクが少なく安心度が高いといえます。
こういうところがC180中古車のメリットではないでしょうか?
限られた予算で中古車を買うなら維持費が抑えられそうなC180は魅力的だと思います。
ブログ村にはさまざまな情報が溢れています。
是非、訪れてみてください!
にほんブログ村
コメント