完成度が高いことから大人気のW205ベンツC200AMGラインですが、
最近は買いやすい価格になったこともあって購入検討されている方も多いようです。
今回は真剣にこのクルマの購入を検討されている方に向けて、
とくに気をつけたい要注意ポイントを整理してみます。
中古車も高値安定のAMGライン
ベンツCクラスの中でもAMGラインは安定的な人気を誇り、
年齢に関係なく幅広い層から支持される人気グレードとなっています。
そんな人気モデルなので当然ながら中古車価格も安定しています。
AMGラインが人気なのはアバンギャルドと比べて装備内容が充実しており、
お買い得という一面もあるからだと思いますが、
装備が良いということは故障のリスクも高まることを意味します。
中古車となって買いやすくなったとはいえ、もともとが高いベンツです。
修理点検の費用まで安くなったわけではないので注意が必要です。
人気ゆえに高値安定傾向にあったW205ですが、
さすがに旧モデルとなって中古車市場のタマ数も増えたことから、
最近は一時期に比べると買いやすくなって来たようです。
W205中古車の注意点
W205のベンツCクラスはW204に比べると飛躍的に信頼性が上がったといわれています。
実際、故障発生率はW204より大幅に下がっており、些細な故障は減っています。
しかし、登場から8年近い月日が経過したクルマであることから、
古いクルマはそれなりに経年劣化もしますし、そろそろ交換が必要な高額パーツも出て来ます。
気をつけて購入しないといきなり高額修理という最悪なパターンも考えられます。
このクルマの場合、どんなところに注意すればいいでしょうか?
壊れたら高額修理が避けられないエアサス
C200AMGラインの中古車で一番要注意なのがエアサスです。
これは高額修理になる危険性があるので真剣に状態を見極める必要があります。
といっても傍から眺めてエアサス内部の状態なんてわかるものではありません。
ディーラーでもおおよその走行距離から予防整備として交換を勧めている状態のようです。
これは消耗パーツであり、ある程度やむを得ない部分でもあります。
ちなみに正規ディーラーで一式交換修理すると100万円くらいの費用が必要となります。
現実的な対応として社外パーツやリビルトパーツを使用したり、
壊れたパーツだけを交換するなどすればもっと費用の圧縮は可能です。
ただ、それでも一回の修理で10~20万円くらいのお金はかかります。
しかもこういう部分修理ではすぐ他の箇所が壊れたりするので恐怖です。
このエアサス故障はいきなり壊れて走行不能になることもありますが、多くは事前に症状が現れます。
通常は駐車時に車高が下がってしまうようになりますが、
これが傾いてしまうような下がり方をしていると危険な兆候です。
この症状が現れたら自然治癒はしないので早々に修理入庫をおすすめします。
というのもどこかにエア漏れが起きるとクルマは車高を維持しようとコンプレッサーが動き続けます。
これで異常な負荷がかかり正常な箇所まで壊れていきます。
正に負の連鎖です。
このエアサスですが、純正品だと一本約20万円前後
品質不明な社外品は一本5万円~
実績のある社外品は一本約10万円前後だと思います。
余談ですが、壊れたらエアサスではなくバネサスに変更する方もいるようです。
但し、これは構造変更に該当するため陸運局で変更手続きが必要です。
強度計算書付のバネサスへの変更なら簡単に「型式改」取得可能で、
それほどハードルは高くないと思います。
ただ、強度計算書のないバネを装着すると大変面倒です。
ご注意を…。
ちなみに新型W206ではエアサスは廃止になってしまいました。
また、C180AMGラインやAMGのC43、C63、C63Sはバネサスを使っています。
エアサス故障を避けたい方は別モデルを検討したほうがいいかも知れません。
ところでこのエアサス故障ですが、どれくらいの確率で発生するのでしょうか?
誰もが気になるのはそこだと思います。
ただ、残念ながら正確なデータはどこにもありません。
もちろん正規ディーラーは修理件数をカウントしていますが、
すべてのクルマが正規ディーラーで修理を受けているわけではありません。
完全に推測の域を出ないのですが、可能な範囲で調べてみたところ、
実は思ったほど修理報告は多くありませんでした。
販売台数が多いので故障報告が目立つのですが、
全体比ではほんの数%程度の故障率ではないかと思われます。
但し、経年劣化の進んだクルマが増えて来ると故障率も上がって来そうです。
これからは十分注意したほうが良さそうですね。
頻繁に壊れる?NOXセンサー、O2センサー
これもベンツに多いトラブルです。
NOXセンサーはマフラーの本数分装着されてますが、
これがよく壊れます。
しかも一個約10万円…
社外品を使って安価に修理する方法もありますが、
精度が低いパーツだと肝心の検出不備が起きるなど、別の問題が発生します。
しかも昨今は半導体不足の影響で部品の入手が難しくなっています。
いくつかの優良社外メーカーがこのパーツの製造を中止してしまいました。
こういう優良社外パーツの減少は徐々にボディブローのように効いて来るかも知れません。
それに比べてO2センサーは安価です。
こちらは国産車と大差なく約2万円ほどだと思います。
余談ですが、日本の正規ディーラーではアッセンブリでしか部品を交換してくれませんが、
海外ではセンサー部や本体部を分けて販売しており、
故障個所だけのパーツを交換することが可能です。
海外通販でセンサー部や本体部だけを購入して交換すれば多少は安く修理できそうです。
また、最近は国内部品業者でもバラ売りしてくれているところもあります。
正規ディーラー以外での修理ならまだ常識的な価格で修理することはできそうです。
純正品で約10万円前後
優良な社外品で約4万円~
品質不明な安価品なら2.8万円~
センサー本体だけを海外から取り寄せれば約3万~
(NOXセンサーの相場)
ハーネスへのオイル回りトラブル
これはベンツ全体に多いトラブルですが、
W204などはほとんどのクルマに発生する深刻なトラブルでした。
症状としてはエンジンからオイル漏れが発生し、
そのオイルがハーネス内に入り込んでしまうものです。
そして、やがてそのオイルはDME(コンピュータ)に入り込んで壊してしまいます。
もちろん対策品が用意されています。
中古車を購入する場合は対策品に交換されているか確認必須です。
また、対策品に交換されていない場合はハーネス内部を確認し、
オイルが回ってないか目視チェックしましょう。
悲しいことに、多くのクルマからオイル混入が確認されると思います。
エアコンコンプレッサーとオルタネーターの故障
これはW205のベンツに限らず中古外車では要チェックポイントです。
どうしても高額修理になってしまう箇所なのでしっかり確認しましょう。
エアコンコンプレッサーの修理は約20万円、オルタネーターは約10万円ほどかかります。
もっと高い場合もありますので注意しましょう。
レーダーセイフティー機構の故障
先進機能はどうしても故障リスクが高いのと、
修理費用も高くなりやすいです。
この関係で故障報告が多いのはやはりマルチファンクションカメラの故障だと思います。
カメラ本体の故障もありますが、制御するコントロールユニットの故障というのもあります。
ディーラーで交換するとカメラで約25万円、コントロールユニットで約15万円です。
ここで要注意なのはカメラは正常なのに誤診から交換されてしまい、
結果として高額修理になってしまったという事例が多いことです。
(正規ディーラーでも誤診をしてしまうようです。)
まとめ
信頼性が高いといわれるW205ベンツCクラスですが、
やはり装備の整ったAMGラインだと要注意な箇所がいくつか存在します。
故障個所によっては一発で50万円くらいの修理代にはなってしまいます。
買いやすい価格になったといっても部品代や修理代まで安くなったわけではありません。
中古車購入する際には入念過ぎるくらいしっかり確認して状態のいいクルマを手に入れましょう。
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