友人が経営する整備工場にオルタネータのリビルトパーツが持ち込まれたんですが、
検品したら外装は新品同様なのに中身はボロボロでした。
ネット通販で相場より安く買ったパーツらしいですが、典型的な詐欺商品ですね。
最近はこういうトラブルが多発してるようです。
今回はリビルトパーツを購入するときの注意点をまとめてみます。
リビルトパーツとは?
リビルトパーツというのは早い話しがオーバーホールされたパーツのことで、
限りなく新品に近い性能や機能に回復させた中古パーツのことです。
主に廃車となった車両から回収された使用可能パーツが多く、
分解洗浄して状態が良ければそのまま修理・補修パーツとして再利用されますし、
傷んだところがあればその部分を交換して再生されます。
一般にその性能や機能は新品パーツと比べて遜色ないとされますが、
厳密にはあくまでも中古パーツです。
似て非なるものにリサイクルパーツというのもあります。
こっちは基本的に分解清掃などのメンテナンスを受けておらず、
廃車などから取り外して機能チェックを受けただけで再利用されるパーツです。
簡単に言えばまだ使える中古パーツですね。
リビルトパーツを使っても大丈夫なのか?
整備工場で修理について話し合っていると次のような提案を受けることがあります。
「新品で10万、リビルト品で6万くらいかな…どうします?」
あまりクルマやバイクに詳しくない人だとどう反応していいかわからないですよね。
これは修理で交換するパーツを新品にするか中古にするかという話しなんですが、
ここでリビルト品と聞かされると戸惑ってしまう人もいますね。
また、こういうケースもあります。
「新品交換で15万、オーバーホールなら8万くらいかな…」
こっちはなんとなくわかりやすいですよね。
新品交換は文字通り新しいパーツへの交換です。
問題はオーバーホールのほうです。
オーバーホールは傷んだ部品を交換して新品に近い状態に再生するものですが、
その作業内容はピンからキリまであります。
一言でオーバーホールと言われてもその中身まではよくわからないですよね。
リビルトパーツについても同様です。
どこまで再生してあるのかによって使っても大丈夫なのかが決まります。
本当に新品相当まで再生してあるならまったく問題ないですが、
もし名ばかりの再生品だったら使うのは危険かも知れません。
というか危険ですね。
リビルトパーツの中には壊れたパーツと交換が購入条件になってることもあります。
交換で提供した壊れたパーツが今度は再生品のベースになるわけですね。
こういう会社やお店なら販売商品の安心度も高そうです。
ちなみに壊れたパーツと交換することを「コア交換」と言いますが、
コア交換できなくても若干価格アップして販売してくれることもあります。
危険なリビルトパーツが溢れている?
市場にはリビルトパーツが溢れてますが、その実態はどうなんでしょうか?
結論から言うとネット通販されてるリビルトパーツは危険度が高そうです。
もちろん中には真っ当なリビルトパーツをネットで販売してる会社もありますが、
あまり聞いたことがないお店や販売会社は疑ってかかったほうがいいです。
はっきり言ってこういう品物を買うのはリスクが高いです。
問題はこの「あまり聞いたことがない」という部分です。
もともと一般人はクルマやバイクの部品販売会社なんて知らないですよね。
そういう意味では聞いたことがない会社だらけのはずです。
会社名も「〇〇商会」とか「〇〇自動車部品販売」なんて名称で、
その名前からして一般人が部品を買いに行けるような普通のお店ではないですね。
会社の社屋も事務所と工場と倉庫だけなんてのが当たり前で、
カー用品店みたいに商品選びができる一般の小売り店舗ではありません。
ここで言うあまり聞いたことがないというのは本職の整備工場が知らないような会社です。
真っ当な部品販売会社は信用問題もあって怪しげなリビルトパーツなんて扱いません。
扱っているのは本当に整えられた再生品だけです。
しかもこういう正真正銘本物の部品販売会社はリビルトパーツもランク分けしています。
つまり状態に応じて価格が異なってますね。
「ちょっと見た目は汚いけど中身はサラだよ」みたいなパーツは安くて安心です。
まともな部品屋さんはこういうリビルトパーツを扱っているものです。
問題は一般客向けに小売りしてくれるかどうかですね…
危険なリビルトパーツの実態
では危険なリビルトパーツとはどんなパーツなんでしょうか?
外装は綺麗にしてあるけど中身には手を入れてないパーツや、
分解清掃しただけで「フルオーバーホール済み」なんて称してるのがこれに当たります。
こういういい加減な「リビルトパーツもどき」は整備された物より安価な価格で買えますね。
ちょっと安いくらいの微妙な値付けをされてることが多そうです。
こういうのがネット通販に溢れてます。
オルタネータなんて新品で買うと10万円とかしますが、
これが4万円くらいで売られていたら買っちゃいますよね。
ご丁寧に「残り一つ」なんて書かれてたら即決購入しちゃいそうです。
でも本物のリビルト品が仮に6万円くらいだとしたら…
あきらかに4万円は怪しいですよね。
逆に考えると6万円で売れる商品を2万円も安く売るかという話しです。
冷静に考えればあり得ないですよね。
オルタネータなんて外装が綺麗だったら中身も問題なさそうに見えちゃいます。
でも外のガワだけ交換して中身はそのままだったら思いっきり中古パーツです。
使い込んだ中古パーツでもしばらくは動くでしょうから、
何も知らないと「リビルトパーツで安く直せた」なんて本気で思っちゃいます。
でもこんなパーツはやがて壊れてしまいます。
そのときになって初めて「なんじゃこりゃ」と気づくわけです。
簡単にリビルトパーツは手に入らない?
本職の自動車整備工場をよく知る人ならご存知でしょうが、
キチンと再生された安価なリビルトパーツは品薄なことが多いです。
需要があるパーツならすぐに売れちゃいますし、
そうそう転がってるようなものではありません。
欲しいリビルトパーツをネットで検索すると何点か見つかるものですが、
簡単に手に入らないはずのパーツなんかも在庫されてたりします。
運よく見つけられた可能性もありますが、インチキ品の可能性もあります。
そういうケースに遭遇して目利きに自信のない人が自分で判断すると危険ですね。
ネットで買ったらとんでもない粗悪品が届いたなんて話しはいくらでもあります。
実在する会社のネット販売なら安心度高い
リビルトパーツ探しをすると会社や店舗の所在地情報をしっかりと明記し、
ホームページなどで社屋から業務内容まできちんと公開してくれてるところがあります。
こういう会社は確実に昨日今日できた会社やお店ではないですし、
問合せフォームなどもあって在庫商品の状態や価格を連絡してくれるものです。
電話対応だってしっかりしています。
買うなら絶対にこういう会社やお店からにしましょう。
インチキ臭いネット通販会社だと会社がマンションだったり雑居ビルだったり、
下手したら本社や本店所在地?が海外だったりします。
もちろんそういう会社のすべてが詐欺会社というわけではありませんが、
少なくとも普通の部品販売会社とは思えません。
私ならいくら安くてもそういうところからは買わないです。
外車用リビルトパーツを扱っている会社の中には事務所だけというところもあります。
こういう会社は海外の部品会社などの在庫パーツをネット販売してますね。
適合確認などの問題はありますが、運が良ければかなり安く手に入ることもあります。
まとめ
今回はリビルトパーツ購入の危険性についてまとめてみました。
要するに今は怪しげな自称リビルトパーツが大量に流通してるということですね。
純正新品パーツなら正規販売店の保証なども付帯してますが、
中古パーツにはそういう保証はないことが多いです。
だからこそ信頼のおける会社やお店から買わないと危険なんですが、
どうしても人間は目先の安さに釣られて買ってしまいます。
ましてリビルト品と聞くと分解清掃や整備を受けた新品並みのパーツと思ってしまいます。
くどいようですが、キチンと確認して整備されたリビルトパーツは格安ではないですし、
パーツによってはそう簡単に手に入らないものです。
クルマやバイクの修理にリビルトパーツを使うのはまったく問題ありませんが、
見た目だけ綺麗にして売られてる物が多いことは頭に入れておきたいものです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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