クルマのサスペンションからの異音は避けられない経年劣化の一つですが、
FIAT 500のような軽量コンパクトなクルマでもけっこう大きな音が出たりします。
クルマの状態次第ですが、製造から10年くらい経つと多少は音が出るでしょうね。
この避けられない異音…現役フィアットオーナーたちはどうしてるんでしょうか?
修理する人と放置する人がいる
結論から言ってしまうと修理する人もいますが、放置する人もいます。
ただ、もし愛車から異音が出ているなら原因だけは特定しておきたいです。
さすがに原因のわからない異音放置は危険ですからね。
この異音…もちろん修理するのが正しいわけですが、けっこうな人が放置してます。
今回はその理由をまとめてみます。
異音の正体
走行中に段差などを乗り越えると「タン」とか「カン」と聞こえることがあります。
路面の綺麗なところを走っているときはまず聞こえません。
この音は劣化したエンジンマウントなどが出してることもありますが、
かなりの確率でスタビライザーブッシュやロアアームブッシュの劣化が原因です。
これは距離を走った多くのクルマに発生する定番のトラブルであり、
別にFIAT 500だけに現れるものではありません。
ちなみに後退時に「ゴゴゴッ」と金属が擦れるような音が聞こえることがありますが、
これはデュアロジックの仕様なので気にしなくても大丈夫です。
修理代の目安
問題は修理代です。
スタビライザーやロアアームのブッシュは単体ではパーツ供給されていないため、
正規修理となるとゴソッと丸ごとアッセンブリ交換する必要があります。
最近は為替の影響もあって輸入車のパーツが高値安定しちゃってますが、
フィアットも例外ではなく、少し前と比べるとかなり高くなってしまってます。
現在は諸々合わせて交換修理に20万円くらい(全輪修理)はかかりそうです。
下手するともっと高いかも…
安く修理する方法もあって、それはゴム製のブッシュだけを交換します。
このブッシュだけの交換修理はやってくれるところとやってくれないところがあるので、
まずは日頃からお世話になってる整備士さんに相談してみましょう。
ちなみに正規ディーラーはやってくれないと思ったほうがいいです。
(その他の修理と合わせてブッシュ持込でやってもらえた事例を何件か知ってますが、
例外的な対応だと言われたようです。)
ゴムブッシュの打ち換えはフィアットを扱ってない整備工場でも可能です。
むしろ国産車メインの整備工場のほうが得意かも知れません。
フィアット専門店の中にはパーツ込みでブッシュ交換メニューがあるところもあります。
交換を要するブッシュの数にもよりますが、修理代はおよそ3~5万円くらいでしょうか。
全部をユニット交換修理するよりは遥かに安く済みます。
ちなみにゴムブッシュ自体は国産品の汎用パーツで代用可能です。
一個2,500円とか高くても3,500円くらいですね。
ただ、ロアアームブッシュの交換はフロントバンパーを外す必要がありますし、
スタビライザーの取り外しも知恵の輪作業って感じです。
つまりそれなりに面倒な作業なんです。
パーツ代以外にかかるこういった作業工賃は整備工場によって違いますが、
どこの整備工場でもそこそこの金額にはなりそうです。
ちなみにロアアームブッシュの劣化が進んで破れたりすると車検が通りません。
放置する人も多いと書きましたが、永久に放置できるものではないので、
あまりに異音が大きくなっていたら素直に交換しましょう。
アッセンブリ交換のみの専門店もある
たまに勘違いしてる人がいて正規ディーラーはアッセンブリ交換修理で、
専門店はブッシュだけの交換で対応してくれると思っている方がいますが、
この認識は間違ってます。
私は10年以上フィアット/アバルトに乗っており複数の整備工場を知ってますが、
いわゆるフィアット専門店の中にも正規ディーラーと同じような修理しかしない店もあります。
逆に正規ディーラーでもパーツ持込修理に対応してくれるところもあります。
フィアットに限らず輸入車の正規ディーラーは経営会社によってかなり対応が違うので、
たった一つの正規ディーラーの方針をもって全体に当てはめるのは危険です。
もし現在フィアット車に乗っていて、一つの整備工場しか知らない人は注意したほうがいいです。
「外車だし、それくらいはかかるよな…」なんて思ってるとハマるかも…
別の整備工場なら安く修理してくれるかも知れないんです。
なぜ半分くらいの人が放置するのか?
放置する人がいるのは単純に修理代が高いからですが、
それ以外にも以下の理由がありそうです。
放置してもすぐ問題が起きるわけではない
車重の軽いクルマなので不快感が低い
重いクルマだとゴム製ブッシュのヘタリは我慢ならないものですが、
軽いクルマだと我慢できないこともないです。
安い中古の軽自動車なんかガタガタと音の出てるクルマもありますが、
誰もがそんなもんと諦めて乗ってますよね。
ちょっと乱暴な言い方ですが、「高いお金を出して修理するのが勿体ない」わけです。
そしてFIAT 500は比較的軽いクルマなので我慢できないこともないです。
但し、著しくブッシュが傷んでしまうとかなり不快な大音を発するようになります。
さすがにそのレベルに達していたら修理しないと乗れないでしょうね。
それに上で述べたように車検の問題もあります。
放置するにしても限度があることは頭に入れておきたいものです。
綺麗な路面を走っていてもゴトゴト、ゴロゴロと音のするクルマがあります。
これはもうブッシュが破れて水が浸入し錆びが発生してる可能性大です。
そんな状態になってるなら放置は不可です。
もちろん車検も通りません。
あとがき
三代目FIAT 500も販売開始から17年近い年数を経ているので、
さすがに古いクルマは傷みも進んでます。
見た目は綺麗でも走ってみると異音の出るクルマは珍しくないです。
もしこれから中古車購入するなら必ず何台か試乗すべきです。
2~3台くらい乗ると「まだ大丈夫」なのか「そろそろヤバいかも」というのがわかります。
また、不幸にして自分の愛車から変な音が聞こえるようになったとしても、
上に書いたように安く修理する方法だってあるので焦らなくても大丈夫です。
但し、正規の修理だと何十万コースということは覚えておきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ブログ村にはフィアット関係の情報も溢れてますので、
是非訪れてみてください。

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