外車も国産車も車検自体は基本的に一緒です。
外車だからといって何か特別な手順や作業が加わるわけではありません。
ただ、一般的に外車のほうが車検費用全体としては高額になりやすいのは事実です。
では正規ディーラーとそれ以外の店ではどちらに出すのがいいのでしょうか?
今回はその違いを整理してみようと思います。
高額な外車専用料金は過去の話し
新車で外車を購入した方は保証の関係もあって正規ディーラーに依頼される方が多いと思います。
では新車保証が切れた方や、すでに保証の終了した中古車を購入された方はどうでしょうか?
おそらく一定数の方は引き続き正規ディーラーに出されていると思いますが、
外車専門店や車検専門店に出されている方もたくさんいると思います。
昔は「外車専用料金」みたいな特別料金を設定している整備工場がありましたが、
現在はそんな料金体系を設定している業者はほとんどありません。
ということは外車だから特別高いというわけではないため、
正規ディーラーに比べると費用を抑えることが可能になってきます。
ただ、残念ながら国産車とまったく同じ料金かといえばそうでもないです。
そこで外車車検を業者ごとにメリット、デメリットを比較してみます。
合わせてベストな車検依頼先も考えてみようと思います。
外車と国産車の車検整備の違い
一部の特別な外車を除き、国産車と車検内容や段取りが違うということは基本的にありません。
しかし外車の方が国産車よりも車検費用がかかるというのも事実です。
それは国産車にない整備機材が必要だったり、専用の検査機が必要だったりするためです。
車検専門店などは費用をかけてそういう機器を導入しなければならず、
そのコストが車検費用に反映されてしまいます。
それが国産車より多少高くなってしまう大きな原因の一つだと思います。
外車の車検は正規ディーラーがおすすめ?
そんな外車ですが、正規ディーラー以外にも以下の業者が選択肢になります。
正規ディーラーと比較してみましょう。
- 車検専門店(一般整備をしない車検専門業者)
- ガソリンスタンドやカー用品店
- 外車専門店(整備工場)
- ユーザー車検
それぞれにはどんな特徴があるのでしょうか。
正規ディーラーでの車検
正規ディーラー車検のメリット
- 予防整備に力を入れている
- 安心の純正パーツのみを使用している
- そのクルマの整備に強い
- 整備内容が良い
- 同等クラスの代車が用意される(代車不要だと安くなるケースもある)
正規ディーラーでは車検とは関係なくそのクルマの状態をチェックし、
問題点がないかどうか徹底的に調べて整備してくれます。
また製造メーカーから専門の教育を受けたメカニックが専用機材を用いて整備するため、
街の一般整備工場や車検専門店とは整備の精度も違います。
また、その整備には正規ディーラー保証が付いてくるため安心度が高いです。
(交換したパーツなどに半年ほどの保証が付いてきます。)
正規ディーラー車検のデメリット
- 車検費用が高い
- 納車までに時間がかかることがある
これはメリットとトレードオフなので仕方ない面もあります。
車検専門店での車検
車検専門店のメリット
- 車検費用が安い
- 一日で車検が終わる
車検専門店は車検通過だけを目指した点検・整備を行うためとにかく費用が安いです。
また、自分でコースプランを選んで依頼できるため整備内容を細かく指定できます。
車検専門店のデメリット
- 必要な整備を受けられないことがある
- 車種によって引き受けてくれないことがある
車検専門店では一般整備を引き受けていないことが多く、
車検に合わせて整備を受けようと思っても対応してくれないこともあります。
そのため車検専門店では不調なクルマを依頼することは不可能と考えておいたほうが良さそうです。
ガソリンスタンド、カー用品店の車検
ガソリンスタンド、カー用品店車検のメリット
- 車検費用が安い
- 給油やドレスアップを一緒に依頼できる
- 車検後に利用できるお得な特典などがある
ガソリンスタンドやカー用品店の車検は車検専門店並みに安いです。
また、給油やドレスアップと一緒に依頼できるため、
相乗効果で費用的にお得になることも多いです。
また、ガソリンスタンドなどは24時間営業の店舗もあるので、
引き取りや納車に融通が利くメリットもあります。
平日多忙なサラリーマンなどには便利な点だと思います。
さらに車検後に利用できる洗車や軽整備などに使えるクーポンが付与されることもあります。
ガソリンスタンド、カー用品店車検のデメリット
- 専門的な整備に対応できない
- 代車のない店舗がある
ガソリンスタンドやカー用品店の車検は最低限の整備・検査というのが一般的です。
そのため、場合によっては正規ディーラーへ外注されて別途整備費用が発生するケースがあり、
そうなると費用面のメリットが失われてしまいます。
私もスバルレガシィの車検を某カー用品に依頼した際、
オイル漏れが見つかり、結局その部分はスバルディーラーに外注修理に出され、
最初からスバルディーラーに依頼するのと変わらない料金になってしまったことがあります。
クルマのコンディションによっては注意しましょう。
外車専門店(整備工場)の車検
外車専門店(整備工場)車検のメリット
- 正規ディーラーより車検費用が安い
- サードパーティー製パーツも使ってくれる
- 車検対応できるメーカーが豊富
外車専門店の整備工場に車検をお願いした場合、
正規ディーラーと比較すると車検費用は安いです。
また、必要なパーツ交換があっても中古パーツやサードパーティー製パーツを使ってくれるため、
正規ディーラーと比較すると費用を抑えやすいです。
また、正規ディーラーに劣らぬ技術で修理をしてくれる工場もあります。
外車専門店(整備工場)車検のデメリット
- 工場によって整備レベルに差がある(見極めが必要)
- 工場によっては車検費用が高額(正規ディーラーより高いこともある)
外車専門店の整備工場はそのクルマに詳しいかどうかという問題があります。
例えばポルシェの専門店なら正規ディーラー並みの機材を揃えていると思いますが、
そうではない工場だとポルシェ整備に必要な機材を持っていない可能性もあります。
そうなると整備レベルが怪しくなってきます。
そのクルマに強い工場か、整備レベルはどうなのかといった事前の情報集めが大切です。
ユーザー車検
ユーザー車検のメリット
- 車検にかかる費用が格安
- 数時間で終わる
- 当然ながら代車の心配がない
ユーザー車検最大のメリットは圧倒的な安さです。
同額で必要な法定費用などを除けば特別な整備費用などは必要ありません。
ユーザー車検のデメリット
- 車検後、きちんと整備を受けていないクルマに乗ることになる
- 検査場に慣れていないと難しい
ユーザー車検は不慣れな方だと検査場で慌ててしまうことがあります。
事前に予備検査を受けていても車検ラインで不合格になったときの混乱は嫌なものです。
ある程度の整備技術がある方でないと厳しいかも知れません。
(外車だと周辺の予備検査工場では応急処置できないこともあります。)
そんな方は外車に対応してくれる車検代行業者を利用するのも一つの方法です。
ただ、特殊なスポーツカーなどは対応してくれないことが多いようです。
まとめ
外車であろうと車検自体は特別ではありませんが、
車種によっては安価な車検業者は引き受けてくれないこともあります。
また、引き受けてくれるとしてもそこに依頼して大丈夫なのかということを考えなければなりません。
外車に限った話しではありませんが、クルマというのは定期的な整備が必要です。
とくに外車の場合は事前に予防整備しておくと結果的に修理費用が安いという大原則があります。
そうなると単に安いという理由で安易に車検通過させるだけの店に依頼するのは危険です。
総合的に判断すると、その外車に強く、正規ディーラー並みの整備技術を持っている専門店を探し、
その専門店に車検依頼するのが一番費用を抑えられるベストな方法だと思います。
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