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クルマのレプリカについて考察 これはメーカー公認車?違法な模造品?

レプリカ ポルシェ550自動車関連
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本来なら何千万円もするはずのクルマがお手頃な価格で販売されてることがあります。
しかし、しっかり観察するとなんか見た目に違和感が…どこか微妙に違うところがありそうです。
これが「レプリカ」と呼ばれるクルマたちですね。
今回はクルマのレプリカについて考察してみたいと思います。

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レプリカとは?

クルマのレプリカというのは超高級なスーパーカーであったり、
歴史的な名車だったりとさまざまです。
本物が簡単に買えないか、すでに現存していないクルマがほとんどです。
当たり前の話しですが、本物が簡単に買えるクルマのレプリカなどは存在しません。

一般にレプリカは以下のようなクルマたちが製作されてると思います。

本物がほぼ現存しないクルマ

かつて本物が存在していたものの、今は現存しないクルマがレプリカとして作られています。
ランボルギーニ・イオタなどが有名でしょうか。
一時期のランボルギーニ社はミウラを持込めばイオタレプリカを製作してくれましたが、
現在はきちんとブランド管理されるようになり、公式名としてイオタは名乗れないようです。
(現在はミウラSVJとかミウラSVRなどと呼称されてます。)
現在も正規ルートでミウラを持込めばイオタ風に改造してくれるようですが、
やはり公式にイオタを名乗ることはできないようです。
というよりもイオタについてはもともと市販用のクルマではなく、
ランボルギーニがレーシングカーの研究用にミウラベースで作ったテスト車であり、
世間が勝手に幻のスーパーカーに仕立て上げたようなところがあります。
「イオタ人気」に一番戸惑ってるのはランボルギーニ自身かも知れませんね。

また、戦前のアウトウニオンのレーシングカーのように、
本物が現存しないと思ってメーカー(現アウディ)がレプリカを製作した後に、
本物が存在していることが判明して本物とメーカー製レプリカが交換されたケースもあります。
(第二次大戦でソ連軍に接収後、処分されたと思われていた本物の現存が確認され、
製作されたレプリカは本物と交換されてソ連(現ロシア)へ渡りました。
メーカー製の精密レプリカと本物が交換された珍しいケースです。)

トヨタ自動車のトヨダAA型も本物が現存しないと思ってメーカーがレプリカを製作しましたが、
その後で一台だけ本物が残っていることが確認されたケースもあります。
残念ながらこちらはメーカー(トヨタ自動車)が本物を入手できていません。
このメーカー製レプリカはトヨタ博物館に展示されています。

本物が簡単に買えない希少なクルマ

このタイプのレプリカが一番多いと思います。
有名なところではフェラーリ・デイトナやランボルギーニ・カウンタック、
ポルシェ356や550などでしょうか。
歴史的なレーシングカーであるフェラーリP4を再現したノーブルP4なども有名ですね。

この手のレプリカはクォリティがクルマごとに異なり、
同じレプリカメーカーの製品であっても依頼者の予算によって再現度や仕様がバラバラです。

有名なプローバ製のカウンタックレプリカの中には、
使われている内装や外装パーツの半分くらいが本物で、
エンジン・ミッション・サスペンション・ブレーキなども本物という究極レプリカも存在します。
ここまで来ると本物としての車台番号や登録書類を持っていないだけで、
事故して板金修理された本物と遜色ないくらいのオリジナル度を保っています。
しかも鋼管フレームも本物そっくりにワンオフ製作されているので驚異の完成度です。

しかし、ほとんどのレプリカは微妙に本物との違いが滲み出ていますね。
とくにカウンタックのレプリカは造形が難しいようです。

レプリカ カウンタック
レプリカ カウンタック
レプリカの多くは微妙に本物と違います。

本物が生産終了しているクルマ

このタイプのレプリカは現時点では公式な後継車みたいな扱いをされてますね。
例としてはロータス・スーパー7の後継車であるケーターハム・スーパー7なんかが有名です。
これはレプリカというよりロータスから正式に製造権利を譲渡されて製作しているので、
レプリカではなく本物と解釈したほうがいいかも知れません。

また、ACコブラも本家が公認したレプリカモデルが存在します。
こういうクルマはすでに本物が生産されていないので、
公認されたレプリカが本家メーカーからも正規の後継車扱いを受けてますね。
いわゆる公認レプリカというクルマです。

本物が存在しないクルマ

もともと本物が存在しないクルマ…こういうレプリカもあります。
アニメの「マッハGoGoGo」に登場したマッハ号とか、
アメリカのTVドラマ「ナイトライダー」に登場したナイト2000のレプリカでしょうか。
アストンマーチンのボンドカーレプリカなどもこのタイプかも知れません。

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本家メーカーの反応

レプリカメーカーや製作工房に対する本家メーカーの反応はどうなんでしょうか?
これは真っ二つに分かれている気がします。

フェラーリなどはブランド保護という観点からもかなり対応が厳しく、
世界中のレプリカメーカーに対して警告や法的手段を取っています。
しかし、会社の経営状況に波があったランボルギーニなどは比較的寛容な印象です。
正確にいうと法人格が何度も変わっているので、
そんなことに対応している余裕はなかったのかも知れません。

フェラーリはF1レースのような広告宣伝の場でブランド展開していることも関係ありそうです。
スポンサーはフェラーリのロゴやエンブレムを使うために巨額のお金を出しています。
正規スポンサーの立場を守るためにも偽物を許容することはできないでしょうね。
これはディスニーなども同じだと思います。

また、レプリカが作られるようなクルマは人気車です。
ポルシェもレプリカが多く作られてますが、
こちらの場合はベースが本物のポルシェだったりします。

911ベースで製作された本物そっくりの959レプリカは世界中で話題となりました。
かなりの台数の911改959レプリカが製作されてると思います。
こういう959レプリカに対して本家ポルシェはどんな反応をしたんでしょうか?
ポルシェ社はこの959レプリカに対して大きなアクションは起こしていないと思います。
この959レプリカの場合は本物911のカスタマイズといったほうがシックリ来るため、
違法な偽物を製作されたという認識はなかったかも知れませんね。

同じようなケースでフェラーリ308ベースで作られた288GTOレプリカなんてのもありますが、
こちらについてもフェラーリが警告したという話しは聞いたことがありません。
ベンツのAMG仕様とかBMWのM仕様なんてのも同じような感じでしょうか。

往年の名車ランチア・ラリー037を近代的なクルマとして復刻したキメラ・EVO37も有名です。
こちらはランチアで当時のラリー037の開発に携わったスタッフが協力して製作されており、
ランチアのロゴやエンブレムこそ纏ってはいないものの、
ある意味では本家メーカー公認のレプリカと考えてよさそうです。

また、ランチア・ストラトスのレプリカである英国製の「the STR」は本物オーナーも欲しがるほどのハイクォリティレプリカ車となってますね。

遊びクルマなのか?

レプリカに対する考え方や認識、評価は人それぞれですが、
基本的に意匠権や商標権などに抵触している可能性はあります。
したがって本物と見間違えるような装飾を施したクルマは商品としてはNGですね。
ただ、個人が営利目的ではなく本家のエンブレムを貼り着けて走るような行為はグレーです。
フェラーリなどはこういう行為も嫌うようですが、中には寛容なメーカーもあります。

多くのレプリカ車のオーナーは個人の趣味や遊びとして楽しんでいるだけで、
決して本物を蔑ろにしているつもりはありません。
もちろん、ふざけて遊んでいるわけでもないですね。
むしろ本物をリスペクトしているオーナーさんが多いと思います。


中には本物を持っていながらレプリカ車を所有しているオーナーさんもいます。

私の知り合いにも本物のポルシェ356スピードスターを所有しながら、
普段乗り用としてレプリカスピードスターを持っている人がいます。
しかもできる限り本物に似せたデコレーションを施しているため、
遠くから一見しただけではどちらが本物なのか判然としないくらいです。


普段から自分のクルマはレプリカだと公言して乗っているため、

ガレージに本物が保管されてることを知らない人もいるようです。

レプリカの製作や販売は違法?

本物と紛らしいレプリカ車を製作して販売行為を行うのは違法ですが、
その解釈や法の適用範囲はあいまいで分かりにくいのが実態です。
ただ、見た目が本物そっくりのクルマは意匠権の盗用になりますので、
本家メーカーの許諾なく製作されたレプリカは違法な商品になります。
ただ、意匠権には「存続期間」というものが存在します。

意匠法第21条にて、

「意匠権の存続期間は、設定登録の日から二十年をもって終了する。」

と定められています。
(2007年までは15年間、それ以降は20年間)

つまりそれより古いクルマのレプリカは製作して販売しても違法にはなりません。
もちろん社名や車名は意匠権とは関係なく「商標登録」されているため、
これらを勝手には使うことは許されませんが、こちらも期間が10年となるので、
もし本家メーカーが更新していなければ使っても問題ないことになります。
但し、天下の自動車メーカーが商標登録を更新していないとは考えにくいため、
勝手に「フェラーリ」という名前を名乗ってレプリカ車を販売することはできないですね。

また、もちろん商標登録が更新されてなかったとしても、
レプリカを本物と勘違いさせて販売すると「不正競争防止法」という別の法律に触れます。
逆に言うと「本物ではない」と明記して販売すれば違法にはならないわけです。

ときどき本物エンブレムやロゴを装着したレプリカを見かけることがあります。
(というよりそういうレプリカ車がほとんどだと思いますが…)
レプリカ車は法を順守して製作されたクルマなら問題ありませんが、
そうでないクルマは危険です。
そのあたりは十分な注意が必要だと思います。

レプリカオーナーの苦悩

レプリカに乗っている人々は楽しみながら愛車をケアしています。
ただ、それは非常にお金も時間もかかる大変なことのようです。

レプリカメーカーというのはすでに倒産や解散などして存在していないことが多いです。
中には個人のマニアがワンオフで製作したレプリカなどもあります。
そうなると簡単に修理や補修なんてできるものではありません。

私がよく知る整備工場にもフェラーリ・テスタロッサレプリカの修理相談があったようですが、
現車を確認するとベース車はポンティアック・フィエロと判明したものの、
各所のパーツはどのクルマから流用されたものかわからなかったようです。
これまで長きに渡り、使えそうなパーツを組み込んで走れるように整備していたようで、
まさに現場合わせの整備が常態化していたようです。

そうなると修理も大変です。
パーツ一つをとっても使えそうなものを探して手配する必要があります。
その整備工場は時間がかかることを条件に修理入庫を引き受けたようですが、
普通の整備工場では相手にしてくれないこともあります。
つまりレプリカオーナーはそんな苦労を重ねながら必死に維持してるわけです。
下手したら本物のほうが遥かに維持が簡単かも知れません。

クルマ好きの人ならわかると思いますが、安易な気持ちで手を出せるようなものではなく、
その情熱は本物だと思います。

レプリカの価格

一時期は100万円くらいでゴロゴロ転がっていたポルシェ356のレプリカですが、
今では安くても400万円くらいはしますし、コンディションが良ければその倍以上はします。

356レプリカメーカーといえばカナダのインターメカニカ社が有名ですが、
このインターメカニカ社は2022年10月にすべてのガソリン車と電気自動車の生産を終了し、
12月には会社自体が廃業・消滅となってしまいました。
そのため今後は中古車も価格が高騰することが確実だといわれています。
これは356レプリカ愛好家の間で衝撃のニュースとなったものです。

また、フェラーリ・デイトナのレプリカなども上質な製品はすでに生産終了しています。
本物に比べれば格安かも知れませんが、レプリカも価格高騰が避けられない情勢ですね。

最近は個人の職人や小さな工房がワンオフで製作するレプリカが増えています。
これらはその高いクォリティと引き換えに価格は驚異的で、
そうそう簡単に買える代物ではなさそうです。

イギリスで製作中のカウンタックレプリカも販売予価が1,200万円らしいので、
確かに本物よりは安いものの、そこらの高級車なんかより遥かに高額ですね。
それが現状だと思います。

日本にはカナダのインターメカニカ社の代理店と呼べる、
インターメカニカ東京というお店がありますので、
まだ356レプリカオーナーは恵まれてるかも知れません。
このように製作会社や工房が消滅してしまうことは珍しくありません。
そうなるとクルマの購入代もパーツ代も整備代もお金がかかるものです。

あとがき

今回はクルマのレプリカについて考察してみました。
レプリカというと変な偏見を持つ人もいるかも知れませんが、
実際はすごくお金もかかり維持するのも大変なものだということがわかります。

また、単に動くだけで本物とは比べ物にならない粗悪な物もあれば、
中には本物以上の走行性能を持ったクルマも珍しくありません。
もちろん本家メーカーが渾身の一台として復元製作したようなクルマもあります。

レプリカには本物とは違う苦労や楽しさがあるものであり、
そこを理解した人じゃないと手を出してはいけないディープな世界なんだと思います。

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