ガソリンスタンドでは主にハイオクガソリン、レギュラーガソリン、軽油が扱われています。
最近はセルフスタンドが主流となったため自分で給油する方が増えてますが、
うっかり間違えて給油してしまうミスが多発しています。
実際にそんなミスをしてしまうと焦ってしまいますよね?
今回は給油間違いをしてしまったときの適切な対処法をまとめてみます。
給油ミスしても焦らない!
多発している給油ミス
この油種を間違えるという給油ミスですが、実はかなり発生しており、
以前、JAFが調査したところ、約60日間に300件ほど発生していました。
もちろんこのJAFの調査データに入っていないミスも発生していると思われるため、
実際はもっと発生件数は多いと考えられています。
だからレアなミスではありませんのでまず焦らないようにしましょう。
給油ミスに気づかず走ってしまった…
給油間違いをしただけでいきなりクルマが壊れることはないので大丈夫です。
ただ、エンジンをかけて走らせてしまうと厳しいです。
もし気がつかず走ってしまった場合はどうすればいいでしょうか?
そんなときは焦らず間違えて給油してしまった油種をしっかり確認しましょう。
油種間違いの内容によってはそのままでも大丈夫なケースもあります。
もっとも、気がついたということはエンジンが止まってしまったとか、
煙を吐き出しているような状態だと思います。
そんなときは次のように行動しましょう。
走行を中止して専門家に相談
間違えて給油したことでエンジン不調に陥ってしまった場合、
もうクルマが正常ではなく、ほぼ動かせない状態だと思いますが、
ここで無理してエンジン再始動を試みたり、
何とか走れるからと整備工場へ向けて走行してしまう人がいます。
絶対にダメです!
まだこの段階なら多くの場合は軽症です。
使えない燃料なのでエンジンが止まっただけです。
しかし、ここで無理をするとエンジンを物理的に壊してしまう恐れがあります。
(もちろん少なからずダメージを負っている可能性はあります。)
こういう状況になったら整備工場へ連絡して指示を仰ぎましょう。
もし深夜など、夜遅い場合はロードサービスを要請しましょう。
もうエンジンをかけたりクルマを動かしてはダメです。
次に問題ないケースと問題のあるケースを切り分けてみましょう。
あまり問題のないケース
ガソリン車に軽油を入れてしまうとかディーゼル車にガソリン…というのはダメですが、
ガソリン車同士での油種間違いなら焦らなくても大丈夫です。
つまりレギュラー仕様のクルマにハイオクを給油してしまったようなケースです。
以下のケースはほぼ問題ありません。
レギュラー車にハイオクガソリンを入れてしまった
このケースはほぼ問題ありません。
厳密に言うとまったく問題がないわけではないようですが、
少なくともエンジンを壊してしまう可能性はほぼなさそうです。
ただ、現代のクルマはかなり精密にエンジンマッピングが組まれているので、
そのエンジンに想定されているオクタン価と違う燃料ということで、
常に本来のモードとは違う状態で燃焼させてることにはなるようです。
この状態が継続されることについて支障があるという意見とないという意見の両方がありますが、
一般論として、使用燃料を「○オクタンに限る」とするほど狭い設定で稼働させる市販エンジンなどありません。
精密なレーシングエンジンでも使用燃料のオクタン価には多少の幅が持たせられているものです。
つまり、現代のレギュラー車にハイオクガソリンを入れても支障はありません。
正しくは「ハイオクガソリンのメリットを生かせないので無意味」ということになります。
ハイオク車にレギュラーガソリンを入れてしまった
この場合は以下に注意しましょう。
タンク半分ほどに給油してしまった場合…ほぼ問題なし
ほぼ空ランクにレギュラーガソリンを満タン給油してしまった場合…やや要注意
半分くらいレギュラーガソリンが混ざったくらいなら全然大丈夫です。
ただ、タンクいっぱいにレギュラーガソリンを入れてしまった場合は以下に注意しましょう。
次回は絶対に間違えないようにする
できれば半分くらい減った時点でハイオクを給油しておく
現代のクルマはガソリンのオクタン価が低いとその燃料に合わせて点火時期を調整してくれます。
現代というか電子制御燃料噴射装置が普及した1980年代頃のクルマからそうですね。
普通に走れるようにできています。
昔はガソリン代をケチってハイオク仕様車にレギュラーガソリンしか給油しないなんて猛者も珍しくありませんでした。
しかしハイオク仕様車にレギュラーガソリンを使うとややノッキングしやすくなります。
長期間この状態でエンジンを稼働させるのはあまり良くないですね。
問題のあるケース
あまり問題のない給油間違いもありますが、非常に厳しい給油間違いもあります。
それが以下のような誤給油です。
ガソリンエンジン車に軽油を入れてしまった
ガソリンエンジンに軽油を入れて走ってしまうとやがてエンジン不調で止まってしまいます。
ディーゼルエンジンは軽油を高圧にして自然着火で燃焼させますが、
ガソリンエンジンはプラグを使って火花で着火しています。
間違って給油された軽油はプラグでは着火できず、
やがてプラグは軽油を被ってしまって機能しなくなります。
こうなると軽油を抜くだけでは回復できずプラグ交換が必要となります。
この場合はクルマを動かしたくてももう動けないのであとはプロに対処してもらいましょう。
このケースでは間違って給油した軽油をすべて抜き取り、
燃料ラインに入り込んだ軽油を入れ直したガソリンで流してしまえばエンジンは復活します。
ディーゼルエンジン車にガソリンを入れてしまった
こっちの場合は少々深刻です。
ディーゼルエンジンは高圧のインジェクターを使っています。
ガソリンを給油してしまった場合はかなりの確率でこのインジェクターを壊してしまいます。
これは軽油と違ってガソリンには潤滑性がないため、
燃料ポンプやインジェクターに負荷をかけてしまうからです。
これが壊れてしまうと国産車でも20~30万円くらいの高額修理となってしまいます。
もしパーツ代の高い外車だったら…
かなり恐ろしい事態が待ってると思います。
燃料の入れ替えは簡単ではない
間違って給油してしまった場合はその燃料を抜き取ってエンジンや燃料ラインを洗浄します。
作業自体はプロの整備士なら(面倒ではありますが)手慣れたもので大した作業ではありません。
しかし、これは誰でも簡単にできるものではありません。
その理由を以下に記します。
ガソリンは危険等級Ⅱ第四類危険物の第1石油類に分類されており、
危険物取扱者の乙種四類以上の資格を持っていないと取扱作業が認められていない
という法的な制約があるんです。
ガソリンスタンドならこの資格所持者が常駐してますが、
自動車整備士は全員が持っているわけではありません。
また、ガソリンスタンドはガソリンを販売する施設なので、
抜き取るような危険作業を行える作業環境が整っていない場合もありますし、
ガソリンスタンドのスタッフは燃料ラインを分解して洗浄する整備技術などは持ってないです。
つまりどっちも簡単ではないということです。
しかし、タンクから誤った燃料を抜き取って入れ替えないとクルマを動かすことはできません。
そして当たり前の話しですが、一般人が抜き替えをするのは絶対にダメです。
基本的に違う種類の燃料を入れてしまうとエンジンは動きません。
しかし実際のケースではタンク内に残っていた燃料に混ぜることになるので、
誤給油した直後はエンジンが動いてしまうものです。
そして徐々に不調になり止まってしまいます。
誤給油に限った話しではありませんが、
少しでも異変を感じたら速やかに停車させる勇気が必要です。
これが被害を最小限にとどめてくれます。
このような誤給油防止用のステッカーやアイテムは有効な対策になるようです。
適切な対処法まとめ
簡単にまとめると表のようになりますね。
ハイオク ガソリン | レギュラー ガソリン | 軽 油 | |
ハイオク仕様車 | ◎ | ○ | × |
レギュラー仕様車 | ◎ | ◎ | × |
ディーゼル車 | × | × | ◎ |
今回は間違えて油種の違う燃料を給油してしまった場合の対処についてまとめてみました。
結論としては以下のようになります。
・誤給油した油種や給油量を把握する
・エンジンは始動させず走行もしない
・ガソリンスタンドや整備工場の指示を仰ぐ
・専門家から走行可能か不可能か指示を仰ぐ
・ディーゼルエンジンへのガソリン給油は危険
・絶対に素人判断はしない
上記をしっかり守ればクルマを壊してしまうことはほぼないです。
怖いのはまったく気づかず走行を続けてしまいエンジンを壊してしまうことです。
給油後に少しでも異常を感じたらその時点で走行をやめエンジンも停止させましょう。
誤給油は焦らず対処すれば深刻なトラブルにはなりません。
それだけはしっかり覚えておきましょう。
ブログ村にはたくさんのカーライフ情報が溢れています。
是非訪れてみてください。
にほんブログ村
コメント