最近の若者には想像もできないと思いますが、
かつて沖縄は第二次大戦における最大規模の激戦地の一つでした。
そして戦後は27年間もアメリカ軍の統治下に置かれていました。
2022年5月15日、その沖縄が本土復帰して50年の節目を迎えます。
あらためて沖縄について考える良い機会ではないでしょうか?
出典:琉球新報
第二次世界大戦全体で見ても最大規模級の激戦だった沖縄戦
第二次世界大戦(太平洋戦争)の激戦地であった沖縄。
この沖縄での戦闘で、日米合わせて約20万人もの人命が失われています。
しかも94,000人もの民間人犠牲者を出しています。
この民間人犠牲者数からも沖縄戦がいかに異常な戦いであったかがわかると思います。
ちなみにアメリカ軍も20,000人以上の戦死者を出しており、
これは第二次大戦末期にナチス・ドイツとの激戦であった
アルデンヌ戦におけるアメリカ軍戦死者数を上回っていて、
アメリカ軍にとっても壮絶な戦いであったことがわかります。
当時の日本はアメリカ軍を沖縄にくぎ付けにして、
本土決戦準備の時を稼ごうとしたと言われてますが、
20,000人以上もの戦死者を出した事実はアメリカ政府を驚愕させ、
日本本土決戦への突入を危険視させる原因になったと言われています。
沖縄戦がこれほどの激戦であったことを知らない
日本人は多いのではないでしょうか?
戦後27年間にも及んだアメリカ軍統治下の沖縄
第二次大戦後、沖縄はアメリカ軍の統治下に置かれます。
その期間は1945年~1972年の27年間という長期に及び、
その間の沖縄は完全にアメリカ合衆国の一地域となっておりました。
通貨はドル、道路は右側通行などなど…
そして沖縄中にアメリカ軍基地が建設されます。
この基地問題は現在でも大きな問題となっているのはご存知の通りです。
出典:琉球新報
沖縄返還は祝意と抗議があった
沖縄の本土復帰は喜ばしい出来事ではありましたが、
日本政府に対する抗議もあったという事実は知っておかねばならないと思います。
先の戦争において沖縄はあきらかに捨て石のような扱いを受けました。
多くの民間人が犠牲となり、沖縄県民の4人に1人が亡くなっています。
沖縄の人たちが本土に対して不信感を持つのは当然かも知れないのです。
戦争は悲惨であり、問題解決の手段として最悪の方法であることを、
沖縄戦から学ばねばならないのではないでしょうか。
現在の沖縄は国内屈指の観光地
沖縄ほど人気のある観光地はそうそうないと思います。
綺麗な海、豊かな自然、そして美味しい食べ物。
毎年、沖縄にはたくさんの観光客が訪れてますが、
日本国内からだけではなく、海外からもたくさんの観光客が訪れています。
そんな観光客たちには沖縄を大いに楽しんでもらいたいと思いますが、
素晴らしい風光明媚な観光地を楽しむのと同時に、
少しでも沖縄の辛く悲しい歴史にも触れてもらえたらと願わずにはいられません。
これからの沖縄への思い
現在も沖縄には多数の問題が存在します。
子供の貧困や本土との経済格差、そして在日アメリカ軍の基地問題など。
さらに沖縄固有の政治的な問題や周辺国との軍事的問題など、
一つ一つ挙げていたらキリがないほどです。
もちろん沖縄以外の各都道府県にもさまざまな問題はあり、
沖縄だけが問題を抱えているわけではありません。
しかし、少なくとも沖縄には他の都道府県にはない特殊な歴史があります。
沖縄が本土復帰して現在の沖縄県が誕生して50年を迎えますが、
これを機会に観光地以外の沖縄についても関心を高めてくれたらと思います。
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