高品質なメルセデスベンツにも定番と言われるトラブルや故障がいくつかありますが、
その中で昔からメジャーなトラブルの一つがフロント足回りからの異音でしょうか。
今回はこの定番故障の原因と修理に触れてみます。
オーナーは気づいてないこともある
メルセデスベンツに乗ったことがある人にはあるあるの話しですが、
ベンツ車は全般に遮音性に優れているためクルマからの異音に気づきにくいです。
中には人が振り返るほど大きな異音を発してるのにオーナーが気づいてないこともあります。
フロントサスペンション周辺から聞こえる異音も同様で、
音の酷いクルマだと反対車線を通り過ぎるクルマにも聞こえるくらいですが、
運転席に座ってみると全然聞こえないこともあります。
また、不思議なことに運転してて聞こえる音と聞こえない音があったりしますね。
私もかつて所有していたW211のE320ワゴンでギシギシ音が出たことがあります。
このときも送迎した家族が「変な音がする」と言ってくれて初めて気づいたものです。
普段は無意識に運転してるのでまったくわからなかったんですが、
耳を澄ませてみると確かに「ギー」とか「ギシ」って音が聞こえて来ました。
運転席では微かに聞き取れる程度の音にしか聞こえないんですが、
窓を開けて走ってみると恥ずかしいくらいけっこうな大音がしてましたね。
![W211 メルセデスベンツ](https://sskoba.com/wp-content/uploads/2024/02/benz-7001.jpg)
原因の特定が難しくて厄介
このフロントサスペンション周辺から聞こえる異音ですが、
音の特徴としてはやや低めの「ギー」とか「ギシギシ」といった金属が擦れるような音です。
あきらかに気持ち悪い音なんですが、とくに支障なく走れてしまうことも多いです。
ちなみにこの音はロアアームやスタビライザー付近から出てることが多く、
実際に経験した人の多くは音の発生源の特定に苦労します。
ボールジョイント部の経年劣化と一目でわかることもありますが、
各パーツの外観からは異常が確認できないケースもあります。
当然ながら止まっていると音は聞こえないのでよくわからないのです。
(体重をかけて押すと「ギシ」って聞こえるクルマもあります。)
整備士でも原因箇所の特定が困難で、パーツを交換したけど音が消えないこともあります。
次々とパーツを交換した結果、なんとか直せたなんてケースもあります。
こういうのは厄介ですよね。
無駄なお金がかかってしまいます。
なお、フロントサスペンション周辺から出ることが多いこの異音ですが、
稀にリアサスペンション周辺から聞こえることもあります。
![](https://sskoba.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/b-man.png)
この異音修理を豊富に経験した整備士だと一発で特定できたりします。
日頃からお世話になってる整備士が苦戦してるようならば、
セカンドオピニオン的に他の整備士に相談してもいいかも知れません。
優良で優秀な整備士ならとくに気にしないものです。
新車や認定中古車でも発生する?
この異音トラブルは低走行距離にも関わらず発生することがあります。
私の身近にもまだ走行距離が5,000kmくらいなのに音が出たクルマがありました。
たまたまパーツの組み合わせが悪くて鳴ることもあるようですし、
想定以上に一部パーツの傷みが進んで発生したりもするようです。
古いクルマ(距離を走ったクルマ)だけに見られる現象ではないですね。
したがって走行距離が進んでない新しい認定中古車を買っても発生しますし、
稀に新車でも音が出ることがあるようです。
当然ながら新車の場合は納車前に整備(修理)されますが、
納車直後、客に指摘されて即修理入庫なんてクルマも実際あるようです。
つまり「よくある話し」くらいに流しておいたほうが精神衛生上もいいもので、
保証のある新車や認定中古車なら音が出ないように直してもらえばいいだけです。
問題は保証で直せない長年乗った愛車に起きてしまったときですね。
嫌な音なので放置はしたくないものです。
安易な社外製パーツの使用は危険
自分のクルマから異音が出るなんて嫌ですし、駆動系から変な音が出ていたら怖いものです。
そこで修理となるわけですが、これが結構高い修理になります。
ちょっとしたゴムパーツを交換して消せるような修理なら大した金額にはならないですが、
サスペンションパーツをアッセンブリ交換するような修理になると大変です。
例えばロアアームを交換するとなるとついでにボールジョイント部も交換…
という感じになって、結構な修理金額を伴う作業になってしまいます。
実際の修理代(パーツ代含む)はクルマによって異なりますが、
まあ、普通に考えて安くはないです。
そこで安価な社外製パーツの登場となるわけですが、
こういう足回り関係などは絶対にやめておいたほうがいいです。
「格安で修理しますよ」というベンツ修理屋などは社外製パーツのテンコ盛りですが、
まずロクなことになりません。
この足回りの異音トラブルでは正規純正パーツか純正のOEMパーツを使ったほうがいいです。
純正のOEMパーツだと正規パーツの70~80%くらいの価格で手に入りますので、
せめてこの線に留めておくべきです。
なお、社外製パーツながら正規純正パーツと同等かそれ以上というのを見かけたこともあります。
私が見たのは友人の整備工場にお客さんが持ち込んだW220用のロアアームでしたが、
これはオーストリアのマイスター工房が製作したベンツ用パーツでした。
友人整備士も最初は純正パーツ使用を説得しようと思ったそうですが、
この社外製ロアアームは純正より材質も良好で表面の仕上げも綺麗でした。
稀にこういうのもありますが、大半の社外製パーツは粗悪なので使わないほうがいいです。
まとめ
今回はベンツ定番トラブルの一つであるフロント回りからの異音を取り上げてみました。
自分の大切な愛車から「ギー」という変な音が聞こえたらショックですが、
珍しいトラブルではないので必要以上に深刻に考えないほうがいいです。
また、この異音トラブルはベンツに発生することで有名ですが、
実際は他メーカーのクルマでも同様に発生しています。
ベンツほど騒がれてないだけですね。
いずれのケースでも修理には純正パーツかOEMパーツを使うようにして、
問題ないパーツを交換されないよう経験ある整備工場に依頼するのがベストです。
それが結果的に一番安く、安心確実な修理になると思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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