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ATフルード交換はやったほうがいい?整備工場でも意見が割れている

トランスミッションカーメンテナンス
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一般に正規ディーラーはメーカーの整備マニュアルを重視しますし、
メーカーの指針に沿ってクルマの整備を行っています。
現状、ATフルードの交換は不要と謳っている自動車メーカーもあることから、
そういうメーカーのクルマを扱う正規ディーラーは「交換不要」と言ってますね。

もちろん個々の整備士はその人によって考え方も異なるようで、
私がよく知るディーラー整備士はマニュアルを無視して強く交換を推奨しています。

一方で個人で整備工場を経営されているベテラン整備士さんはどうでしょうか?
多くの方が元正規ディーラー整備士ですね。

当然ながら私も日本中の整備士さんの話しを聞いてるわけではありませんが、
自身で整備工場を営まれている整備士さんたちは「交換要」と考える方が多いようです。
少なくとも私が知る整備士さんたちはほぼ全員が交換を推奨してます。

それは商売として売上の数字を伸ばしたいからではなく、
経験的にATフルード交換を怠ったクルマの故障率の高さを感じているからです。
多少の費用がかかっても「交換したほうがいい」と考える整備士さんが多いですね。

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1.レベルゲージからホースを挿入してフルードを抜く

2.フルードを規定量まで回復させる

3.暖気してストールテストを実施(3回くらい実施)

4.上記1~3の作業を3回くらい繰り返す

このやり方が古典的な交換方法ながら多くの整備工場で行われている方法です。
ベテランの整備士さんになると繰り返す作業の回数を調整してくれます。

逆に悪質な整備工場だとここで真っ黒いフルードを見せて複数回の入れ替えを提案して来ます。
残念ながらこれは10回以上繰り返さないと黒い汚れは取れないのが普通です。
そのため通常4の繰り返し作業は3~4回くらいで終えるものです。

もちろん最後にライン圧とストール圧を測定して油圧の上昇を確認します。

油圧系統に交換チェンジャーを割り込ませて圧送交換する

通常はATフルードクーラーに割り込ませて強制的に循環させて交換しますが、
強制循環させても規定量以上を必要とするので割安にはなりません。

一般に自動車は10年10万kmくらいになると商品価値が低下して売り物になりにくくなります。
そこまで短命でなくとも余程の人気車でもなければ廃車まで秒読みです。
そうなるとATフルード交換のようなお金のかかる整備を実施するのは微妙です。
生産されるほとんどのクルマが平均的な生涯を終えるまでにAT故障は起こさないので、
無用な整備とされるのはあながち間違いでもなさそうです。

ATフルードにもランクがあり、仮に安いフルードを使ったとしても3万円くらいはかかります。
しかも実際に作業すると簡単には汚れたフルードを交換し切れないことがわかります。
多くの整備工場では3回くらいフルード抜きとフルード入れを繰り返しますが、
エンジンオイルみたいに簡単に抜けないので少し抜いては少し足してを繰り返します。
これを3回くらいやって工賃込みで3~5万円くらいでしょうか。

私の経験だと汚れが目立たなくなるには15回くらいこの作業を繰り返す必要があり、
そんなことを整備工場でやってもらったら20万円以上かかってしまいます。

ATフルード交換と聞くと液体を入れ替えるだけと思われがちですが、
例えばZF製のATミッションなんかはフィルターが一体式となったオイルパン形状となっており、
これを交換するとパーツ代だけで7万円くらいします。
(オイルパンは樹脂製やアルミ製で一度取り外すと再使用不可です。)

それにプラスして交換するフルード代がかかるので軽く10万円を超えて来ます。
そのため多くの方はフィルター交換を諦めてフルード交換のみの整備をしてるのが実情です。
それならそこまでお金かける必要はないという考えですね。

このZF製ATミッションのオイルパンですが、
各自動車メーカーの刻印が入った純正パーツは高価です。
しかし、メーカー刻印のないZF製の同型純正パーツは安く購入できます。
正規ディーラーなどは扱ってませんが、専門店などは扱いがあります。
安価な社外製パーツを使うのは危険ですが、ZF製純正パーツなら安心です。

価格は2万円くらいでしょうか。ただ、やや入手困難です。

長距離を走行すれば機械であるトランスミッションからはスラッジなどが発生します。
この細かな金属の破片が機械に良くないことは誰でもわかると思いますが、
中にはそれほど長距離を走行したわけでもないのにスラッジが溜まるミッションもあります。

つまり運が悪いとちょっとした距離を走っただけで不調に陥る恐れがあるわけで、
予防整備としてこれを交換しておけば一定の安心を得ることができます。

稀に勘違いされている方がいますが、ATミッションは不調を感じたらもう手遅れです。
そのときはもうそのATミッションは壊れています。
「壊れたらそのときに修理するのでフルード交換はしない」という人がいますが、
この異常を感じた段階になると修理ではなくユニット交換が必要です。
つまり数十万~数百万の費用がかかるわけです。

実際のフルード交換作業の現場を見るとわかりますが、
4~5万km走行したATミッションからフルードを抜くと驚くほど真っ黒です。
普通の人だとこれを異常事態だと考えるようですが、異常ではなくこれが正常です。
そしてこのフルードの色を見た多くの人は「交換依頼して良かった」と胸を撫でおろすものです。

上で述べたような一般的なフルード交換作業では完全な入れ替えは困難で、
ちょっと黒色が薄くなる程度にしかなりません。
それでも一定量のスラッジを抜くことはできるので確実に効果は期待できます。

ATフルード交換の是非は人によって検討するポイントが違ったり、
自動車整備に対する各個人の考え方の違いもあって一概に結論を出せないものですが、
走行距離が10万kmに達しているようなクルマだとフルード交換しないことが多いです。

過走行車のATミッション内部は積年のスラッジが各所にこびり付いていて、
下手にフルード交換すると厄介なところを詰まらせたりして故障を誘発します。
つまりフルード交換による洗浄によって変なところにゴミが動いてしまうわけです。

最近はミッション内部を事前解析してフルード交換しても大丈夫そうか判断できますが、
残念ながらまだ解析できる機械を導入してない整備工場も多いですし、
そういう機械を使ったとしても最終的なジャッジは人が行う必要があります。

このお金のかかるATフルード交換ですが、やったほうがいいんでしょうか?
ここからは個人的な見解になってしまいますが、
以下のようなクルマにお乗りの方には交換を推奨します。

整備にお金のかかる高級車にお乗りの方は万一に備えて交換しておいたほうが安全で、
そんな高級車のATミッションが壊れようものなら100万円くらいの修理代が発生します。
毎年交換するようなものではなく、およそ5万kmごとの交換なので迷う必要もないと思います。

また、メーカーの整備マニュアルに〇万kmで交換要と明確に書かれているクルマもあります。
ベンツのATミッションなどがそうですが、こういうクルマも指示通りに交換すべきです。
中には「ATフルードの交換なんて不要なんだよ」と独自解釈してる人もいますが、
これは危険です。痛い目に遭った人を数えきれないほど知っています。

そして基本的な考え方として「自分が乗ってる間だけ壊れなければOK」ではなく、
クルマ好きならそのクルマを次世代に残すためにも是非交換して欲しいものだと思います。
例えば964系ポルシェ911のティプトロミッションなんか大事にして欲しいですよね。

私の身近だと走行距離2万km程度でATフルード交換したBMW320iがいます。
さすがに私も「まだ交換しなくていいのでは?」と思ったものですが、
実際に交換すると体感できるくらい走りが変わりました。

もともと(同型車をよく知る私でも)変速ショックは気にならない程度でしたが、
これが更に一段と滑らかになり、明確に燃費性能も向上しました。
ちなみにわずか2万kmでも抜いたフルードは真っ黒だったそうです。

これはほんの一例に過ぎませんが、やはり機械である以上は動かせばスラッジは発生します。
金属を使ったパーツの宿命ですが、これを避けることはできません。

ATミッションにはこの金属の破片を集める磁気を帯びたフィルターが用意されてますが、
100%完全に集められるものではなく、一定の破片はゴミとして内部に入り込みます。
また、このフィルターも永遠に機能する構造にはなってません。
メーカーが交換不要と謳っているのは永久に壊れないと言ってるのではなく、
クルマの平均的な寿命くらいまでは大丈夫と考えているからだと思われます。

上で紹介したBMW320iも別に交換しなくても壊れず10万km以上走ると思います。
しかし、交換したほうが初期の走行性能を維持できることは間違いなく、
そのための整備費用と考えれば決して高くはないです。

今回はATフルード交換について考えてみました。
こういう予防整備的な出費に対する考え方は人それぞれではありますが、
クルマそのものはあくまでも金属でできた機械であり、
走行すれば物理的に摩耗するものです。

パーツ交換で簡単に直せる故障なら壊れてから交換してもいいと思いますが、
壊れたら終了となるような高額パーツに関しては違う考え方を持っていたほうが良さそうです。
ATミッションのフルード交換などはその最たるものではないでしょうか?

最後までお読みいただきありがとうございました。

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