2023年4月、マイクロソフトがWindows 10 から 11 への移行を強く推奨しました。
公式ブログに「直ちに移行せよ!」と記載したのです。
Windows 10 ユーザーは直ちにWindows 11 へ変更しないといけないのでしょうか?
今回はマイクロソフト社の呼びかけの真意を検証します。
Windows 10 および 11 の現状
2022年4月の段階でパソコン用OSにおけるWindows 10 のシェア率は約70%強でした。
これが2023年4月では約67%くらいまで落ちています。
つまり数パーセントほどシェアを落としたわけですが、
それでも未だに多くのパソコンが搭載OSとしてWindows 10 を使っていることがわかります。
そしてWindows 11 はどうかというと、
昨年4月の段階でシェア約12~13%くらいだったものが、
2023年4月の時点で約30%と増えています。
この数字だけを見ると順調にWindows 11 がシェアを伸ばしていると思えますが、
実際は上昇したり下降したりと極めて不安定な曲芸飛行を続けており、
安定したシェアを獲得するまでには至っていません。
マイクロソフトとしては一気にWindows 10 のシェアが下がり、
その下がった分を新OSであるWindows 11 でカバーしたいわけですが、
どうもそんな流れにはなっていないようです。
つまりWindows 10 の占めるシェアが 11 へ移行しているというより、
もっと古いWindows 7 とか 8 の使用者が減って、
その分が他のOSのシェアに影響を与えている現状が見えて来ます。
これはマイクロソフトとしてはあまり好ましい状況とは言えなさそうですね。
Windows 7 や 8 はサポートの終了を迎えたため、
その段階で多くの使用者が他のOSへ移行したわけですが、
その移行先の主力がWindows 10 となってしまいました。
なぜ新型のWindows 11 ではなく、旧型の 10 が選ばれたんでしょうか?
その理由は簡単で、ハードウェアの変更なしにOS変更が可能だったからです。
何かと制約の多いWindows 11 に対して、10 の敷居は低かったわけですね。
結果として2023年2月などはWindows 10 のシェア率が対前月比で約5%も上昇しており、
旧型が新型より人気あるという困った状況を生み出しています。
この現状を整理するとマイクロソフトにはWindows 10 と 11 という強力な二枚看板があり、
ともに甲乙つけがたいくらい人気ある商品に育っているということでしょうか。
ただそれは決して嬉しい話しではなく、
厄介なことに二つのOSをケアしていかねばならないという、
非常に厳しい状況にもなっているわけです。
その結果、次のような発表が公式ブログに記載されました。
「Windows 10 は現行の22H2バージョンを最終バージョンとします」
です。
ややこしい状況を終わりにするため、
自ら人気ある旧型製品の始末に取りかかったわけですね。
Windows 10 はもう使えないのか?
マイクロソフトの発表を見るとWindows 10 はもう最終バージョンになってしまうので、
早くWindows 11 にOSアップグレードしないと危ない…
そう思ってしまいますが、これは違います。
この22H2バージョンを最後にするというのは、
これ以上はWindows 10 に新機能は追加しませんよという意味になります。
勘違いされる方が続出しているようですが、
セキュリティパッチやバグ修正などは2025年10月まで対応されます。
Windows 10 が安全に使えなくなるわけではありません。
Windowsバージョンの確認方法
ここで基本的な話しになりますが、
お使いのWindows 10 のバージョンを確認してみましょう。
もし「22H2」になっていれば最新バージョンを実装しています。
まず最初に「ファイル名を指定して実行」を選択します。
(キーボードで操作するならWinキーとRキーを一緒に押してください)
上の画像のようにファイル名入力欄に「Winver」と入力してOKします。
すると次のようにWindowsのバージョンが表示されます。
この画像のように「22H2」となっていれば最新の状態です。
バージョンアップはしたほうがいい
パソコン用のOSというのは基本的に最新バージョンで使うほうが安心ですが、
必ずしも最新OSにアップグレードしていないと危険というわけではありません。
旧型OSでもそのOSの最新バージョンを実装し、
適切にセキュリティパッチなどが当てられていれば防御は強力です。
つまりどのOSを使うにしてもそのOSの最新状態を保つということは必要だと言えます。
しかし、中には使用するアプリに不具合が起きる恐れがあってバージョン変更できないとか、
会社のシステム管理者からバージョンアップが許可されておらず、
使用者が勝手に触れないということもありそうです。
しかし、マイクロソフト社は最新バージョンに対してバグ修正の実施や、
セキュリティパッチの配布を行っています。
ということは少なくとも安全面において旧バージョンを使うメリットはないですよね。
非常に危険と言えます。
Windows 10 に関していえばバージョンが「22H2」である必要はあります。
この「22H2」バージョンなら2025年10月までサポートを受けることができるわけです。
マイクロソフトの真意は?
今回のマイクロソフトの発表は早くWindows 11 への移行を進めたいという考えの表れだと思います。
かつて、マイクロソフトはWindows 7 のシェアが拡大し過ぎて苦労した経験があります。
その同じ轍を踏まないよう、早めに手を打って来たものと思われます。
少なくとも早くWindows 11 へ移行しないと危険という意味ではなさそうです。
パソコンを使う上でもっとも大切なことはなんでしょうか?
おそらく多くの方が「アプリが正常に動くこと」と答えると思います。
OSの新機能を楽しむなんて方は少ないと思います。
【結論】
OSの新機能に興味がある方はWindows 11 へ
アプリが動けば問題ない方はWindows 10 のままでOK
だと思います。
まとめ
先日のマイクロソフトの公式ブログにはかなり狼狽えた方もいたようです。
なんか恣意的?に「最後通牒」みたいな訳され方もしてましたしね。
しっかり記事の真意を読み解かないと勘違いしてしまいそうです。
決して慌てる必要はないので焦らないようにしましょう。
但し、マイクロソフトが2025年10月までサポートするWindows 10 は「22H2」バージョンのみです。
これは忘れないようにしておきましょう。
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