クルマに乗っていると整備工場から予防整備を勧められることがあります。
とくに不具合を感じていなければ何万、何十万なんてお金は出したくないですよね。
また、予防整備に積極的な整備工場とそうでないところもあるようです。
今回は予防整備について考えてみたいと思います。
整備工場によって考え方が違う
クルマは壊れていたら直さなければなりませんが、
壊れそうなパーツについては事前に交換しておくと安心度が高まります。
しかし、不具合がないパーツについてはまだお金をかけたくないというのが本音ですよね。
この問題については整備工場によって対応が分かれているのが現実で、
どちらを信用していいのか判断に迷いそうです。
クルマにもセカンドオピニオンという考え方がある
医療にはセカンドオピニオンという制度がありますが、
実はクルマにもまったく同じ考え方が当てはまります。
医療もクルマ整備も決して信用できないから違うところで診てもらうというわけではありません。
あくまでも違う意見に触れて判断材料の精度を高めるために行われます。
ただ、機械であるクルマの場合は整備工場によって真逆の診断を受けることがあります。
これは整備工場の方針によって違いが生じるもので、
最終的な判断はオーナー自身が行わなければなりません。
正規ディーラーは予防整備に熱心?
一般的に正規ディーラーは予防整備を推奨する傾向にあると思います。
メーカーの定める整備マニュアルに忠実なだけに、
一定の走行距離に達すると交換を勧めて来ます。
もちろんほとんどの場合、交換を強制されることはありませんが、
提示される見積書が予防整備を含むため高くなる傾向にはあります。
「正規ディーラーからは10万円と言われたが、一般整備工場に出したら5万円で済んだ」
というような話しが聞かれますが、
これは単に予防整備を行ったかどうかだけの違いであるケースも多いです。
(ただ、作業工賃は正規ディーラーのほうが高いとは思います。)
予防整備に否定的な整備工場もある
クルマは壊れたら直せばいいと考える整備士もいます。
こういう考えの整備士がいる工場は予防整備をあまり勧めて来ません。
但し、動けなくなるような危険がある場合にはきちんと予防整備を勧めてくれます。
つまり現時点で問題になるような不具合を見逃しているわけではありません。
長年の経験から「まだ大丈夫」と判断してくれていることが多く、
ベテランの整備士ほど予防整備に消極的な気がします。
ただ、クルマは機械なのでいきなり壊れることはあります。
予防整備を勧められなかったからといって、100%安全なわけではありませんし、
予防整備したから100%大丈夫なわけでもありません。
最終的な判断をする前に必要な情報
予防整備をするかどうかは最終的にオーナー自身が判断する必要がありますが、
問題なのは整備工場がクルマの状態を正確に把握してくれているかどうかです。
優秀な整備工場はしっかり点検して状態を的確に説明してくれますが、
いい加減な整備工場はそのあたりの説明が不明瞭で極めて怪しいです。
もし説明に納得できない場合はセカンドオピニオン的に違う整備工場を訪ねてみましょう。
ただ、点検してもらうということは当然ながら点検費用が発生します。
勘違いしている人がいますが、どこの整備工場でも点検費用はしっかり請求されますので、
最初の整備工場にも次に訪ねた整備工場にも点検代を支払う必要はあります。
パーツの交換作業や調整作業だけに料金が発生するわけではありません。
そのため、無闇やたらとあちこちの整備工場を訪ねるのは現実的ではなく、
どうしても納得できないなど、それ相当の理由がある場合だけに留めたほうが良さそうです。
説明に納得できない高額な予防整備を勧められた場合、
確認も含めて他の整備工場に点検してもらうといいと思います。
本当に必要な整備なのかどうかを判断するためです。
ただ、こういうケースの大半は本当に交換したほうが良さそうなことが多いです。
余程悪質な整備工場でもない限り、見え透いたウソはつかないですね。
重要パーツかどうかを見極める必要がある
交換を推奨されたパーツが走行するために重要なパーツかどうか見極めないといけません。
つまり走行に直結するようなパーツなのか、
壊れても走行に支障がないパーツなのかで判断も変わります。
中には故障によってまったく動けなくなる重要パーツもありますし、
走行に支障のないパーツもあります。
しっかりした整備工場は説明が理論的なので納得しやすいですが、
説明の下手な整備工場だと何が問題なのかよくわからなかったりします。
例えばブレーキの寿命が迫っていると言われれば誰でも危険が迫っていることがわかりますが、
「〇〇センサーの寿命が迫っているのでどうしますか?」などと言われてもよくわかりません。
こういう場合はそのセンサーが壊れるとどうなるのかという説明を求めましょう。
もし壊れてもいきなり走れなくなるわけではないのなら、
様子見をしてもいいと思います。
こういう情報を整理してクルマの状態を正確に把握することが重要です。
予防整備したほうが良さそうなパーツ
予防整備の対象となるパーツについては重視したほうがいい物と、
それほどでもない物があります。
- 耐用年数の期限が迫っているパーツ
- 原因不明ながらエラー信号を出している電子パーツ
- 整備マニュアルで明確に定められた定期交換パーツ
- 一時的な対処をしてあるパーツ(暫定修理状態)
予防整備しなくても良さそうなパーツ
- 故障しても走行に支障のないパーツ
- 耐用年数に達したが点検すれば問題のないパーツ
- 故障後にすぐ交換できるパーツ
上記のように切り分けて問題点を整理すれば、
慌てて予防整備しなくても大丈夫です。
もちろんお金がかかってもしっかり整備したい人は交換すればいいです。
交換したパーツを動作確認済み中古パーツとして売却し、
自分のクルマには新しいパーツを組み込んで安心度を高めるという人もいます。
ただ、新品パーツでも壊れることはありますし、
外した古いパーツのほうが信頼性が高かったなどということはあるかも知れません。
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まとめ
航空機の場合は壊れていなくても予防整備でパーツ交換をするようです。
機械である以上は壊れる可能性はありますし、
少しでもその可能性を低下させるために交換は必須のようです。
クルマも同じ考え方で間違っていないと思いますが、
一般的にクルマやバイクはそこまでシビアには考えないようです。
ただ、走行に支障のあるパーツとそうでないパーツの切り分けは必要で、
走行に支障があるパーツは積極的に交換して信頼性を高めておくほうが安心です。
また、ブレーキのように安全に直結するようなパーツには神経を使うべきです。
これは走れるとか走れなくなるとかいうレベルの問題ではないからです。
整備費用の問題より安全性を最優先しなければならないのは言うまでもありません。
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