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同じ銘柄の新品タイヤと交換直前の古いタイヤを比較検証してみます

ピレリ P-ZERO(PZ4)カーメンテナンス
記事内に広告が含まれています。
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同じ銘柄の新品タイヤと数年使ったタイヤではどれくらい違いがあるでしょうか?
テストコースなどで極限の性能差を比較するような厳密な比較ではなく、
一般的な国道や高速道路を走って感じられる違いを確認してみました。

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ピレリ P-ZERO PZ4

クルマは走れば走るほどタイヤが擦り減りますよね?
そうなると嫌でもタイヤ交換をするわけですが、
誰もがいろんなメーカーのいろんなタイヤを経験してみたいと思うものなので、
意外と同銘柄のタイヤへ交換する人は少ない印象です。
購入時の販売価格の問題もありますしね。

ところが都合良いことにまったく同じタイヤに履き替えたクルマが現れました。
少し前に公開したタイヤの熱問題を検証したBMW420iですが、
このオーナーはまったく同じP-ZERO(PZ4)のBMW承認タイヤに履き替えています。
新品タイヤとの違いを体感できる絶好のチャンスですよね。

ちなみに交換前のタイヤはフロントの残溝が3mmでリアが4mmほど残っていました。
普通ならまだ十分使えるもので、この状態ならまだ交換しない人も多いでしょうね。
ただ、BMWは残溝3mmでの交換を推奨してることもあって、
このオーナーはメーカーの推奨に従って交換しています。
だから交換直前のタイヤと言っても廃棄寸前のボロタイヤというわけではありません。

今回はこの「まだ使えるタイヤ」と「完全な新品タイヤ」の比較になります。
完全に感覚的な比較になってしまいますが、体感できるほど差があるのか試してみます。

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ピレリ P-ZERO(PZ4)
交換直前のP-ZERO(PZ4)
ピレリ P-ZERO(PZ4)
真新しい新品P-ZERO(PZ4)

普通に考えて使い古したタイヤと新品タイヤなら新品のほうが優れていて当たり前ですよね。
今回はそんな当たり前の比較ではなく、実用目線でどれくらい違いを感じるのかの確認です。

できるだけ条件を揃えるため空気圧は同じ値に設定して走行しました。
ただ、平行して猛暑の空気圧変化も検証してましたので、
実際は走行中に空気圧が上昇しています。
あくまでも初期値と考えていただけると幸いです。

フロント:250Kpa / リア:280Kpa

BMWの推奨空気圧の範囲内に設定しました。
但し、同じクルマを二台用意して同日に走って比較したわけではないので、
燃費データなどは厳密なものではありません。
ご理解ください。

今回は以下の項目について感じた印象をまとめてみます。

これはびっくりするくらい大きな違いがありました。
古いほうも残溝3~4mmはあるタイヤなのでそれほど変わらないだろうと思ったんですが、
全然種類の異なるタイヤに思えたくらい差がありました。

これは残溝の問題ではなく、おそらく経年劣化で硬くなったゴムの影響でしょうね。
古いほうはタイヤ表面を触れば指先で感じられるくらい硬くなっており、
確実に新品のほうが路面からの当たりが柔らかくて嫌な突き上げがありません。
これほど差が感じられるとは正直驚いています。

倉庫などの暗所で保管されていたタイヤならこういう硬化はしないようで、
やはりクルマに装着して使っているとゴムは硬くなってしまうようです。
また、残溝3~4mmくらいまで使ったタイヤでは乗り心地の判断はできないですね。
新品とは比較にならないくらい悪化してる可能性が高いです。

古いタイヤのロードノイズが煩くなるのはお約束ですが、
実はこれに関しては意外にもそれほどの差を感じませんでした。
厳密に言うと古いタイヤはやや高音が大きく響いている印象で、
新品タイヤのほうが全体に低い音に聞こえます。

擬音にするのは難しいんですが、新品タイヤは「ゴー」というやや低めの音だけなんですが、
古いタイヤは「ゴー+ガー」というやや高めの音が加わってます。
これは経年劣化でゴムが硬化してる影響のようで、
どんなタイヤでも時間が経過すると同じように音質の変化がありそうです。

ちなみにかなり擦り減ってるタイヤだと確実に音量は大きくなるそうで、
残溝3mmくらいが快適に使用できるリミットなのかも知れません。

ただ、正直なところ新品と比較しなければとくに問題を感じることはなかったです。
私があまりロードノイズを気にしないというのもありますが、
その程度の変化ですね。

以下はスマホアプリの騒音計測メーターで簡易的に測定した値です。
計測方法はスマホを助手席に置いて実施しました。
本当のロードノイズ測定はエンジンを切って惰性で車両を空走させて計測しますが、
そんなことは無理なので普通に走っての計測です。

時速30km時速50km
古いタイヤ58dB66dB
新品タイヤ56dB65dB
各10回計測した平均値ですが、計測日が異なるので厳密なデータではありません。

全然違いが現れてません。
クルマは走れば普通にエンジン音や風切り音が飛び込んで来るので、
それらの音量と比べればタイヤからの音なんて微々たるものだからでしょうね。
ただ、微妙ながら新品タイヤのほうが音量は低かったです。
何度も計測して同じような結果でしたので平均値を記載しました。

厳密に同じ走行条件で比較してないので参考値にしかならないですが、
検証車のオーナーは通勤で使用しており、その走行で計測された燃費データになります。
検証日数が異なるので比較した走行距離に違いがありますし、
走った時期が異なるためタイヤの空気圧なども厳密に揃えて計測されてません。
このように正確なデータとは言い難いので参考程度にお願いします。

ちなみに一般的な満タン法で同じ道路の往復路で計測されたデータになります。
気温などを除けば走行条件はほぼ同一です。
以下のような差が確認できました。

走行距離燃費
古いタイヤ一般道約250km走行リッター8.82km
新品タイヤ一般道約180km走行リッター9.38km
満タン法で同じ道路を走行して比較した燃費記録

ごく僅かではありますが新品タイヤのほうが燃費が良くなってます。
おおよそではありますがリッターあたり550mくらいの差でしょうか。
次の項目の転がり抵抗の違いが影響していると推測できます。

これははっきり体感できるくらい差がありますね。
明確に新品タイヤのほうが転がり抵抗が少なく、クルマが惰性で流れますね。
アクセルを離すと古いタイヤはすぐスピードが低下しますが、
新品タイヤはまるでECOモードのアクセルオフ状態みたいに滑走します。
(標準のコンフォートモードで走行しています。)
今回の検証の中でもっともわかりやすい違いでした。

ただ、頻繁にブレーキを踏む必要があるほど惰性で流れるわけではありません。
この転がり抵抗の少なさに慣れれば早めにアクセルオフする程度で済む滑走です。
こういうちょっとした挙動の違いが積み重なって燃費の差になるんでしょうね。
このようにまったく同じタイヤでも体感できるくらい差が生まれるようです。

ちなみに残溝何ミリくらいまでなら新品の性能を維持してくれるのか気になりますね。
本当はこういうのを知りたいですが、検証するのが困難なのが残念です。

高速道路も一般道路も制限速度内で走行する限りはそれほど差は感じません。
古いといっても残溝3~4mmはあるタイヤなので著しい差なんてないでしょうね。
これが時速200km以上なんてスピードで走れば差は感じるのかも知れませんが…

ただ、新品タイヤのほうがあきらかに轍の影響を受けなかったです。
これはおそらくゴムの硬化によるタイヤの弾力低下が関係してそうで、
体感でわかるくらいタイヤ表面の硬さみたいなものが伝わって来ました。

古いタイヤも危険なほど直進性が乱れるわけではありませんが、
新品タイヤに比べると気持ちハンドルを握る手に力を込めてしまいます。
タイヤが轍にハマったときにちょっとだけ微振動みたいなものを感じますが、
これがちょっと大きく感じられるんですよね。

スキール音に関しては実は両方とも発生します。
ただ、発生する状況がまったく異なります。

新品タイヤは普通に左折するだけで「キュッ」というような音を発します。
あきらかに新しい新鮮なゴムが路面に貼りついてるような印象で、
短く発する綺麗な音がします。

それに対して古いタイヤは「キー」という長いスキール音を発します。
大してスピードを出してるわけでもないのに右折や転回時に鳴りますね。
経年で硬くなったゴムが路面との摩擦で音を出してるんでしょうね。
ただ、不安を感じるほどグリップ性能が低下してるわけではないですし、
周囲に迷惑をかけるほど大きなスキール音が出るわけでもありません。
ちょっと意識して大きく舵角を切って曲がると鳴るという感じです。
普通に右左折するだけで鳴ることはないです。

この検証した新品タイヤですが、2024年9月に入って距離3,000kmを超えました。
現在は上に書いた「キュッ」という左折時の音もしなくなってるようです。
全体に馴染みが進み非常に良好な状態のようです。
格安タイヤだと5,000kmくらいでグリップ性能が低下するなんて話しも聞きますが、
さすがに高価なP-ZEROのようなタイヤだとむしろ走りが良くなるようです。

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今回はまったく同じ銘柄の新品タイヤと交換直前のタイヤを比較してみましたが、
やはり残溝が3~4mmくらいまで減っていると各性能は低下してますね。
ただ、古いタイヤも運転して違和感を感じるほど劣化してるわけではないので、
頑張ればまだ一年くらいは履けるような気もしました。
古いタイヤを検証した日は新品タイヤに交換する直前でしたが、
個人的には「まだ使えるのにもったいない」なんて思ったものです。

しかし、同じ銘柄の新品タイヤに交換した後で走ってみたら差を感じる感じる…
やはり本来の性能を期待するなら交換が正解なんだと思います。

ただ、今回はピレリのタイヤだったのでもともとの品質が高そうです。
P-ZEROはスポーツ系タイヤなので特別に耐久性に振ったタイヤではないと思いますが、
これが格安タイヤだったらもっと明確な違いや劣化を感じたかも知れませんね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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