最近の夏は最高気温が30度以上どころか連日35度以上になることも珍しくありませんが、
さすがにこの高温下ではタイヤの空気圧もかなり上昇しそうです。
今回は高温下におけるタイヤ温度と空気圧の変化を測定してみました。
タイヤ空気圧の基準値を確認
まず初めに測定基準となるタイヤ空気圧を確認しないといけないですね。
日陰に駐車された走行前の空気圧を計測してその値を基準にします。
同様にタイヤハウス横の外気とタイヤ表面の温度も計測します。
計測には普通に市販されているデジタル温度計を使ってますので、
測定温度は概算値と考えていただけると幸いです。
研究所が使うような高精度の測定機器で計測できるといいんですが、
残念ながらそんな本格的な機械は持っていません。
(一部アナログ温度計を併用しています。)
また、コンディションによる測定誤差が起きないよう新品タイヤで計測するのが理想ですね。
幸いなことに7月にタイヤ交換したBMW420iが身近にいましたので、
そのクルマ(タイヤ)を使って空気圧の変化を計測します。
タイヤはピレリのP-ZERO PZ4でBMW承認タイヤです。
なお、外気温というのはクルマのタイヤハウス横付近の温度を計測しています。
走行するとエンジン熱の影響もあってフロントのほうが高温になりそうです。
タイヤ温度は非接触式の赤外線温度計で計測してますが、
これは計測するごとに若干誤差があるようです。
こちらは2~3回計測して妥当と思われる数値を記載しました。
本当は接触式の温度計のほうが正確に計測できるんですが、
準備可能な機材の都合もあってご理解ください。
タイヤ | 外気温 | タイヤ温度 | タイヤサイズ | 走行前の空気圧 |
---|---|---|---|---|
フロント | 31.2度 | 32.3度 | 225/40R19 | 250kpa |
リア | 31.4度 | 32.8度 | 255/35R19 | 280kpa |
上の表が走行前の計測データになります。
日陰駐車中なのに外気温(タイヤハウス横)はすでに30度を超えています。
走行前のタイヤ空気圧は右フロント248kpa、右リアは282kpa、
左フロントは251kpa、左リアは281kpaでした。
やや初期数値に微細なブレがありますが、
1kpa単位は誤差範囲と考え250kpaと280kpaとして検証を開始します。
なお、走行後の数値ですが、最小単位を5kpaとして表記しています。
例えば254kpaであれば255kpa、261kpaであれば260kpaと記載しています。
この初期値はBMW指定空気圧の中間値付近の数値ですが、
多くのBMWオーナーはもう少し高めに設定してるかも知れませんね。
私も自分の435iはもう少し高めです。
検証車の指定空気圧は以下のようになっています。
フロント220~260kpa(~3人乗車)
フロント270~320kpa(~5人乗車)
リア220~240kpa(~3人乗車)
リア270~320kpa(~5人乗車)
一般道を約1時間走行して計測
基準値の状態から走行を開始します。
測定日は最高気温37度予報の日で、走行開始時の気温は約34度でした。
かなり暑い日でしたが、最近はもっと暑い日もありますね。
約一時間走行後の空気圧は以下になります。
タイヤ | 外気温 | タイヤ温度 | 走行前 | 走行後 | 上昇率 |
---|---|---|---|---|---|
フロント | 36.2度 | 49.3度 | 250kpa | 265kpa | 約6% |
リア | 35.2度 | 47.9度 | 280kpa | 285kps | 約1% |
リアタイヤは誤差範囲くらいしか変化がありませんでしたが、
フロントタイヤは15kpaほど上昇しました。
思ったほど上昇してませんが、これには理由があります。
走行中に通り雨に遭遇し、気温もタイヤ温度も下がってしまいました。
これでは検証が不十分なので更に走行を続けます。
一般道を約2時間走行して計測
気温は34度から36度に上昇し、この日の最高気温付近に到達しています。
この状態での結果は以下のようになりました。
タイヤ | 外気温 | タイヤ温度 | 走行前 | 走行後 | 上昇率 |
---|---|---|---|---|---|
フロント | 38.3度 | 56.5度 | 250kpa | 270kpa | 約8% |
リア | 37.1度 | 55.8度 | 280kpa | 295kpa | 約5% |
結果はフロントタイヤが約8%上昇し、リアタイヤが約5%上昇でした。
すぐ10%くらい上昇すると聞いてましたが、そこまでは上がりませんでしたね。
確かに暑い日ではありましたが、湿度の関係なのか風の影響なのか、
我慢できないほど猛烈に暑いという感じではなかったので、
照りつけるような高温日だともっと上がるのかも知れません。
次は高速道路を走行してみます。
高速道路を走行して計測
残念ながら高速道路は頻繁に停車できないので、約90分走行したところで計測します。
流れに沿って走行車線を走り、遅いクルマに追いついたら追い越すような走り方です。
オンボードコンピュータに記録された平均速度は約71kmでした。
日本の高速道路における平均的なスピードで走れていると思います。
交通の流れはまずまず良好な日でした。
タイヤ | 外気温 | タイヤ温度 | 走行前 | 走行後 | 上昇率 |
---|---|---|---|---|---|
フロント | 35.8度 | 68度 | 250kpa | 280kpa | 約12% |
リア | 34.9度 | 66度 | 280kpa | 305kpa | 約9% |
結果、計測値は約9~12%の上昇でした。
感覚的にはもっと上がっていると思ったんですが、
それほどでもなかったというのが率直な感想です。
ただ、その日の気温とタイヤによっては20%近く上昇することもありそうで、
真夏の暑い日は最大値くらいまで空気を入れるのは危険かも知れません。
タイヤ温度も暑い時間帯だと70度超えするようなので、
冬の感覚で空気圧調整しないほうがいいですね。
ちなみに外気温が下がっているのは夕方に近づいたためです。
ミシュランはタイヤが暖まっているときは推奨空気圧+30kpaに設定し、
タイヤが冷えたら再調整することを勧めてますが、
拙い今回の検証結果を見てもその考えは理に適っているように思えます。
表に記載した外気温はタイヤハウス横の温度をデジタル温度計で計測してますが、
フロントタイヤ横は計るたびに温度が上昇する傾向にありました。
これは停車したことでエンジン熱が周囲に拡がるためだと思われます。
公平性を保つため、すべて停車直後に計測した一回目の温度を記載しています。
まとめ
タイヤの空気圧は指定値くらいに設定しておくのが理想ですが、
空気圧不足になるのを嫌ってやや高めに設定してる人も珍しくありません。
ただ、極端に暑い日などは必要に応じて空気を抜くことも考えたほうが良さそうです。
あまりに暑いと空気圧が過度に上昇してしまいますね。
今回は計測のために一般道路から高速道路までそこそこの距離を走りましたが、
運転して感じるクルマの挙動などはとくに変化なかったです。
とくにタイヤが張ってるようにも感じませんでした。
これは検証に使ったタイヤが高価なBMW承認タイヤだったというのもありそうです。
もしかしたら海外製の格安タイヤなどだとまた違った印象や結果になるのかも知れません。
最後までお読みいただきありがとうございました。
多少なりともこの検証が何かの参考になってくれれば幸いです。
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