水垢、ウォータースポット、イオンデポジット…
クルマに乗っていると避けられない厄介な汚れや傷みはたくさんあります。
こういった汚れに頭を悩ませている人も多いんじゃないでしょうか?
今回は水垢汚れへの効果的な対処法について検証してみたいと思います。
クルマ汚れは避けられない
クルマはがんばって洗車していてもどうしても水が原因の汚れが付着してしまいます。
とくに黒色や紺色などの濃色車は回避が困難です。
白色のクルマも黒い水垢汚れなどが目立ってしまいますね。
これらを完全に避けるのは不可能に近いです。
そこで多くの方は市販されてるケミカル剤を用いてケアをされてると思いますが、
はっきり言って一般向けに市販されてるケミカル剤で綺麗になるクルマはごく僅かです。
本当に初期症状であれば落とせるかも知れませんが、
そもそもその程度なら弱酸性や弱アリカリ性のカーシャンプーでも落とせるような気がします。
実は強力な水垢汚れの対処となると選択肢は以下の二つしかありません。
強力なケミカル剤を使用して分解する
ポリッシュ(研磨)する
この中で研磨するという方法は素人が手を出すのは危険です。
それにまずはケミカル剤で分解洗浄する方法をトライしてみて、
それでダメなら研磨するというのが正しい対処法です。
しかし、いきなり強力なケミカル剤を使うなんて…
と思われますよね。
それも一理はあります。
クルマのボディケアは段階的に「弱」から「強」へシフトするのが正道です。
愛車を傷めないためです。
ただ、プロはいきなり「強」から入ることもあります。
そこが素人とプロの違いですね。
一般人はプロの真似はしないほうが安全です。
洗車のプロは高い技術を持ち、豊富な経験を重ねているだけでなく、
優秀な洗車道具も揃えています。
そしてその道具を効果的に使うスキルも持っています。
一般の洗車マニアでは太刀打ちできない領域なので、
プロと同等の洗車レベルを目指すのは物理的に難しいと思います。
強力な一般市販製品を使う
水垢落としとかイオンデポジット消しみたいな製品はたくさん市販されてますが、
おそらくほとんどの製品が綺麗には落とせないと思います。
これは多くの方が実感されてるんじゃないでしょうか?
どうしてなのか?
その理由は簡単です。
成分が薄くて弱いんです。
しかし、「薄くて弱い」ということは失敗するリスクも少ないです。
早い話しが塗装を傷める危険性が低いということです。
市販のケミカル製品は綺麗に落とすことよりもやはり安全性を重視しています。
ただ、それで良い結果を得られなかった人は次にどうするでしょうか?
多くの方が他社のライバル製品に手を出したり、
違う性質の製品を試そうとするんじゃないかと思います。
しかし、これはあまり賢い選択ではないかも知れません。
同じような性能の製品をいくつ使っても結果は同じだからです。
別の言い方をすると余計なお金を使ってるということですね。
ではどうするのがいいのか?
一番強力な製品を使ってみましょう。
もちろん強力な製品は注意事項が増えます。
施工も複雑で難しくなったりします。
それでも効果が怪しい普及品の製品をいくつも買って使うよりは正しい方法だと思います。
どのメーカーも製品ラインナップの中に強力さをアピールしてる製品があります。
一般市販製品にしては少々高いと思いますが、これらを使ってみましょう。
個人的な意見ですが、比較的リンレイ製品は一般向け製品にしては強力なものが多い印象です。
限りなく業務用に近い製品もありますね。
勇気を出して業務用製品を使う
あらゆる一般市販製品を使っても汚れが落とせないと以下の選択肢を検討することになります。
プロ業者に依頼する
業務用スケール除去剤を使ってみる
プロに依頼するというのはもっとも安全で確実な方法だと思いますが、
そのための費用はそれなりの金額になってしまいます。
お金で解決するというと聞こえが悪いですが、
あまり洗車スキルの高くない方ならそれがベストだと思います。
しかし、多少なりとも経験を積んでいる方ならもう一つの方法を試してみる価値はあります。
業務用製品の使用です。
業務用のスケール除去剤なんて聞くと怖いと思う人がいるかも知れませんが、
実際はそこまで危険な製品ではありません。
中には一般向けの市販製品より安全な製品だってあります。
もちろんマニュアルに沿って正しく施工する必要があるのは言うまでもありませんが、
それは強力な市販製品だって同じです。
むしろ業務用製品は無駄な成分が入っていないことが多いです。
経験豊富で詳しい方はご存知だと思いますが、
一般市販製品の多くは除去成分とは別に洗浄剤が多く含まれています。
製品を振ってみるとよくわかります。
一気に泡立って来ると思います。
しかし、多くの業務用スケール除去剤は振っても泡立ちません。
余計な成分が入っていないからです。
水垢汚れなどの除去だけを目的としてるので当然といえば当然です。
普通の汚れを落とすことなんか考えていないです。
これを読んで「うんうん、そうだ」とわかる方はかなり洗車慣れしてる方だと思います。
実はこの洗浄成分が施工する上では邪魔なんです。
この手の商品は施工するとヌルヌルとした成分が被膜を作ります。
使用説明では「施工後、よく水洗いして流してください」などと書かれている思います。
確かに洗浄成分が入っているので普通の汚れも落としてくれます。
しかし、本来の目的である水垢やウォータースポット、
イオンデポジットを消す作業にはこの洗浄成分はまったく貢献していません。
それどころかこのヌルヌルした被膜がイオンデポジットなどを隠してしまうため、
施工上、もっとも確認したいターゲットを目視することができなくなってしまいます。
それにこのヌメリの中に酸性成分やアルカリ性成分が残ってしまって危険です。
めちゃくちゃ作業性が悪いんです。
ウォータースポットは肉眼で見てもわかるくらいに表面が凹んでいます。
こういう状態になったらどんな優れたケミカル製品でも対処は困難です。
多少の改善はできますが、根本的には研磨しないと無理です。
よく言われる言葉ですが、「深追いは禁物」です。
下手なことをすると致命的に塗装を傷めてしまいます。
このレベルに達していたらプロに依頼したほうがいいと思います。
プロ用スケール除去剤もたくさんのメーカーから販売されてますが、
とても支持者が多いのがプロヴァイド製品やガンバス製品でしょうか。
一般人でも入手可能ですが、基本的にメーカーへの直接注文になります。
街のカーショップやホームセンターでは手に入れることができません。
硬化型ガラスコーティングは不要?
これはカーケア界における結構な闇と言っても過言ではありません。
多くの自動車販売店はコーティングも有力な販売商品に加えてますし、
世間ではコーティング施工を専業としてる会社もあります。
自動車雑誌などにも大きな広告を出しています。
普通に考えれば「要らないんじゃない?」なんて口が裂けても言えないことはわかると思います。
私の実家も自動車販売や整備の会社を経営しています。
某高級ドイツ車の正規ディーラーなどもやっています。
だから私もその立場だと言えないです。
どんな強力なコーティングも水垢汚れは絶対に付着します!
水洗いだけで〇年間大丈夫なんてあるはずありません!
普通に考えればわかることです。
高価なコーティングを全面否定するつもりはありません。
犠牲被膜になってくれる効能は確かにありそうです。
問題はその犠牲被膜に何万円も出すのが正しい選択なのか?ということです。
もっとはっきり言ってしまうと自分で簡易コーティングを施工すれば十分だと思います。
もちろん硬化型ガラスコーティングにも得手不得手や優劣はあるようです。
すごくボディ表面の保護に強いコーティング剤もあります。
水関係の汚れに強いコーティング剤もあります。
宣伝記事ではないので製品名は出しませんが、検索すれば誰でもわかると思います。
拭き上げタオルなんかで有名な会社の製品は確かに効果が高いと思います。
私自身は硬化型コーティングの肯定派です。
ここ10年くらいに買ったクルマはすべて施工しています。
ただ、私はあくまでも最後の最後に塗装を守るための犠牲被膜だと割り切っています。
そのコーティング自体が傷んで見苦しくなったらすっぱり諦めて落としています。
するとその下には見事に守られた塗装面が残っているものです。
業務用製品は高い?
それでは業務用スケール除去剤というのは高いんでしょうか?
一般的に広く知られた製品だとキーパーさんの製品やプロヴァイドさんの製品なんかが有名です。
他にもガンバスさんのリブートなども愛用者が多いです。
これらの製品は基本的に洗車のプロが仕事用として施工に使っており、
一度でも使ったことがある方なら一般市販製品とは効果が段違いなことはわかると思います。
ただ、一般人でも購入は可能ですが、入手がやや難しく購入価格も安くないのは事実です。
一般向けの製品と業務用の製品を比較してみましょう。
【一般市販製品の特長】
価格が安い
入手性がよい
施工手順は簡単なものが多い
除去効果は限定的
除去効果が低いため繰り返しの施工が必要
溶剤の成分が弱いので塗装にやさしい
【業務用スケール除去剤の特徴】
やや価格が高い
入手性が悪い
遵守事項は多いが施工自体は市販品と変わらない
除去効果が高い
溶剤が強力なため少量で施工可能(経済的)
溶剤が強力なため失敗すると少々危険
製品にもよりますが、価格は一般向けの製品群と比較すると2~3倍はしますね。
但し、確かに製品単価は高いので初期投資は必要ですが、
むしろ施工に使う使用量が少ないので最終的なコストは市販製品より低くなりやすいです。
ただ、容量比で見るとどうしても高く見えてしまいます。
(例)市販製品=500mlで1,500円
(例)業務用製品=300mlで7,000円
しかし、一般製品が一回の施工に50mlくらい必要と仮定すると、
業務用製品は5~10mlくらいしか使いません。
もちろん製品の特性や使用方法によって施工での必要量は変わりますが、
概ね、上記のようなイメージだと思います。
つまり施工必要量で比較すると同等かむしろ安いのが実態です。
これは実際に使用してみると体感ですぐ理解できます。
そしてもっと大事なことは得られる除去効果がまったく違うということです。
遠回りしないのが経済的
一般の市販品でも業務用製品でも最初から強力な製品を使うほうが無駄使いしなくて済みます。
とくにカーケア製品は化学製品なので価格がまともに製品の品質に直結しやすいです。
高い製品は製造コストがかかっているから高く、安価な製品はやはりそれなりです。
また、洗車ケアに深い知識があるかどうかで初期診断の精度も決まります。
スキルのある方が見れば、軽症なのか重症なのかすぐ判断できます。
重症と判断されたら最初からやや高価で強力な製品を使うほうが結果的にリーズナブルです。
それに無駄な作業を重ねて塗装を傷めてしまうリスクも下がります。
プロ洗車サービスの利用
洗車専門店へ行くと「このコースが無難です」などと高いコースを勧められることがあります。
中には単に儲けようと不必要なコースを勧めるぼったくり店もあるかも知れませんが、
多くの場合はプロから見てそれが妥当だと判断されてるケースだと思います。
洗車に詳しい方なら「やはりそうですか…」と納得できるんじゃないでしょうか?
少々、施工料が高いかも知れませんが、高い結果を得られます。
自分で下手をやってクルマを傷めるリスクもなくなりますし、
洗車慣れしてる方でも「自分の手に負えない」と感じたらプロに依頼するほうが早いです。
まとめ
「水垢」、「イオンデポジット」、「ウォータースポット」というのは強敵です。
普通の水洗いやシャンプー洗車などで対処できるものではありません。
軽症なら一般市販製品で除去を試みる
重症なら強力なスケール除去剤を使ってみる
手に負えなければプロに相談する
クルマの塗装面は多くの方が思っている以上に傷みやすいです。
一番避けなければならないのは素人処理で塗装面を傷めてしまうことです。
塗装面が物理的に傷んでしまったら板金屋さんの手を借りなければ綺麗には戻せません。
くれぐれも深追いし過ぎないよう注意しましょう。
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