BMWの主力車種である3シリーズセダンにはたくさんのライバルがいます。
ベンツCクラスやアウディA4、レクサスISなどが浮かびますが、
意外や意外、身近にも手強いライバルがいます。
それがBMW4シリーズグランクーペです。
にほんブログ村BMW4シリーズとは？
BMW4シリーズというクルマはF系から登場した新シリーズです。
E系までのBMWは4ドアセダンも2ドアクーペも同じ3シリーズモデルでしたが、
2012年に登場した新しいF系3シリーズには4ドアモデルしかなく、
2ドアモデルはラインナップされませんでした。
しかし2013年に3シリーズクーペの後継として4シリーズクーペ（F32）が登場し、
翌2014年には新たに4ドアクーペモデル（F36）としてグランクーペも登場しました。
BMW4シリーズの誕生です。
プラットフォームは同じクルマ
この新しい4シリーズは3シリーズと同じプラットフォームから作られるクルマで、
当然ながら基本スペックはまったく同じです。
搭載されるエンジンやミッションといった機械部品も共用で、
言うなればモノコックに架装されるボディだけが違うクルマといえます。
4ドアセダンと2ドアクーペの違いはあきらかですが、
4ドアグランクーペの立ち位置とは一体どんな感じでしょうか？
ちょっと考えると3シリーズセダンと似たクルマではないでしょうか？
諸元を比較してみます。
BMW320iセダン（F30）
サイズ :4,625mm × 1,800mm × 1,440mm
ウェイト:1,540kg
トレッド（前／後）:1,525mm/1,565mm
BMW420iグランクーペ（F36）
サイズ :4,640mm × 1,825mm × 1,395mm
ウェイト:1,610kg
トレッド（前／後）:1,545mm/1,595mm
420iグランクーペは320iセダンより若干大きくて重く、
幅広くて車高の低いクルマであることがわかります。
実車の見た目はそれ以上に印象が違い、420iグランクーペのほうが圧倒的にワイド＆ロー感が強く、
どっしりした印象があります。
見た目は420iグランクーペのほうがカッコいいかも知れませんね。
セダンに対するグランクーペのメリット
そんな420iグランクーペと従来から定番の320iセダンでは何が違うでしょうか？
この両車、実は乗ってみるとすぐ違いがわかります。
320iセダンがあくまでも普通の乗用車っぽいのに対し、
420iグランクーペはずっとラグジュアリーでスポーティーなクルマです。
私も初めて乗り比べたとき「こんな違うの？」と思ったものです。
また、背の高い3シリーズに対して4シリーズは車高が低く、やや重心も低いです。
この低さから来るメリットはスタイルの良さだけでなく、
走りにもその違いが現れます。
420iグランクーペはかなりスポーティーなハンドリングを持っています。
おそらくステアリングの制御プログラムも別物だと思います。
走行フィールの違い
そんな320iセダンと420iグランクーペでは走りにどんな違いがあるんでしょうか？
320iと420iはエンジンやミッションなどはまったく同じです。
駆動系以外でもこの両車は共通部分が多く、
クルマとしては見た目以外は同じクルマだといっても過言ではありません。
N20型エンジンとB48型エンジンってどっちがいいの？
320iも420iも前期型はN20型エンジンで、
後期型はB48型エンジンです。
どっちのエンジンがいいのかは意見が分かれてますが、
普通に考えたら新しいB48型のほうがブラッシュアップされた良いエンジンだと思います。
ただ、両エンジンをバラしてOHした経験のあるメカニック士に聞いたところ、
「N20型エンジンのほうが作り込みがしっかりしてる印象です。」
とは聞きました。
B48型エンジンのほうがコストダウンされた箇所は多いんじゃないでしょうか？
しかし乗ってみると両車にはかなりの違いがあります。
不思議と320iセダンより420iグランクーペのほうが軽快感があるんです。
これは両車の重心の違いやトレッド幅の違いが大きく影響してるようです。
BMW3シリーズセダンはセダンとしてはかなり着座位置が低く、
国産セダンなどから乗り換えるとまるでスポーツカーに乗ったような感覚になりますが、
420iグランクーペはそれよりさらに一段と低い感覚に包まれます。
BMWは元来どのモデルもスポーティーなクルマではありますが、
4シリーズグランクーペは3シリーズセダンの良さを残したまま、
スポーティー感を倍増させたようなモデルなんだと思います。
人気のグランクーペモデル
このグランクーペは4シリーズ以外の2シリーズや6シリーズ、8シリーズにも展開されており、
今ではBMW各ラインナップのスポーティーな4ドアモデルの顔となっています。
実用性能ではセダンモデルに敵わないグランクーペモデルですが、
BMWのようなクルマは実用性より走りやスタイルを重視するファンも多いことから、
世界中で高い人気と支持を集めています。
中古車の販売価格
基本が同じクルマである3シリーズと4シリーズですが、
クルマとしてのキャラクラーの違いもあって販売価格はちょっと違います。
全体に4シリーズのほうが高めに設定されていて、
レザーシートなど高額なオプション装着車も多い印象です。
これはやはり実用車としての性格が強い320iセダンと、
ラグジュアリーカーの420iグランクーペの違いでしょうか。
中古車の販売価格も320iセダンより420iグランクーペのほうがやや高い傾向にあります。
これは420iグランクーペのほうが圧倒的に台数が少ないことも関係ありそうです。
また、320iセダンは派手さを抑えた装備のクルマが多いのに対して、
420iグランクーペは内装が赤や白の革張りといった派手なクルマが多い印象です。
【最新中古車価格情報】
昨今の半導体不足の影響で中古車の販売価格は高騰気味ですが、
そうはいってもそれなりに価格が下がっている320iに対して、
420iは高値安定傾向にある気がします。
最新の中古車相場だと少し両車に差が生じてしまっているかも知れません。
同年式で同等くらいの評価車比較で最大100万円近い価格差も出ています。
メンテナンスコストは同等
クルマとしてはやや印象の違う320iセダンと420iグランクーペですが、
機械的な中身はほぼ一緒なのでメンテナンスにかかる費用はほぼ同等です。
正規ディーラーでの整備料なども同等に設定されていますし、
さまざまな交換パーツ類も同じ品番のパーツが多くコストは同等です。
全体的な維持費は同じと考えて良さそうですが、
外装パーツの価格は4シリーズモデルのほうが少し高めの価格設定になっているようです。
まとめ
似て非なるクルマである320iセダンと420iグランクーペですが、
クルマとしてどっちがいいんでしょうか？
クルマとしての走行性能はほぼ同じ両車ですが、
普遍的なセダンが好きな人には派手な印象の420iグランクーペは苦手なクルマかも知れません。
それに同じ4ドア車といっても実用性は遥かに320iセダンが優れています。
車高の違いもあって乗降性も全然違います。
逆に人と違うクルマが好きな人は数の少ない420iグランクーペのほうが向いてると思います。
街中での遭遇率が全然違います。
4シリーズは都市部でもなかなか見かけませんね。
420iグランクーペはセダンの実用性にちょっと何かを足したようなクルマだと思います。
スポーティーなクルマ作りが得意なBMWらしいクルマなんじゃないでしょうか。
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