もう10年以上前、親しいご近所さんの自宅ガレージからランクルが盗まれる事件がありました。
その地域は極めて閑静で治安が良く、自動車盗難事件が起きたことは衝撃となったものです。
最近そのご近所さんが新型アルファードを購入しました。
あの盗難率の高いことで有名な大変危険なおクルマです。
ウソみたいな自動車盗難事件
地域の自治会でともに役員をしていたAさんは建売の戸建てに住んでおり、
ガレージには奥さんのトヨタアクアと真新しいランドクルーザーが収まっていました。
Aさんの自宅はそれほど大きな敷地を持つわけではなく、
住んでいる建物の真横に併設される形でガレージが設置されており、
まさかこのガレージから愛車が盗まれるなんて夢にも思わなかったそうです。
なにしろ家人がクルマのドアを開け閉めすれば音ですぐわかるような近さであり、
エンジンをかければ嫌でも排気音が住居内まで響きます。
しかし、そんなガレージからランドクルーザーが姿を消しました。
盗まれたのは深夜で、当初は犯行時間などもまったくわからなかったようですが、
後に警察の捜査で近隣の防犯カメラ映像から深夜3時ころの犯行だったことがわかります。
つまりAさん宅のような静かで閑静な住宅街であっても、
人間が深い眠りについている時間帯なら窃盗犯は躊躇せずエンジンを始動させて、
極めて短時間でクルマを盗んでしまうことがわかったものです。
ガレージの防犯対策を実施
当時からランクルが盗まれる事件は日本中で多発してましたが、
それは無人になる月極駐車場などで発生しているものと思われていました。
しかし、実際は住人がすぐ真横で寝ているようなガレージからも盗まれることがわかり、
Aさんは遅ればせながら防犯対策を施します。
人感センサーライトの設置
防犯カメラ(ダミーカメラ)の設置
ガレージチェーンの設置
定番の防犯対策ばかりではありましたが、とりあえず必要な装備として導入しました。
しかし、防犯グッズを購入した店舗のスタッフさんから、
「この装備では本格的な窃盗犯からクルマを守るのは難しいです」と聞かされます。
相手も窃盗のプロであり、とくに防犯カメラなどは気にしない傾向にあり、
この程度の対策では完璧とは言えないというものでした。
それにどれほど精巧な製品でもダミーカメラは見抜かれやすいことも知らされました。
また、窃盗犯が嫌がるのは瞬時に反応する防犯グッズだと教えられ、
その場で音や光を発して反応する防犯対策が必須であることも聞かされます。
自動車盗に限らずプロの窃盗犯は防犯カメラに映像が残ることは想定内で、
一定の抑止力にはなるものの、完璧な対策とはならないようです。
アルファードを狙う不審人物
今回、Aさんが購入したアルファードは極めて自動車盗難件数の多いクルマです。
最新の盗難防止機能を持つアルファードでも危険性が高いと考えてましたが、
予想以上に早く不審者が現れます。それは納車からわずか3日目でした。
購入したディーラーからもこのクルマは盗難事件が多発していると聞かされてましたが、
まさかこれほど早く危険な兆候が現れるとは思ってなかったそうです。
不審者は複数人数で、一見するとどこにでもいる若者風に見えたそうです。
この不審者に気づいたのは奥さんで、あきらかに駐車車両やガレージをチェックしていました。
もちろん自動車を狙っているという明確な証拠はありませんが、
顔を隠して他人の家のガレージを覗き込むような動きは不審にしか感じなかったそうです。
以前、ランクルを盗まれたときの犯行時間がたった数分であったことから、
ちょっとでも目を離せば短時間で盗まれてしまう可能性があることはわかっていました。
しかし、現実的に四六時中クルマを見張っているわけにもいきません。
事前に不審者の出現を察知できたのはまだ幸いでした。
待ったなしの状況に追い込まれたのですぐ対策強化に動きます。
ガレージの防犯強化
不審な人物が出現したことから新たな対策を考えるわけですが、
専門業者からも今のところ窃盗を完璧に防いでくれる盗難防止装置は存在せず、
結局のところオーナー自身の力で防ぐしか方法がないことを知らされます。
ただ、何らかの方法で窃盗犯を驚かせる仕掛けは一定の効果があり、
Aさんはまず「音」を使った対策を実施します。
これはセンサーで反応して警報音を発する装置で、
一般的に警報音が鳴り響けば犯人は逃げ出します。
しかし、この装置は家人が出入りする際に切り忘れると音を発してしまったり、
不審者ではない自宅への訪問者にも反応してしまったりと、
ガレージ横に呼び鈴があるAさん宅のような構造の家屋には不向きで使い難い代物でした。
そこで以下のような対策を実施します。
強化ガレージチェーンに交換
エアタグをクルマに設置
本物防犯カメラを設置
重機を牽引できるくらい太いチェーンに交換しましたが、
当然ながら重くて苦労することになります。
しかしこれはかなり有効で、ちょっとしたチェーンカッターなら防げる強度がありました。
しかしこの重いチェーンは引き回すときに結構な音を発します。
閑静な住宅街に響き渡るジャラジャラという轟音はかなりの騒音でした。
最終的な対策
定番の防犯対策を施したAさん宅のガレージですが、
自宅周辺への配慮も考えて大きな音を出すような装置は使用を諦め、
定番の防犯対策+マル秘対策を実施します。
カーゲートの設置
ナイロン糸を張り巡らした警戒線の設置
定番防犯対策の最終兵器はなんと言ってもカーゲートの設置です。
このカーゲートは大半の自動車窃盗犯を撃退してくれます。
お金がかかりますし、スペースを要しガレージが狭くなる欠点はありましたが、
これの威力による安心度の高さは絶大で、施工できる最善策と思えたようです。
(後に庭の一部を削ってガレージ後方のスペースを拡大しています。)
そしてもう一つのマル秘対策がナイロン糸でした。
これは結論からいうとただクルマの周りに糸を這わせてあるだけなんですが、
糸の起点と終点に何か意味ありげなブラックボックスが設置されており、
一見、何か高度で特殊な防犯装置に見えます。
このアイデアは防犯グッズ専門店の店長からいただいたもので、
設置も簡単でとくにお金もかからないことから採用したようです。
実効性のあるアイテムではありませんが、それなりの威嚇にはなりそうでした。
ただゲートの設置でガレージは約30cmほど奥行きを失っているのに、
さらに糸を這わせるスペースが必要となって駐車スペースを狭めてしまってます。
それにクルマに乗るときは毎回撤去しなければなりません。
地味に厄介ですよね。
現在はオートリールを使って素早く引き回せるように改良されており、
ついでに糸を引っ張ると赤いLEDランプが点滅する仕掛けが追加されてます。
確かに知らない人には高いレベルの防犯装置に見えるものです。
この糸は多くの方から注目され、ご近所さんからも「あれは何?」とよく聞かれるそうです。
対策に要した費用
自動車の盗難被害はどんなに警戒や注意しても完全には防げないそうですが、
それでも厄介そうな対策が施されているガレージからの盗難は少ないようです。
やはり時間がかかることを嫌うのは家屋への窃盗犯と同じで、
クルマやガレージにお金をかけて対策を施すこと自体は決して無駄ではなさそうです。
ただ自宅ガレージへの防犯カメラシステム導入だけでも10万円くらいはかかりますし、
クルマへの高度な自動車盗難防止装置の設置にはもっとお金がかかります。
どこまでお金をかけるかはオーナー次第ですが、
今は新型車であっても標準装備されてる防犯機能が破られるのは時間の問題であり、
先手を打って対策しておかないと安心して眠ることもできません。
そこそこの費用がかかっているようですが、総計はいくらくらいだったんでしょうか。
アイテム | 備考 | 費用(概算) |
---|---|---|
人感センサーライト(2灯) | 配線工事費込み | 36,000円 |
人感センサー警報スピーカー | 配線工事費込み | 18,000円 |
ガレージチェーン(標準) | セルフ施工 | 20,000円 |
ガレージチェーン(強化型) | 施工費込み | 58,000円 |
ダミーカメラ | セルフ施工 | 5,000円 |
エアタグ | アップル市販品 | 5,000円 |
防犯カメラシステム一式 | 配線工事費込み | 135,000円 |
カーゲート | 施工費込み | 380,000円 |
(合計)657,000円 |
すべての費用をアルファード盗難対策費用とするのは合理的ではないかも知れませんが、
ここに記載していない小物などもあって、実際は約70万円ほどかかっているそうです。
人気車はそれくらいお金をかけないと安心して自宅駐車すらできない厳しい現実があるようです。
まとめ
今回は実際に自動車盗難に遭った経験者が再発防止のために投じた費用を教えてもらいました。
個人的には30万円くらいかな?と思っていたので予想以上に高かったですね…
それでも専門家に言わせると完璧ではないそうなので困ったものです。
それに最近は盗まれてしまうと簡単に代替のクルマが入手できない問題もあります。
おそらくアルファードなんて仮に損害が保険でケアされたとしても、
新たに注文した代わりのクルマが届くのは一年以上先でしょうね。
お金の問題だけじゃないのが現実です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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