新型クラウンに賛否の声が渦巻いているのはご存知だと思います。
とくに根っからのクラウンオーナーはかなり批判してる気がしますが、
どんなところを批判してるのでしょうか?
また、逆に称賛されている方はどんなところを称えているのでしょうか?
ちょっと整理してみたいと思います。
新型クラウンに対する批判
もっとも批判されているのはやはりデザインに対する不満のようで、
クラウンらしくないと考える方が多いようです。
主な批判の声をまとめてみました。
- クラウンにしては見た目がスポーティー過ぎる。威厳がない。
- クラウンを買うのは若者ばかりじゃない。あんなクルマに乗れっていうのか?
- クラウンといえばセダンだろう。なんでセダンが最初に出ないんだ?
- クラウンをプアマンズレクサスにしないでくれ。
- もう名前がクラウンってだけで中身は別のクルマ。クラウンを名乗らないで欲しかった。
やはり見た目が今風でスタイリッシュなことに対して称賛と批判が分かれたようで、
年配の現役クラウンオーナーからは総じて「クラウンらしくない」という声が上がったようです。
また、中にはプラットフォームが「GA-K」でカムリやハリアーと同じだと嘆く声もありましたが、
これはどこのメーカーも今やプラットフォームを2~3グレードで共用するのが当たり前で、
クラウンだけがコストダウンしたわけではありません。
しかもFF用プラットフォームとしては評価されているものでもあります。
ただ、これが「クラウンを名乗って欲しくなかった」という声に繋がっているのも事実で、
FF用プラットフォームを使っている時点でクラウンじゃないと考える人がいるのも、
クラウンの歴史を考えたら仕方ないことなのかも知れません。
これはなかなか難しい問題だと思います。
「生物の突然変異でもここまで変わることはないだろう…」
これが従来からのクラウンオーナーの本音のようです。
確かにあまりクルマに興味ない人にこの写真を見せたら誰もクラウンとは思わないでしょうね。
出典(画像のみ):トヨタイムズ公式
「なんでこれが最初に出ないんだ?
やっぱりクラウンのメインはセダンだろう。
流行に踊らされてSUVなんか出してるんじゃないよ!
百歩譲ってSUVがあってもいいが、なんでそっちがメインなんだよ。」
既存クラウンオーナーの本音のようです。
出展(画像のみ):トヨタイムズ公式
新型クラウンに対する称賛
厳しく批判する声もありますが、逆に称賛する声も上がっています。
今度は新型を高く評価してる人たちの声を拾ってみましょう。
- 時代の流れに逆らわず生き残ってくれたことに感謝。
- ポルシェがカイエン出したときも批判した人がいたが、今はどうだ?
- これからはもう「クラウン=セダン」じゃない。
- まだ手の届く値段で出してくれてありがとう。
- 選択肢が増えたんだから評価していいと思う。
やはり比較的若い人はSUVクラウンに抵抗がないようで、
擁護するコメントが多い印象です。
また、コストダウンについては多かれ少なかれほとんどのクルマの新型車に見られることなので、
あまり気にしない人もたくさんいるようです。
確かにポルシェがカイエンを出したときの衝撃はSUVクラウン発表の比ではなかったと思います。
そしてそのカイエンがポルシェ一番の稼ぎ頭になるといつしか批判の声は消えていきました。
また、カイエン以降、世界中のメーカーがスポーツSUVを発表し追従したのは周知のとおりです。
まぁ、ポルシェとクラウンはブランドも価格もまったく違うクルマではありますが…
話題の新型レクサスRXもコストダウンされてると騒がれてますが、
それはベンツやBMWの新型も一緒なのかも知れません。
あちらの世界でも同じようなことが話題になってるようです。
価格については評価してる人が多い
今回の新型クラウンは400万円台~600万円台という価格レンジで登場しました。
クラウンはEセグメントのクルマであり、
このセグメントのライバルと競合するクルマになりますが、
その代表格といえばやはりベンツEクラスやBMWの5シリーズです。
セダンの価格になってしまいますが、これらの販売価格は以下のようになります。
ベンツEクラス 814万円~1,212万円(AMGモデル除く)
BMW5シリーズ 768万~911万円(M550、M5を除く)
単純に価格で比較するとまったく競合しないと思います。
とくにベンツEクラスは来年2023年に新型が登場するといわれており、
更に価格が上昇する可能性があります。
この価格差を考えたらクラウンがいかにリーズナブルにがんばっているかがわかります。
これを評価する人がいるのは当然かも知れません。
現実的にはEセグメントではなく、DセグメントのCクラスや3シリーズと競合しそうですが、
それと比べても価格は有利(安い)といえます。
ベンツCクラス 599万円~682万円(AMGモデル除く)
BMW3シリーズ 510万円~685万円(M340、M3を除く)
もちろんベンツやBMWという輸入車とクラウンを比較するのはフェアではないと思いますが、
あくまでも販売価格という視点で比較するならクラウンはがんばっているのではないでしょうか?
さらにベンツやBMWは選択すべきオプション装備の幅が広いため、
実際の実売価格ではさらに差が拡がる可能性が高いです。
まとめ
今回の新型クラウンは間違いなくクラウンの新型後継車なんでしょうが、
個人的には新型クラウンというより新世代クラウンといったほうがしっくり来る気がします。
もともとクラウンは現行15代目で消滅という噂が絶えないクルマでした。
実際に現行クラウンに乗っている方々も、
「今さらカムリってわけにもいかないし、次はレクサスしかないのかな」
と考える人たちが多かったようです。
30年以上クラウンを乗り継いで来たベテランクラウンオーナーの方がいってました。
「SUVだろうが、FF(ベースのAWD)だろうが、
とりあえずクラウンという車名が残ったことにはホっとした。」
そういう人も多いのではないでしょうか?
コメント
クルマ単体で見るなら、格好は良い。
けど、それが「クラウン」と名乗った瞬間から、腹が立つ。
今までの「クラウン像」に起因する…と思う。
先代S220系クラウンは、GA-Lプラットフォームの先陣を切る役目だったので、
ニュルブルグリンクでテストを行うほど気合が入っていたのが…
GA-Kプラットフォームを改良して使うのであれば、「豪華でパワフルなカムリ」でしかない。
じゃ、何のためにGA-Lプラットフォーム作ったの?
ISやZ34のように、型式が変わらない限度いっぱいのモデルチェンジすれば良かったのでは?
私も試乗させていただいた際に一番感じたのは「クラウンじゃなくても良かったのでは?」でした。
現在、GA-Lプラットフォームは完全にレクサスFRモデル用みたいな扱いになってますね。
新型クラウンのセダンだけGA-Lプラットフォームを使ったモデルで出すという噂がありますが、
それならセダンだけが「クラウン」を名乗れば…という意見も出そうです。
先代クラウンがあれほどしっかり作られた良いクルマだったので、
このまま捨て去ってしまうのはもったいない気はしますよね。