電気自動車へと舵を切ったはずのFIAT 500ですが、早々にガソリンエンジンが復活します。
ただし、純ガソリンエンジンではなくハイブリッドエンジン搭載モデルの登場なので、
かつてのツインエアエンジンや1.2Lエンジンが復活するわけではありません。
それにしてもなぜこんな早い段階でこんな事態になってしまったんでしょうか?
高すぎて売れなかった500e
EV車の500eは販売開始当初から「ちょっと高い!」って声が溢れてましたが、
世間の予想通り、あまりに高すぎて売れませんでしたね。
なにしろ2024年の段階で早くも在庫過剰となってしまい生産調整してましたからね…
フィアット社は今回のガソリンエンジン復活について公式にはコメントしてませんが、
コメントしたくても何も言えなかったんじゃないでしょうか…
500eが売れなかったことでかなり早い段階で方針転換を決めていたものと思われます。
そうでなければ2025年に新モデルの登場発表なんてできないでしょうからね。
もう会社としても「待ったなし」だったんでしょう。
とにかく500eは世界中で売れてないようです。
日本国内ディーラーでも行き先のない新車在庫が溢れてますね。
かなりの値引き価格で「販売中」となっているのが現実です。
もともとハイブリッドモデルは存在した!
日本には未導入でしたが、もともとFIAT 500にはハイブリッドモデルが存在してました。
今回の発表はその生産復活だと言われており、完全新規で開発したモデルではなさそうです。
ただ、少なくとも外観に関してはリニューアルされることは確実で、
モダンな500e系のフェイスを与えられたモデルになりそうです。
おそらくかつてのハイブリッドモデルをベースにしつつも、
各部をリファインしてニューモデルの雰囲気を纏った「新500」にはなりそうです。
これは先行登場した「600ハイブリッド」からも明らかですよね。
ちなみに搭載されるエンジンスペックは次のとおりとなっています。
1リッターの3気筒ファイヤフライマイルドハイブリッドエンジン
これはかつての500ハイブリッドやパンダハイブリッドと同じ内容なので、
若干の仕様変更や改良・改善が施されてるかも知れませんが、
カタログ上のスペックに大きな変更はなさそうですね。
かつての500ハイブリッドはマイルドハイブリッドモデルでしたが、
今回発表となった新しいハイブリッドモデルも同じ形式になりそうです。
ベースエンジンはなんらかの改良が施される可能性がありますが、
基幹システムやクルマの性格自体は似たモデルになりそうですね。
ちなみに旧ハイブリッドモデルは装備を限定した廉価版扱いのモデルで、
ポーランドの工場で生産されてました。
価格は欧州現地で500eの約半額である15,000ユーロほど。
対して新しいハイブリッドモデルはイタリアの工場で生産される予定で、
目標として欧州価格で20,000ユーロ以下を目指しているようです。
既存オーナーの反応
純ガソリンエンジン車であるFIAT 500の既存オーナーはどう思ってるんでしょうか?
素直にガソリンエンジンモデルの復活を喜んではいますが、
新しいモダンフェイスを持つモデルの登場なのでそれほど興味はなさそうです。
やっぱり既存オーナーの多くはあのレトロ感が好きなんでしょう。
決して500eの外観が悪いというわけではないんですが、
旧ガソリンモデルのオーナーは見た目で当時の500を選んだ人も多いので、
現在のモダンな500eにはあまり興味がなさそうです。
正直、私も500eにはまったく興味なく、ツインエアからの買い替えなんて考えたこともないです。
多くの旧モデルオーナーは同じように考えてるんじゃないでしょうか?
かなり高いクルマになる?
この新しい「FIAT 500 ハイブリッド」の販売価格はどうなんでしょうか?
さまざまな報道で「高くなりそう」と言われてますが、
それは昨今の新車価格の高騰もあって「安くはならないだろう」という推測であり、
明確な情報と言うわけではなさそうです。
もちろん高いと言っても500eの約600万円なんて価格と比べたらかなり安くはなりそうで、
推定ながら300万円台と予想されています。
これはかつてのガソリンエンジンモデルとほぼ同等の価格であり、
個人的には「ほぼ価格据え置き」という表現が正しいのではと感じてます。
このあたりはやはり先行登場した600ハイブリッドの価格が参考になりますね。
こちらのベースモデルは約365万円(上位モデルは約419万円)ほどとなっています。
フィアットのハイブリッド方式はマイルドハイブリッドです。
トヨタHVみたいなストロングタイプではなく、軽くモーターでアシストするタイプです。
そんなに高額にはならない(はずの)ハイブリッドシステムですね。
マニュアルミッションのみ?
現時点ではまだ「500ハイブリッド」の公式な詳細情報が発表されてませんが、
さまざまな情報を整理するとマニュアルミッションのみの可能性もありそうです。
少なくとも当初はMT一本の可能性が高そうですね。
ただ、今や世界的にAT車が主流なのは間違いないので、
普通に考えて何らかのATミッション車が用意されるものと思われますが、
残念ながら今のところそういう話しがまったくないのも事実です。
新500ハイブリッドは500eのシャシにハイブリッドエンジンを搭載します。
これは他メーカーでも過去に前例のない構造を持つクルマで、
一説によるとデュアロジックなどを積むスペースはないようです。
アバルトはどうなる?
FIAT 500と直接関係はないんですが、アバルトがどうなるのか心配ではあります。
ご存知のとおりアバルトは「500ベース」の高性能モデルであり、
現行モデルは500e系をベースとしたEV高性能モデルとなっています。
(まだかつてのガソリンエンジンモデルの新車も手に入るみたいですが…)
アバルトオーナーは電気自動車モデルを好まない傾向が強いようで、
やはり迫力あるガソリンエンジンの咆哮が忘れられない人が多そうです。
このあたりはちょっとFIAT 500を購入する人々とは客層が違いますよね。
明確な情報はないですが、なんとなくハイブリッドアバルトも登場しそうな気はしてます。
ABARTH 500eについては売れてるとも売れてないともはっきりしてない感じがありますが、
少なくとも生産調整(一時生産中止)がされてるのは事実なので売れてないんでしょう。
あとがき
フィアット社がEV化を目指すと宣言したのは最近ですが、
当初から「厳しいのでは?」とか「売れなくなるんじゃない?」なんて言われてました。
今回のハイブリッドモデル登場はその声が正しかったことを証明してる感がありますが、
それにしては方針転換が素早く新型車の生産開始も激早です。
なんとなくEV車が売れなかったときに備えて予め準備されてたようにも思えますね。
本当のところはわかりませんが、手頃な価格でハイブリッドモデルが買えるのはいいことです。
この新しい「FIAT 500 hybrid」ですが、2025年11月から量産開始の予定となっています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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