かねてより噂されていた16代目新型クラウンが発表されました。
SUVモデル(クロスオーバー)が先陣を切るという過去にない展開です。
今回の新型クラウンはまずクロスオーバーが登場し、
今後一年半ほどかけて合計4つのモデルバリエーションが姿を現すそうです。
そして国内専売モデルであったクラウンがついに世界40ヵ国で販売されることになります。
世界市場で多くのライバルと直接対決することになりますね。
今回は価格的に競合しそうなベンツやBMWのSUVと比較してみました。
クラウンクロスオーバーとはどんなクルマ?
新型クラウンクロスオーバーの基本スペックを見てみましょう。
全長:4930mm
全幅:1840mm
全高:1540mm
ホイールベース:2850mm
WLTCモード燃費:22.4km/L(クロスオーバーG)、15.7km/L(クロスオーバーRS)
全長はラージサイズSUV並みですが、全幅はミドルサイズSUVくらいですね。
全高などはこれまでのSUVにはないくらい低いです。
クラウンは諸事情からずっと全幅1,800mmにこだわって来た歴史がありますから、
いきなり1,900mmなんてサイズにならないのは納得です。
ただ、率直な感想としては汎用性を求めすぎてサイズ的には中途半端な印象を受けました。
これが悪いほうにいかないといいんですが…
ライバルはベンツやBMW、アウディのSUV?
SUVは多種多様なモデルが乱立していてライバルも多いです。
クラウンはレクサスではありませんが、トヨタの高級車であることは世界的に知られているので、
国内でも海外でもいきなりそれなりのブランドと競合することになりそうですね。
外国製SUVだとどんなクルマとぶつかりそうでしょうか?
私が真っ先に頭に浮かんだのはベンツGLCとBMW X3、それとアウディQ5です。
厳密にいうとベンツならGLEとかがライバルなのかも知れませんが、
GLEになると価格的に差があり過ぎます。
この3車にレクサスRXを加えてクラウンクロスオーバーと比較してみましょう。
新型クラウン | レクサスRX | ベンツGLC | BMW X3 | アウディQ5 | |
グレード | クロスオーバーRS | RX450h | GLC220d | xDrive20i | 40 TDI |
全長 | 4,930 | 4,890 | 4,670 | 4,720 | 4,680 |
全幅 | 1,840 | 1,895 | 1,890 | 1,890 | 1,900 |
全高 | 1,540 | 1,710 | 1,645 | 1,675 | 1,665 |
最高出力 | 272ps/ 6,000pm | 262ps/ 6,000rpm | 194ps/ 3,800rpm | 184ps/ 5,000rpm | 204ps/ 3,800rpm |
車重 | 約1.9t | 約2t | 約1.9t | 約1.9t | 約1.9t |
ホイールベース | 2,850 | 2,790 | 2,875 | 2,865 | 2,825 |
価格 | 605万円~ | 638万円~ | 768万円~ | 675万円~ | 707万円~ |
どのクルマもグレードに幅があり厳密に比較するのは困難ですが、
やはりドイツ車勢はクラウンより少し高い買い物になりそうです。
今回はクラウンの上位グレードと各ドイツ車のベースグレードを比較してますが、
スペックを近づけてしまうとドイツ車勢は軽く200万円以上高くなってしまいます。
ましてベンツGLEやBMW X5なんかと比較すると倍近い価格差です。
現実的には上の表に掲げたクルマたちと競合することになるんじゃないでしょうか?
クラウンクロスオーバーの各グレード価格検証
こうして見ると新型クラウンがめちゃくちゃ価格面でがんばってるクルマというのがわかります。
内容を考えたらバーゲンプライスといっても過言ではないかも知れません。
ここであらためて全グレードを見てみましょう。
【2.5Lエンジン+モーターHV/AWD】
クロスオーバーX(435万円~)
クロスオーバーG(475万円~)
クロスオーバーGアドバンス(510万円~)
クロスオーバーGレザーパッケージ(540万円~)
クロスオーバーGアドバンスレザーパッケージ(570万円~)
【2.4Lターボエンジン+モーターHV/AWD】
クロスオーバーRS(605万円~)
クロスオーバーRSアドバンス(640万円~)
クロスオーバーXやGはかなり買いやすい価格になっています。
この価格なら例えばRAV4やハリアーの上位グレードを考えていた人も購入検討するかも知れません。
決して手が出ないほどの差ではないですね。
というかハリアーなんか思いっきり競合してますね。
従来からのクラウンオーナーはどう出る?
販売価格から考えればクラウンクロスオーバーは魅力的な選択だと思いますが、
上に掲げたベンツGLCやBMW X3を買おうとしてる人がクラウンに振り向くかは微妙な気がします。
なんというか、クルマの方向性が違うように感じます。
レクサスRXオーナーも同様ではないでしょうか?
問題は現役クラウンオーナーたちがどう動くかでしょうね。
現役クラウンオーナーたちはセダン乗りなので、
SUV版クラウンに興味を示すのかわかりません。
クラウンオーナーの平均年齢は60代だそうですが、
セダンに乗ってる60代の方々が今からSUVを買うでしょうか?
ちょっと難しい気がします。
そうなると従来からのクラウンセダン乗りの方々は新型クラウンセダンの登場を待ちそうです。
ただ、クラウンには若い世代のオーナーもたくさんいますので、
若い世代のクラウンオーナーは選択肢が拡がったことを喜んでいるかも知れません。
若いオーナーたちがどう動くのか、これから要注目ですね。
とにかくトヨタは面白くて興味深いクルマを出してくれたと思います。
4つのモデルを見てみましょう
ここで正式に発表されたクロスオーバーも含め、
16代目新型クラウンの各バリエーションモデルを眺めてみましょう。
クラウン クロスオーバー
クラウンらしいかは別として、これはなかなかカッコ良いのではないでしょうか?
ボディラインがちょっとフェラーリプロサングエに似てるような気がします。
しかし全高が低いですね。
従来のSUVとは違う雰囲気を感じます。
クラウン スポーツ
トヨタはスポーツSUVと呼んでますね。
販売価格が違うので競合することはないと思いますが、
ポルシェ・マカンみたいなキャラクターのクルマになりそうな気がします。
クラウン セダン
このモデルが従来からの伝統的なクラウンセダンの後継車になるそうです。
ぱっと見は4ドアクーペのように見えますね。
このあたりは現行クラウンの雰囲気に近い処理なんでしょうか。
公用車や社用車のニーズも満たすモデルだそうですが、
将来のパトカーもこれベースなんでしょうか?
白黒ツートンカラーも似合いそうですね。
クラウン エステート
個人的に興味があるのはこのエステートワゴンモデルです。
ベンツやBMWのワゴンモデルに対抗するため準備されたらしいですが、
見た目はあまりワゴンって感じはしないですね。
日本ではすっかりが人気が下火になってしまったワゴンですが、
欧米では相変わらず人気モデルなので外すわけにはいかなかったようです。
まとめ
今のような社会情勢のときに4つの顔を持つクルマを登場させるのは本当にすごいことだと思います。
しかも、ものすごくフルモデルチェンジが難しいクラウンです。
そのクラウンにこれほどの手を入れて来るとはトヨタの気合いを感じざるを得ません。
私は「いつかはクラウン」のキャッチコピーをリアルに知ってる世代ですが、
きっとこのクルマが新しいクラウンオーナーを誕生させること間違いないでしょう!
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