新型クラウンクロスオーバーの販売が開始されました。
おおむね好評だとは思いますが、一部からはやや悪い評価も聞かれます。
それはどんなところを指摘されているのでしょうか。
今回は実車を見て感じた率直な感想を書きたいと思います。
内装が豪華に見えない?
新型クラウンクロスオーバーで一番悪い声が聞かれるのが内装です。
私も生産車を初めて見たときは凄くチープに見えてしまいました。
どんなところがそう見えたのでしょうか。
内装がプラスチッキー?
現代のクルマなので内装にはプラスチックや樹脂が大量に使われています。
このクルマも外から覗き込むとプラや樹脂パーツがあらゆるところに使われていて目立っています。
しかし、どうもそのクォリティが期待を下回っているせいか、
これが悪印象を誘発してるようです。
正直、私も初見の瞬間はものすごく安物臭く感じてしまいました。
しかし、中に乗り込んでしっかり各部を確認すればそこまで悪いわけではないことがわかります。
もちろん素材はプラや樹脂が使われているのですが、
決して安物チックな未塗装プラや硬い樹脂ではありません。
実際はきちんと表面処理されたプラパーツやソフト加工された樹脂パーツが使われているんですが、
配色や見た目の質感があまり良くないのでどうも勘違いされてしまうようです。
トヨタディーラーのスタッフさんもその点を少し残念がってました。
決して極端に安普請された内装ではないのですが、
見せ方があまり上手ではないと思います。
少なくともクラウンという車名から来る高級感は感じなかったです。
本来、トヨタはそういうところの見せ方が凄く上手だったはずなんですが、
なぜかこの新型クラウンクロスオーバーは見た目がイマイチな仕上がりになってしまっています。
個人的にはMAZDA CX-60と真逆な印象でした。
ステアリングの質感があまり良くない?
次に気になったのはステアリングの質感です。
決して悪い素材で作られているわけではないのですが、
少々地味な見た目と感触が強すぎて「樹脂ハンドル?」と勘違いされてしまいそうです。
ステアリングはもっとも目に入り、一番触れるパーツです。
もう少し配慮しても良かったのでは?というのが偽らざる心境です。
もちろん大衆車のような質感ではありませんが、
高級車らしい見た目と質感があるとも思えないです。
このステアリングは評価が分かれそうな気がします。
とくにステアリングに配置されている各スイッチ類がペコペコな感触で、
これも高級感をスポイルしています。
ただ、オプションのステアリングヒーターは全周対応のようです。
これはさすがクラウンという感じでポイント高いと思います。
レザーパッケージはどうか?
実は一番残念だったのがこの新型クラウンのレザーパッケージだったかも知れません。
基本的にブラックが強調された設えで作られていますが、
これがどうにも見た目が悪いです。
どうがんばってもクラウンらしい高級感を感じないのです。
使われている素材はそれほど悪くないと思いますが、
とにかく見た目が貧相です。
ベンツベーシックモデルのARTICOレザー(合皮)の内装のほうが遥かに高級に見えます。
(これは合皮に見えないくらい高級感があることで有名ではありますが…)
もちろんベンツなどのレザー内装車と比較するとかなり厳しいです。
これはレザー内装そのものが悪いのではなく、
各部の細かなパーツに加飾が無さすぎるのが原因ではないかと思います。
大画面モニターナビにも残念なポイントあり
新型クラウンクロスオーバーで評価されているのが大画面ナビでしょうか。
12.3インチはレクサスも含む現行トヨタ車で最大サイズだと思います。
それはいいのですが、そんな大画面モニターなのに二分割表示に未対応なのは残念でなりません。
これはもしかしたら今後のバージョンアップで対応するのかも知れませんが、
少なくとも現状の表示機能はとても最新スペック車のレベルではないと思います。
これはトヨタ車しか知らない人はなんとも思わないかも知れませんが、
各メーカーのライバル車を知っていると手抜き感を感じてしまいます。
ベンツやBMWなどは運転する上で必要な情報の見せ方とか取り出し方をどんどん進化させてますが、
こういう部分がやや劣っていると感じられます。
ただ、メーターパネルに膨大な情報を表示できるようになっているのはポイント高いです。
逆にそっちが優秀なのでナビ画面モニターの貧相さが際立ってしまっている印象です。
しかしこのメーターパネルにも強いて苦言を呈すなら画面の切り替えが遅すぎます。
意図して遅くしているのかシステム的に遅いのかわかりませんが、
キビキビと情報表示を画面展開できるライバル車と比べると、
まるで低スペックパソコンを触っているような気分になってしまいます。
走行性能は優秀
静粛性は現行レクサス以上かも
走りの質感や性能は間違いなく秀逸です。
静粛性も優れていてとても高級感がありますし、重厚感もあります。
ボディ剛性というかクルマ全体の硬質感が日本車離れしていて、
これは既存のレクサスより確実に優れています。
(今後のレクサスはこれを更に一段高めたようなクルマ作りをされるそうです。)
とくに静粛性は想像以上に優れています。
走行中にエンジンが始動してもメーターパネルを見てないと気づかないくらい静かです。
この分野はトヨタ車すべてが優秀ではありますが、
そのトヨタ基準の中でもずば抜けてハイレベルな静かさだと思います。
変な振動もありません。
ブレーキタッチに若干の違和感?
個人的に若干気になったのはブレーキのタッチでしょうか。
効きが悪いとかそういうことではなく、
止まる寸前に何かペダルに微振動のような動きがあります。
これはどんなクルマでも安全制御などの介入が入るときに感じられるものですが、
なぜか新型クラウンは普通に走っていても似たような反応が起きています。
不快というわけではありませんが、少々気にはなりました。
レクサス歴の長い友人の話しでは似たようなタッチが見られるとのことなので、
トヨタ車のブレーキ制御の特徴なのかも知れません。
クルマとしての中身は優れているのに…
新型クラウンはこういった部分がかなり進化していることは間違いなく、
実車をしっかり見て乗ってみれば紛れもなく高級車だとわかります。
しかし、いかんせん目視できるわかりやすい部分の質感がイマイチなので、
クルマを見ただけだとその良さが理解されにくいクルマになってしまっています。
私は別にクラウン推しでもないですし、トヨタ自動車の回し者でもないですが、
新型クラウンが見た目で損するクルマになってしまっていることは特筆しておきたいです。
パッと見ただけの人が悪いインプレッションを書く可能性がありますので、
しっかりと自分の目で見て、そして触って乗って判断して欲しいと思います。
まとめ
今回の新型クラウンは世界のライバルと戦うわけですが、
私が実車を見て一番残念に思ったのは見た目の高級感の演出が下手なところとか、
コストダウンしてるところが隠しきれていないところです。
クラウンのようなクルマは最初に見た瞬間にチープな印象を与えてはいけないのでは?と思います。
さらに気になったのは「遊び感覚」が少なすぎると感じたところです。
わかりやすく表現すると外見の印象と乗り込んだときの印象がチグハグな感じなんです。
現代のクルマは光の演出や煌びやかな加飾が適度に施されています。
ところが新型クラウンにはそういうところがほとんどありません。
派手な演出なんて個人的には別にどうでもいいところではあるんですが、
少なくとも新型クラウンが戦うライバルたちはそういうところに磨きをかけています。
最近のベンツのアンビエントライトなんて下手したらヤン車みたいに派手です。
クロスオーバーのような従来のクラウンから脱却したクルマを作ったのなら、
もっとクラウンの雰囲気を消したクルマにするのもアリだったんじゃないかと思ってしまいました。
新型クラウンを内見した日は販売価格の近い友人のレクサスNXに乗っておりました。
こちらは適度にピアノブラックの加飾を施された内装を持っていることもあって、
見た目の高級感がまったく違います。
もちろんNXはレクサスなのでクラウンと比べてはいけないんでしょうが、
220系のクラウンならあそこまで差を感じないと思います。
おそらくみんなが感じているチープな印象ってそういうところではないでしょうか?
本音をいうとやはり「トヨタの最高級車クラウン」を名乗るからには、
レクサスNXに負けないくらいの質感は欲しかったかなと思いました。
NXユーザーの友人が「新型ハリヤーRSアドバンス」って名前のほうが…と言ってましたが、
言い得て妙な感じがしたものです。
新型クラウンはとても頑張った販売価格を実現してると思いますが、
もうちょっとだけ高くなってもいいので、
適度にクロームパーツなど使って加飾すれば印象も変わるのではないでしょうか?
今回は新型クラウンに対して感じたところをまとめて見ました。
クラウンをリスペクトしてはいますが、変な感情は入れてないつもりですので、
クラウンオーナーではない一般人の受けた印象ということで何かの参考にしていただければ幸いです。
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