昔からクルマ好きな人に人気の高いアバルトですが、
やや特殊なスポーツモデルという一面もあって、
実際に購入するとなると多少勇気が必要なクルマとなっています。
今回はそんなアバルトについて良いところと気になるところを整理し、
日常使いする人が買っても大丈夫なのか検証してみたいと思います。
にほんブログ村アバルトとは？
アバルトというのはフィアットをベースに作られたクルマですが、
全モデルがフィアットとは少々異なるスポーティーなクルマであり、
ラグジュアリーなクルマを求める人には向いてません。
ただ、そうはいってもスポーツ走行に特化したモデルや、
ツーリング性能を追求したモデルなど、
方向性の異なるいくつかのモデルバリエーションは用意されています。
基本的にフィアットとは別物の過激なモデルばかりではあるものの、
自分に合ったモデルを選べるという一面は残されており、
乗り方や使い方に合わせて選べるところも人気の秘訣かも知れません。
次にこのクルマの良いところと悪いところを整理してみましょう。
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アバルトの良いところ
私は過去にABARTH 595を自分のクルマとして所有していましたが、
あくまでも趣味クルマとして楽しんでました。
趣味の範疇なら何の問題もなく楽しめるものですが、
これが日常使いするとなるとそうはいかないところも出て来ます。
実車を思い出しながら良いところと気になるところを書き並べてみたいと思います。
ではまず最初にベースとなったFIAT 500と比べて良かったところはどんなところでしょうか。
走行性能が飛躍的に向上している
生産台数が少なく珍しさがある
スポーティーなセミATミッションが選べる
モデルバリエーションが豊富
個性豊かな希少限定車が存在する
今や希少な左ハンドルのマニュアルミッション車
走行性能が飛躍的に向上している
FIAT 500とは比較にならないくらい動力性能が強化されています。
単純にエンジン出力で約100馬力も増強されてるので走りは完全に別物です。
FIAT 500は長い坂道などがあると少々苦しい走りを余儀なくされますが、
アバルト各車はまったく問題ありません。
逆に元気すぎて乗り難さを懸念されるかも知れませんが、
その心配も無用です。
感覚的にはFIAT 500の雰囲気を残したまま、
スポーツ走行ができるくらい喝入れされたようなイメージです。
ノーマル状態なら決して乗り難いクルマではありません。
生産台数が少なく珍しさがある
フィアットのクルマは完全なイタリアの大衆車ですが、
アバルトは強い個性や趣味性を加えられた少量生産車です。
FIAT 500ベースなので遠目に見たイメージなどは同じですが、
近くで見た印象はまったく異なります。
わかる人にはわかる魅力と希少性があり、
単純に価値という意味でもフィアットとは別物です。
スポーティーなセミATミッションが選べる
私は過去にマニュアルミッションとセミAT両方のアバルトを所有した経験がありますが、
予想に反してMTAと呼ばれるセミAT車の印象はなかなか良かったです。
一般的にアバルトはマニュアルミッションのクルマが多いイメージですが、
実際はMTAを搭載したクルマもたくさん出回っています。
とくに日本ではMTAの人気が高く、中古車でも探しやすいんじゃないでしょうか？
このアバルトのMTAはフィアットのデュアロジックとよく似たミッションですが、
エンジンパワーに合わせデュアロジックより耐入力トルクも高く、
また変速機としてのスポーティー性も高められており、
結構楽しく走ることができます。
独特なクセもデュアロジックと似たようなものなので、
これまでにフィアット経験のある方なら違和感は感じないと思います。
ただMTAは速いかと言われると微妙です。
ポルシェなどは腕のあるプロドライバーが走らせてもPDKのほうが速いのはよく知られてますが、
アバルトのMTAはそういう超スポーツ走行向きのセミATではありません。
腕のあるドライバーが乗ればマニュアルミッション車のほうが速いと思います。
モデルバリエーションが豊富
アバルトの良いところはモデルバリエーションが豊富なところです。
とにかく走り最重視な方にも普通のドライブ好きな方にも向いたモデルが用意されています。
また、独自にカスタムしたい方に向いたベースモデルも用意されており、
自分好みなクルマに仕立てやすいメリットも持っています。
個性豊かな希少限定車が存在する
アバルトもフィアットもとにかく限定車が多いメーカーです。
過去にさまざまなモデルが限定販売されており、
希少性の高いスペシャルモデルなども存在します。
外車の限定車というとめちゃくちゃ高いクルマが多いですが、
アバルトは通常モデルと比べてもそこまで高くはありません。
がんばれば誰でも買える値段でスペシャルモデルが手に入るというのは魅力的だと思います。
それに過去に販売された限定車の中古車を探す苦労と楽しさを味わうこともできると思います！
今や希少な左ハンドルのマニュアルミッション車
現在の日本では左ハンドルでスポーツ性の高いクルマはほとんど販売されてません。
あるとしたら平行輸入車でしょうか。
ましてマニュアルミッションのクルマとなるとほとんど絶滅種です。
アバルト以外で思い浮かぶのはポルシェくらいでしょうか。
セミAT車ならハンドルの位置は右でも左でもどっちでもいいと思いますが、
マニュアルミッション車に関してはできれば左ハンドルのほうがいいと思います。
右ハンドルだと足元のスペースやペダル配置がかなり窮屈で、
絶望的なくらいスペースがありません。
左ハンドルのマニュアルミッション車が選べる数少ないクルマがアバルトです。
アバルトの悪いところ
アバルトはスポーティーな走りに重点を置いたクルマであるため、
実用車として見たときはちょっと気になるところもあります。
次にアバルトの悪いところも整理してみましょう。
乗り心地が悪い
排気音がやかましい
小回りが利かない
悪目立ちする
物凄く速いわけではない
右ハンドル車はドライビングポジションが悪い
乗り心地が悪い
アバルトに乗ったことがある方ならわかると思いますが、
とにかく乗り心地が悪いです。
コンペティツィオーネなどは跳ねるくらい元気です。
アバルトは基本的にスポーツモデルなのでこれは仕方ないですが、
現代のクルマではあり得ないような前時代的な足回りで、
長時間乗ると腰が痛くなるほどハードです。
排気音がやかましい
これはアバルトの魅力の一つでもありますが、
ノーマルでもかなり元気な排気音を奏でます。
住宅環境など、騒音にシビアな方は注意したほうがいいかも知れません。
また、アバルトはやや独特な排気音なので、
自宅からの出入庫が周囲に丸わかりになります。
人によってはちょっと気になるポイントかも知れません。
小回りが利かない
回転半径の大きさはアバルト最大の要注意ポイントかも知れません。
とにかく小型車なのにまったく小回りが利きません。
通常走行でもちょっと回り込むような道だと回り切れず切り返すことになってしまいます。
最小回転半径は5.4ｍですが、あの小型車で5.4ｍというのは異常なレベルです。
慣れるまではかなり意識して運転したほうがいいと思います。
最近流行りのミニバンなどと同等の回転半径ですが、
巨体なミニバンと違ってあの小さな車体で回らないのでみんな戸惑ってしまいます。
慣れの問題ではありますが、慣れても運転しやすくは感じないでしょうね。
悪目立ちする
良い意味でも悪い意味でもアバルトは派手で目立ちます。
クルマ好きな人ならいいんですが、
そうじゃない人だと気恥ずかしく感じられてしまうかも知れません。
面白いことにアバルトオーナーは超派手にドレスアップする人と、
目立つステッカーなどを剥がして極力おとなしく見せようとする人がいますね。
物凄く速いわけではない
アバルトは高性能車ではありますが、猛烈に速いクルマではありません。
あまり過度な期待は持たないほうがいいです。
速くするためにはさらにチューニングが必要で、
すぐ100万円くらいはお金がかかりそうです。
カスマイズ病に罹患したりすると大金が飛んでいきます。
右ハンドル車はドライビングポジションが悪い
フィアットもアバルトも基本的に左ハンドルを基準に開発されたクルマなので、
どうしても右ハンドル車は不利になります。
ある程度のサイズがあるクルマなら吸収できてしまう問題ですが、
車体の小さなフィアットやアバルトはサイズ的に無理があります。
とくに足元のスペースが厳しいので右ハンドル車を買う場合は覚悟が必要です。
具体的に言うとフットレストがない状態をイメージすると理解しやすいと思います。
極小サイズの小さなフットレストがありますが、何の役にも立ちません。
マニュアルミッション車だと左足の置き場がないので長距離を走るとかなり疲れます。
これは私の個人的な意見ですが、もしセミATのMTAが嫌いでないなら、
右ハンドル車の場合はMTA搭載モデルを選んだほうが幸せだと思います。
今しか楽しめないタイプのクルマ
アバルトのメリットやデメリットは当然ながら人によって感じ方が違います。
排気音一つとっても気になる人もいればそうでない人もいます。
乗り心地についても同様で、硬いサスペンションが好きな人なら全然苦痛ではないと思います。
いずれにしてもこういうヤンチャなクルマはもうあまり販売されないと思いますので、
少しでも興味があるなら後悔しないためにも決断されることをおすすめします。
今ならまだ新車で買うこともできますし、程度の良い中古車を探すことも可能です。
いよいよガソリンエンジン最終モデルと思われる695が販売されます。
これの次のモデルは電気自動車になりそうですので、
生産されているうちに決断されたほうがいいでしょうね。
まとめ
アバルトのようなクルマはあまり一般受けは良くないかも知れませんが、
必ず一定数のファンやマニアは存在します。
少々高いクルマではありますが、数年後も価値を維持していることは間違いなく、
大きく下取り価格や買取価格が下落する心配はなさそうです。
確かに細かいところを見れば実用車として気になる点もありますが、
致命的なほど大きな問題があるクルマではありませんので、
思い切って買ってみてもいいんじゃないでしょうか？
きっと楽しいと思います！
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