真夏の炎天下ではフロントガラスをサンシェードで遮光してるクルマが多いですが、
気をつけないとガラス面側にあるドライブレコーダーを高温下に晒してしまいます。
それくらい直射日光が直撃するガラス面側は温度が上昇してしまうわけですが、
今回はどれほどドライブレコーダー付近が熱くなってるのか検証してみました。
サンシェードは危険?
サンシェードは車内の温度上昇を抑えてくれる効果がありますが、
太陽光がまともに当たっている表側の温度はかなり上昇してしまいます。
とくにアルミが張られているサンシェードだと光の反射力はかなり高そうです。
一般的にドライブコレーダーはサンシェードの外側、つまりガラス面側に残されますが、
ドライブレコーダーのメーカーはこの状態を危険だとして注意喚起しています。
サンシェードとフロントガラスに挟まないでくださいと書いてますね。
これはこの挟まれた空間が異常な高温になるからです。
しかし、現実には駐車監視モードを使用する人もいますし、
一般的なサンシェードではレコーダーを内側に配置するような設置は困難です。
果たしてこの状態だとレコーダー周辺は何度くらいまで上がってしまうんでしょうか?
実際に温度を計ってみます。
アナログ温度計と赤外線温度計を使用
温度の計測には一般的な温度計と赤外線温度計を使ってますが、
多くのデジタル温度計は50度くらいまでしか計れないです。
そのため100度まで計れるアナログ温度計と赤外線温度計を使いましたが、
アナログの温度計は計測できるまでに少し時間がかかりますし、
非接触式の赤外線温度計は(当てる場所によって)測定誤差が発生します。
計る度に表示温度が変わっててちょっと数値の信頼性が怪しいんですが、
そこはご理解とご容赦をお願いします。
アナログ温度計は約30分放置して検温しましたが、
およそ20分くらいすると温度上昇が止まり動かなくなってました。
温度計そのものやその日の気温の影響もありそうですが、
最初の20分くらいは急激に温度が上昇するようです。
なお、デジタル温度計は温度変化の動きや波が読みにくいので、
こういう計測にはアナログ温度計のほうが向いてるかも知れません。
サンシェードを設置して検温
初日は曇天ながら気温37.1度の日です。
太陽光の日差しこそ弱いですが、この状態でレコーダー付近の温度は…
56.4度
正直、思っていたよりは低かったです。
もしかしたら80度くらいになってるんじゃないかと思いましたが、
さすがにそこまでは上がらないようです。
同様に温度測定を繰り返してデータを集めてみました。
結果は以下のとおりです。
実測気温 | 気象庁発表 予想最高気温 | 天候 | 車内温度 | レコーダー付近温度 |
---|---|---|---|---|
37.1度 | 36度 | 晴/曇天 | 51.5度 | 56.4度 |
38.3度 | 36度 | 晴 | 53.2度 | 59.8度 |
37.5度 | 36度 | 晴/曇天 | 51.8度 | 58.5度 |
34.8度 | 37度 | 曇天/雨天 | 42.4度 | 48.1度 |
39.3度 | 38度 | 晴 | 53.9度 | 59.5度 |
41.2度 | 39度 | 快晴(日差し強) | 55.2度 | 64.5度 |
最初の20分くらいは温度が上昇し続けます。
晴れで日差しの強い日はかなり温度が上昇しますが、
日差しが弱まると温度は下がり始めます。
表の数値を眺めているだけでは読み取れないと思いますが、
雲の多い日と快晴日では全然温度の上がり方が違ってました。
それと、ある程度まで温度が上昇するとそれ以上は上がらないようです。
さすがの太陽光パワーも限界はありそうです。
また、サンシェードとガラス面の空間の広さが温度に影響するようで、
サンシェードをガラス面近くにセットするとかなり熱くなってしまいます。
空間が狭いと熱の逃げ場がないからでしょうね。
今回は下の写真のように意図的にレコーダー付近の空間を広くして検温してますが、
無意識にセットしてしまうとフロントガラスに密着気味になってしまいますね。
さすがにそういう状態はかなり危険かも知れません。
ドライブレコーダーには動作できる上限温度があります。
写真のように意図的に凹みを作って検証しました。
画像レタッチで太陽光の反射を抑えているので変な色合いの写真になってますが、
肉眼で見ると眩しくて直視できないくらい光が反射してます。
この状態では熱も凄そうなことがわかります。
ドライブレコーダー周辺はおよそ15cmくらいフロントガラスから離してます。
この状態でレコーダー周辺は59.8度(写真撮影時)でした。
フロントガラスに密着してる手前側の温度は66.4度です。
サンシェードをレコーダーに密着させてしまうと66度近い温度まで上昇する可能性がありますね。
少しでもいいので離さないと危険なようです。
ドライブレコーダーの推奨動作温度
では、ドライブレコーダーは何度くらいまで耐えられるんでしょうか。
メーカーや製品によって多少の違いはありますが、
推奨動作温度としては上限60度という製品が多そうです。
メーカー名 | 推奨動作温度 |
---|---|
ユピテル | -10度~60度 |
コムテック | -10度~60度 |
パナソニック | -20度~65度 |
ケンウッド | -10度~60度 |
実際は推奨の上限温度より高くなっても動作はするようですが、
この状態が長時間続くのはどうなんですかね…
検証車にはコムテックのレコーダーが搭載されてましたが、
3万円くらいする製品なので日差しの熱で壊したくはないもんです。
60度以上の高温になってもレコーダーは正常に動作しましたが、
この高温が機械にとって良くないことはあきらかで、
検証中に壊してしまうんじゃないかと怖くなったものです。
空間を作ってテストしたのもレコーダーの破損・故障を回避するためでした。
サンシェードを密着させると70度以上になりそうで、
怖くてテストできなかったというのが本音です。
今回は特定のレコーダー機器の熱耐性を検証してるわけではないですが、
印象としてはかなり熱くなってもレコーダーが動作停止してしまう雰囲気はなく、
限界ギリギリまで動作は続けるんじゃないかと感じました。
とくにほとんどのドライブレコーダーは排熱も考えられてるので、
実際はそう簡単に壊れるようなことはなさそうです。
非公式ながら多くのドライブレコーダーの上限温度は80~85度だと聞きました。
ただ、80度近くになるとレコーダー本体より記録メディアが危なそうです。
メディアも高品質な製品を使ったほうが良さそうですね。
検証してわかったこと
今回は同じような猛暑日ばかりだったので気温差による違いがしっかり検証できてませんが、
何度か計測してみると同じ日でも温度が上下してました。
激しく上下した原因は直射日光が当たっているかどうかで、
やはり気温より日差しの有無が一番温度上昇に影響を与えるようです。
ほとんど強い日差しのなかった雨天日などは温度がかなり低めですね。
また、サンシェードは蛇腹式の柔らかいタイプだと保護空間を作りやすいです。
やや見た目は悪いものの、レコーダー周辺は密着させないほうが安全なので、
柔軟性のあるタイプのほうがレコーダー機器の保護には有効でしょうね。
簡単設置できる流行りの傘式サンシェードは便利ですが、
凹ませた空間作りはできないですし、気をつけないとクルマの内装を傷めそうです。
温度上昇にも限界はありそう
サンシェードを使うとドライブレコーダーが熱くなりそうなのは想像できますが、
実際に何度くらいまで上昇するのかは諸説あってよくわかりませんでした。
中には80度くらいになるなんて話しも聞いていたんですが、
少なくとも今回のように空間を設けた計測では際限なく温度上昇することはなく、
ある程度まで上昇すると温度は止まってました。
その止まる目安となる温度が60度くらいでしたので、
サンシェードを密着させなければそれほど心配しなくても良さそうです。
ただ、昨今の異常な高温は凄まじく、実測41.2度の日なんてかなり危険な印象でした。
レコーダー周辺の温度も余裕で60度を超えましたので、
環境によっては70度くらいまで上昇してしまうことはありそうです。
天気予報で38~39度になるような日は十分気をつけたほうがいいでしょうね。
また、温度の上昇には規則性みたいなものがあって、
サンシェード設置から20分くらいでほぼ最高の温度まで上昇し、
それ以降は若干上昇するくらいでほぼ変化なしに感じられました。
これは車室内も同様で、一定温度まで上昇してしまうと温度上昇はほぼ停止するようです。
あとがき
当初、今回の温度検証は白いフィアットで行う予定だったんですが、
別記事「真夏はタイヤの空気圧に注意! 高温下における空気圧の変化を測定」と同じクルマで行ってもらえることになり、
黒色のBMWで検証してしまいました。
私も二台ほど黒いクルマを所有してますが、体感できるくらい白いクルマより暑いです。
おそらく白いクルマならもう少し計測温度は低かったかも知れませんね。
また、ドライブレコーダー本体は触れないくらい熱くなってました。
そう簡単には壊れないと思いますが、こんな温度に晒し続けたら故障発生率は上がりそうです。
撮影するレンズ部分以外を何とか工夫して遮光できると安心でしょうね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
拙い検証ですが、多少なりとも何かの参考になっていれば幸いです。
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