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FIAT 500 は故障しやすい?デュアロジックの信頼性や耐久性は?オーナー目線で語ります!

FIAT500 ツインエアFIAT500関連
記事内に広告が含まれています。
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FIAT500 フィアット500

出典:FCAジャパン

人気のFIAT 500ですが、外車…しかもイタリア車ということもあって、
維持費や故障を心配される方が多いです。


「買いたいけどすぐ壊れそう」とか、
「修理費用が大変なんじゃない?」とよく聞きます。


本当のところはどうなんでしょうか?
たくさんの方から聞かれますので、実際に発生したトラブルや、
9年乗っていて感じた印象を書いてみます。

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FIAT 500 のグレードを整理しましょう

まず最初にFIAT 500のグレードを見てみましょう。
フィアット社はたくさんの記念限定車を販売してますし、
チンクェチェントには初代、二代目と過去のクラシックモデルも存在します。
ここでは2007年式から始まる三代目モデル(日本導入は2008年式から)の
基本ラインナップについて整理します。

モデル名搭載エンジン
FIAT 500 1.4直列4気筒 SOHC16バルブガソリンエンジン
FIAT 500 1.2直列4気筒 SOHC8バルブガソリンエンジン
FIAT 500 1.3 直列4気筒 SOHC8バルブディーゼルターボエンジン
FIAT 500 TwinAir直列2気筒 SOHC8バルブガソリンターボエンジン

この中でよく見かけるのはFIAT 500 1.2とFIAT 500 TwinAirでしょうか。
それぞれにPOP(ポップ)とLounge(ラウンジ)というグレードが存在し、
現在はCULT(カルト)とDOLCEVITA(ドルチェヴィータ)に進化してます。

私が所有するのはTwinAir Lounge(ツインエアラウンジ)というグレードで、
購入当時は最も装備の整ったモデルでした。

ちなみに1.4というモデルは初期に存在したグレードですが、
少々トラブルが多いことや、回転半径が大きく乗り難いこともあって、
あまり好んで乗っている人はいないように思います。
ディーゼルの1.3もほとんど見かけないですね。
存在すら知らない人が多いモデルです。

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私のTwinAir Loungeは少し変なクルマ?

私のFIAT 500は2015年式のTwinAir Lounge(前期型)で、
現在の走行距離は約105,000Kmとなっています。

このグレードは0.9Lの2気筒ターボエンジンを搭載しており、
FIAT 500の中では最上位のエンジングレードです。

当初は1.2POPというモデルを買うつもりでしたが、
やはりFIAT 500を買うならツインエアが面白そうということでこれに決めました。
スペックを見てもあまり国産車にはないエンジンだとわかりますが、
実際、乗り味は独特で、個性があることから人気モデルとなっています。

フィアット500 FIAT500
FIAT 500 TwinAir Lounge


ちなみこのクルマは前期型のかなり末期に生産された車両のようで、
内装の一部やシートに後期モデル用が使われているという少し変な仕様で届きました。
こういうことはフィアットでは珍しくなく、イタリア車らしい話しです。

個性的なデュアロジックトランスミッション

このクルマにはデュアロジックトランスミッションが搭載されています。
なかなか面白いトランスミッションですが、ややトラブルが多いと言われています。

構造的にはマニュアルミッションに自動化されたシングルクラッチ機構を搭載したもので、
いわゆるAMTと呼ばれるトランスミッションの仲間となっています。
(AMTとはオートメーテッドマニュアルトランスミッションの略)

走らせるには多少のコツと慣れが必要と言われますが、
実際は普通のAT車を走らせるのとそんなに変わりません。
確かに慣れないと低速時にギクシャクしてしまいますが、
心配しなくてもこれはすぐに慣れて普通に走れるようになります。
問題はこのデュアロジックに動作不良が起きるトラブル報告が多いことでしょうか。

FIAT500 デュアロジック

出典:FCAジャパン

デュアロジックはすぐ壊れる? 不調からの故障発生まで

私のクルマに初めて異常が確認されたのは55,000Kmを過ぎたあたりでした。
それまでは何の問題もなく、あっけなく壊れるとか、すぐ壊れるという印象はありません。
ネット上には「すぐ壊れて走れなくなる」というような怖い話しもありますが、
快調に走っていたFIAT 500が突然壊れるなんてトラブルは稀です。
最初は「少々反応が悪いかな?」と感じる症状が現れることが多いですね。

整備士さんに確認してもらうと油圧制御にやや問題があるという診断で、
該当パーツを交換する修理を受けています。
ちなみに修理費用は8万円くらいでした。
ただここで特記しておきたい話しがあります。

正規ディーラー修理の恐怖? 噂通りの高額見積り

実は正規ディーラーではデュアロジック全体のアッセンブリ交換修理が必要と言われ、
この段階で工賃含めて諸々28万円くらいの見積りが出ました。

普通ならそのまま修理を受けてお支払い…となるのでしょうが、
私はこのフィアット以外にもドイツ車などを複数台所有しており、
セカンドオピニオン感覚でよく知るポルシェ整備士さんに診てもらったんです。

すると…

「油圧機構の動きが悪くなってます。少々高い修理になりますが…」と言われましたが、
工賃込み8万円の見積りが出て来ました。

修理内容はデュアロジック内部のメカニカルユニットOH(オーバーホール)でした。
もちろん高い見積りには違いないですが、なんと、その差額20万円です!

わかりやすく言うと内部の傷んだパーツだけを交換する修理でした。
もちろん正規ディーラーでの全交換修理は取りやめです。
ただ、もちろん本当はどっちの修理がいいのか確認しました。
すると、他の機構部にも経年の傷みが進んでいることは間違いなく、
デュアロジック全体を交換するほうが安全ではありますとのこと。
つまり正規ディーラーの修理方針は理に適っているわけです。

ただ、動きの悪いパーツを交換するだけで、
まだ3~40,000Kmくらいは走れるとの診断でしたので8万円で修理しました。

同じくらいの走行距離のクルマであれば、
部分的なパーツ交換やオーバーホールで修理できる可能性は高いです。
正規ディーラーはこういう修理をしないので何かの参考になれば幸いです。

決して正規ディーラーの悪口ではありませんが、
アッセンブリ交換修理しかしない方針はどうなの?とは思ってしまいます。
なお、デュアロジックを交換しなければならない本格修理はこの31,000km後に訪れます。

現在は正規ディーラーでも部分的なパーツ交換修理をするところがあるようです。
ディーラーでも店(会社)によって対応が違うようなので注意しましょう。

デュアロジックに本格的なトラブル発生!

先の修理以降、約三年半トラブルなく快調に走っていた私のFIAT 500ですが、
2022年1月にこれまで見たことのないエラー表示が大挙出現しました。

そのときは一時的な現象だと思い、あまり気にしなかったんですが、
その数時間後、エンジンをかけようとしたところセルがまったく動かず…
バッテリーが弱っているような挙動ではなく、
完全放電してしまったかの如くピクリとも動きませんでした。

FIAT 500は油圧が低下しているとセルが回りませんので、
このときは焦らずエンジン始動のプロセスを最初からやり直したところ、
何事もなかったかのように普通にエンジンがかかり走行もできました。
その後はとくに異常もなく快適に走れていたのですが、
二週間経った頃に再び同じ現象が発生。
今度はエンジンはかかるものの、まったくギアが入らなくなってしまいました。
(ギアを入れる対処法)

クラッチOH及びデュアロジック交換実施

私のFIAT 500にいよいよ本格的なトラブルの兆候が現れたため、
安全のためにもフィアット専門の整備士さんに診てもらうことにしました。

最初はお世話になっている正規ディーラーへお願いするつもりでしたが、
ちょうどイタリア車専門に整備されている腕利き整備士さんをご紹介いただいたため、
そちらで各部をチェックしていただきました。

訪れてみると工場内ではフェラーリやマセラッティなどが整備を受けていて、
FIAT 500なんか入庫させてもらえるのか?と焦りましたが、
普段はフィアットやアバルトなどで溢れてますと聞いて一安心。

一通りチェックしてもらったところ、
デュアロジックに油圧抜けが起きていて正常に動いていないことが判明。
クラッチの消耗具合は開けてみないとわからないそうでしたが、
その時点で86,000Kmほど走行していることを考えると、
仮にまだ大丈夫であったとしてもこの機会に交換したほうがいいと薦められました。

ちなみにデュアロジックのクラッチミートを心配される方が多いですが、
意外なことに下手な人間が繋ぐより遥かに丁寧で上手いです。
そのためクラッチディスクもかなり長持ちするようで、
平坦な道を中心に丁寧に乗られたクルマだと、20万Km未交換という実例もあります。

私のクルマもまだクラッチ交換の必要がない程度の摩耗状態でした。
ただハウジング部などクラッチディスク以外の傷みが進んでいたことから、
この機会に一式交換をしています。

費用はクラッチ交換とデュアロジック交換で約40万円でした。
さすがにこの数字は高いと感じられるかも知れませんが、
どんなクルマでもクラッチとミッションを交換したらそれくらいにはなります。
86,000Km走っての交換なので、特別高い金額ではないと思っています。

補足ながら今回もデュアロジックの全交換ではなく、
部分的なパーツ交換修理も可能ではありました。
クラッチのOHもまだしばらくは大丈夫そうでした。
そちらの修理を選べば費用は約26万円で済みましたが、
前回と違って他の傷みも進んでいるため、
気持ち良く乗るためにも新品に全交換したというわけです。

デュアロジックOH修理を売りにしている業者の実態

ちょっと話しが逸れますが、上に書いたデュアロジックOHをしてくれる業者に関し、
少し注意喚起という意味も込めてここに記します。

デュアロジック内部の傷んだパーツだけを交換修理する業者ですが、
ネットで検索するとたくさんの業者が見つかります。

しかし、中にはとても雑な作業をしている業者も複数存在します。
私はたまたま業界でもよく知られた優良業者の伝手があったのでお願いしましたが、
実績のわからない業者であればお願いしなかったかも知れません。

フィアット専門店から信頼されているOH業者というのは、
そもそもOHの実績が豊富で、作業方法や工程も評価されています。
残念な話しですが、いい加減な業者も営業してますので十分ご注意ください。
当たり前の話しですが、業者自身のHPには良いことしか書いてありません。

「アッセンブリ交換〇〇万円 それが 半額で修理可能」

などとクルマの状態を確認もしてないのに、安易に仕事を引き受ける業者は危険です。

一般的な消耗品交換は大した金額ではない?

クルマである以上、避けられないのが消耗品交換です。

FIAT 500の場合、デュアロジック以外に厄介なところはほとんどなく、
一般的な消耗品交換くらいで元気に走ってくれます。

各消耗パーツの価格も国産車と大差なく、とくに心配する高額パーツもありません。
ただイタリア車ではあるためパーツが輸入品となり、
純正パーツの中には多少高く感じられるものもあります。
しかし、それらも社外品パーツを使うことで安価に交換可能です。

一例を挙げればワイパーです。
純正品を正規ディーラーで交換すればそれなりに高額ですが、
ボッシュやミシュランなどが常識的な価格の対応品を販売してくれており、
これらを自分で交換すれば大した費用にはなりません。
日常のランニングコストは国産車と大差ないものです。

FIAT500 ワイパー ボッシュ
ボッシュの人気製品エアロツイン

出典:ボッシュ自動車用アフターパーツ


FIAT 500に多い定番故障を経験! サーモスタット交換

クラッチとデュアロジックを全交換して息を吹き返した我が愛車でしたが、
その直後にオーバーヒートを起こしました。

原因はサーモスタットのヒーターホース接続部破損による冷却水漏れでした。
これは定番トラブルの一つで、ホースの接続部が樹脂製のため割れやすいのが原因です。

この部品はアルミ製の対策品も販売されてることから交換してる人も多いですが、
純正品を使っている場合は要注意ポイントの一つです。

交換費用は安価な整備工場なら工賃含めて10,000円くらいで済むと思います。
私の場合は車検直後だったため、無償で交換修理していただけました。
今回は純正新品パーツが使われましたが、
数年後に次の交換時期が来たら対策品のアルミ製にしようと思っています。

FIAT500 サーモスタット

出典:AUTOCARJAPAN

実はこの交換直後にアルミ製の社外品に交換しました。
交換を薦めてくれたのはなんと懇意にしてる正規ディーラー整備士でした。
しかし、さまざまな事情もあってまた純正品に戻しています。
別記事をご参照ください。

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オーバーヒートしたときの様子はこちらをご覧ください

デュアロジックトラブルで有名な走行中のギア抜け

デュアロジックのトラブルで一番有名なのは走行中のギア抜けではないでしょうか?

これはクルマが何らかの異常を検知するとギアをニュートラルに入れるため起きるのですが、
安全確保のためとはいえ加速中にギア抜けなんかするとかなり怖いものです。

実際は減速して停車しようとする寸前にスポンと抜けることが多いようですが、
中には5速ギアでの高速巡行中にキックダウンさせようと強くアクセルを踏んだところ、
4速へキックダウンされずニュートラルに入ってしまったとか、
急ブレーキをかけたときに抜けるようです。

どちらにしてもあまり気持ちの良いものではありません。

この有名なトラブル…実は私のクルマでは発生したことがありません。
ただ、他のクルマでこの症状を経験したことはあります。
ギアが抜けるとアラーム音が鳴ってびっくりするかも知れませんが、
対処法を書いておきますので参考にしてください。

アラーム音が鳴っても慌てずシフトレバーを操作して「+」に入れてみる

一旦停車し、一度Nに入れてから入れ直してみる

これでギアが入り走行可能になるケースが多いです。

但し、アラーム音が鳴った場合、いきなりすぐ操作してもダメです。
一寸待って、落ち着いて「+」に入れてください。

クルマが惰性で走っている状況で操作するのは難しいかも知れませんが、
落ち着くことが一番大切です。
できれば惰性走行中ではなく、路肩などへ停車してから対処するほうが安全です。

デュアロジックのギア抜けは物理的な故障の可能性もありますが、
多くは一時的な油圧不足から起きているようです。
油圧が回復すれば正常に戻りますので慌てず対処しましょう。
このギア抜けですが、暑い夏季は少なく、寒い冬季に発生しやすいようです。

FIAT500 デュアロジック
ATモード付5速シーケンシャルミッション(デュアロジック)

出典:FCAジャパン

デュアロジックのギアが入らないときの対処法

上のギア抜けとセットで起きることもありますが、
ギアが入らなくなったときの対処法も紹介しておきます。

すべてのケースで有効かどうかはわかりませんし、
あくまでも一つの対処法としてお読みいただければ幸いです。

キーを一段捻りACC電源オンの状態にする

エンジンはかけずにシフトレバーをNから動かして1速に入れる

ギアが入ることを確認したらそのままエンジンを始動する

たったこれだけです。

ウソのようにギアが入って走行可能になります。
この現象に遭遇すると、みなさん焦って何度もエンジンを始動・停止させてしまいますが、
それを何度やってもギアは入らないことが多いです。

しかし、一旦ACC電源だけオンにした状態でシフトレバーを動かすと簡単にギアが入ります。
もし一時的な不調であるならこれで問題なく走れるようになります。
しばらく様子を見ましょう。

ただこの症状が頻発するようならトラブルが起きている可能性が高いので、
その場合はすぐ整備工場に持ち込むべきです。
本当に壊れていて走行不能になってしまいます。

コンディションの悪い中古車は注意要

これをお読みいただいている方はFIAT 500の購入を検討されている方が多いと想像します。

FIAT 500は安ければ20~50万円前後で中古車が買えますが、
普通に考えてその価格のクルマがキチンとメンテンスされていたとは思えません。

安いクルマに手を出すといきなり高額修理が必要になる可能性があります。
どんなクルマにも言えることですが、
キチンと整備されているクルマにはそれ相応の価格が付いています。
相場価格より著しく安いクルマを購入する場合は覚悟が必要です。

そして、ネットでよく聞く「500はすぐ壊れる」という話しの大半は、
こういう整備状態の悪い中古車を買ってすぐ壊れたというケースではないかと思います。

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まとめ

FIAT 500を中古車として購入する場合、激安のクルマには手を出さず、
多少高くても正規ディーラーや専門店扱いのクルマをおすすめします。

しかし、それ以上にクラッチやデュアロジックの整備履歴が明確なクルマがおすすめです。
そこを注意すればどこで購入したクルマでもそれほど心配は要らないものです。

また、デュアロジックも故障しやすい印象を持たれたかも知れませんが、
実際はそう簡単に壊れるものではありません。
私のクルマも9年間乗って二回トラブルが起きただけです。
しかも路上で走行不能に陥った経験はありません。

確かに国産車のようにはいかないと思いますが、
定期的な整備を怠らなければそれほど恐れる必要はないクルマです。

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