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W205ベンツC200 アバンギャルドとAMGラインの違いを検証

W205 ベンツCクラス アバンギャルド
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W205系のベンツCクラスは旧型となった今でも人気あるクルマですが、
その中でもC200はもっともベーシックなモデルとして、
中古車市場でも販売の中心的な人気グレードとなっています。
そんなC200にはアバンギャルドとAMGラインが存在します。
この両車は何が違うのでしょうか?

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C200アバンギャルドというクルマ

本来アバンギャルドはベーシックなグレードではありませんが、
日本においては販売するモデルのベースグレードとされていたこともあって、
一般に「安いアバンギャルドか高いAMGラインか」みたいに見られています。

実際はアバンギャルドにAMG関係のオプションを選ぶとAMGラインと呼ばれるクルマになるもので、
本来はアバンギャルドとAMGラインというグレードの分け方は正しくありません。
両車ともに「アバンギャルド」というのが正しいです。
ただ、現実の販売市場ではアバンギャルドとAMGラインとしてグレード表記されていますので、
今回はその両車の違いについて検証してみたいと思います。

出典:ヤナセ 前期型C200AMGライン
出典:ヤナセ 後期型C200AMGライン
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AMGラインというオプション

AMGといえば誰もが知るベンツのハイパフォーマンスブランドですが、
かつては完全に独立したベンツチューナーでした。
そのAMGをベンツが買収して自社ブランド化したことから、
今では各シリーズの最高性能版モデルを揃える高級車シリーズとなっており、
一般のベンツ車より高い販売価格と高い性能を有するグレード群を完成させています。

近年、やはりドイツの歴史的ブランドであるマイバッハブランドをベンツが取得し、
その名を冠したシリーズを展開するようになると、
AMGは完全に高性能モデルとしての立場を明確にし、
高級路線のマイバッハと棲み分けるようなラインナップを形成しました。
AMGはこのように高性能モデルを代表するシリーズとなってますが、
通常のベンツ車に用意されるAMGラインとはどんなクルマなんでしょうか?
口の悪い人は「なんちゃってAMG」だとか、「偽AMG」などと揶揄しますが、
もちろんそんなことはなく、まったく別物と言えます。

AMGラインというのはAMGのテイストやデザインを各所に取り入れたドレスアップカーで、
あくまでも標準ベンツ車の域を超えたクルマにはなっていません。
私はAMG C63SとC200AMGラインを同時に所有していたこともありますが、
完全に別物として所有していましたし、クルマとしての使い方・乗り方も全然違うものでした。

また、このAMG関係のオプションはスポーティーな内容ではあるものの、
中にはエアサスのような高級装備が用意されるなど、
単なるスポーティーモデル化させるだけのオプションではないこともわかります。
つまりC200をAMGのC43やC63に近づけるようなオプションではないのです。

出典:メルセデスベンツ日本 W205最強モデルであるAMG C63S

AMGラインの比率

日本においてはAMGラインの人気が高いこともあって、
本国ドイツより販売比率が高いと言われています。
ライバルBMWでもMスポーツモデルの人気は高く、
日本で販売されるBMW各車の半分がMスポーツだと言われています。
ベンツのAMGラインにも同じような雰囲気と流れがあって、
日本では新車販売時にオプション装着されるクルマが多いです。
その人気の秘密はお得なクルマという一面があることも関係ありそうです。

C200の場合、AMGラインになると高級なエアサスが装備されるなど、
内容は破格ともいえるほどお得なものとなっています。
極端に言えばAMGというブランドにまったく興味や関心ない人でも、
その豪華装備に惹かれてオーダーする人もたくさんいました。

BMWのMスポーツはグレード名ですが、
ベンツのAMGラインはグレード名ではありません。
あくまでもパッケージオプションなので間違えないようにしましょう。
グレードとしてはあくまでもアバンギャルドです。

W204時代には「AMGスポーツパッケージ」と呼ばれていましたが、
W205ではAMGラインと称されるようになり紛らわしくなりました。

C200アバンギャルドとAMGライン比較

出典:ヤナセ 前期型C200アバンギャルド
出典:ヤナセ 前期型C200アバンギャルド
出典:ヤナセ 前期型C200AMGライン
出典:ヤナセ 前期型C200AMGライン

ではそんなアバンギャルドとAMGラインの違いはどんなところでしょうか?

C200
アバンギャルド
C200
AMGライン
全長4,690mm4,715mm
全幅1,810mm1,810mm
全高1,435mm1,430mm
ホイールベース2,840mm2,840mm
車両重量1,510Kg1,540Kg
サスペンションコイルスプリングエアマチック
ホイール17インチ18インチ
ダッシュボードノーマルARTICOレザー
ドアステッチなしあり
ステアリング標準ステアリングスポーツステアリング
ペダル標準ゴムペダルアルミペダル
フロアマット標準マットAMGマット
フロントタイヤ225/50R17225/45R18
リアタイヤ225/50R17245/40R18
販売価格524万円~571万円~
2014年当時の諸元比較及び参考販売価格

簡単な比較でもボディサイズが違うことがわかります。
これはAMGラインが前後に専用バンパーを装備するためで、
これにより見た目の外観が違うことがわかります。
室内を見てもAMGラインのほうが装備が高級なこともわかります。
ただ、アバンギャルドとAMGラインの基本装備や基本スペックはまったく同じです。
あくまでもオプションとして装備する部分が変わるだけで、
実はほとんどの部分は同じクルマとなっています。

また、AMGラインは35万円くらいでオーダー可能ではありますが、
実際は「〇〇パッケージとセットでオーダー要」となっており、
約35万円のオプション単体でオーダーできるものではありません。

例えばかつて私が所有していた2016年式C200AMGラインの場合、
プレミアムパッケージとAMGラインを選択したセット装備車でした。
両方合わせると約60万円くらいのオプション価格だったと思います。
このオプション価格と組み合わせ方は年式によって異なり、
初年度の2014年式ではもう少しオプション価格が高額でしたが、
ベース車の基本装備や販売価格が異なることもあるので、
必ずしもオプション価格が下がったとは言い切れない複雑さを持っていました。

出典:ヤナセ 後期型C200AMGライン
出典:ヤナセ 後期型C200AMGライン
出典:メルセデスベンツ日本 後期型C200アバンギャルド
出典:メルセデスベンツ日本 後期型C200アバンギャルド

W205アバンギャルドの前期型と後期型はバンパーデザインが異なりますが、
後期型はAMGラインに似たデザインのものとなりました。
そのため、後期型アバンギャルドとAMGラインを混同される方がいるようです。

たまにホイールだけをAMGホイールに変更している後期型Cクラスがあり、
一見するとAMGラインのように見えるものです。

出典:メルセデスベンツ日本 C200アバンギャルドの標準的な内装
出典:メルセデスベンツ日本 C200AMGラインの標準的な内装

標準的なアバンギャルドの内装も決して貧相ではないですが、
AMGラインのほうが遥かに高級に見えるのも事実です。
実車でこの違いを目の当たりにするとついついAMGラインを選びたくなってしまうかも知れません。
ベンツはこういうグレード展開が上手いと思います。

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複雑なオプション構成

C200アバンギャルドのオプション構成はやや複雑でわかりにくいです。
代表的なパッケージを紹介します。
尚、以下は登場初年度のものとなり、後年式では少し内容が異なっています。

【ベーシックパッケージ】
パークトロニック
アクティブパーキングアシスト
前席シートヒーター

【プレミアムパッケージ】
ヘッドアップディスプレイ
ハンズフリーアクセス(トランク自動開閉)
オートトランクリッド
+ベーシックパッケージ装備一式

【レザーエクスクルーシブパッケージ】
本革シート
エアバランスパッケージ
+ベーシックパッケージ+プレミアムパッケージ装備一式

【AMGライン】
AMGスタイリングパッケージ(前後バンパー、サイド・リアスカート)
AMG18インチ5本スポークホイール
ベンツロゴ付きフロントブレーキキャリパー、ドリルドディスク
AMGスポーツシート(ARTICOレザー)
AMGフロアマット
ARTICOレザーダッシュボード(2018年1月頃まで)
ブラックアッシュウッドインテリアトリム
ステンレスペダル
エアマティックアジリティパッケージ
アナログ時計

(ベーシック、プレミアム、レザーエクスクルーシブのどれか一つのパッケージを同時選択要)

AMGラインを選ぶためには上記オプションパッケージのどれか一つを選択する必要があり、
単体で装備することはできませんでした。
ときどき35万円くらいで装備可能と書かれた誤情報を見受けますが、
そうではありません。
これは製造時期に関係なく同様な組み方で設定されていましたが、
中にはローレウスエディションのように纏められたパッケージで販売されたクルマもあり、
より複雑でわかりにくくなっています。
また、アバンギャルドではないC180はオプションの選び方が異なるので注意が必要です。
(C180アバンギャルドやC220dなどはC200とほぼ同じ選び方です。)

とても豪華なレザーエクスクルーシブパッケージ
出典:メルセデスベンツ日本 当初はドア上部にステッチ加工が施されていた
出典:メルセデスベンツ日本 ドア上部のステッチが省略されてしまった晩年のAMGライン
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ベンツの合成皮革であるARTICOレザーは極めてクォリティが高く、
本革と勘違いしている人もいるくらいです。
オプションの本レザー内装は確かにより豪華ですが、
本革より耐久性が高いなどの理由であえてARTICOレザーを選ぶ人も多いです。

残念なのは2018年2月頃の生産車からAMGラインでもARTICOレザーのダッシュボードや、
ドア上部のステッチ加工が省略されたことでしょうか。

C200アバンギャルドとAMGライン決定的な違い

C200アバンギャルドとAMGラインを比較して来ましたが、
この両車で決定的に異なるのはサスペンションです。
C200アバンギャルドはバネサスですが、AMGラインはエアサスとなっています。
この違いは大きく、ベンツがW205に異常なほど力を込めたのもこの部分だと思います。
ただ、エアサスは万一壊れるととても高い修理費用を要することから、
経年劣化した中古車を買う場合のネックとなりそうです。
販売当時も歓迎半分、警戒した人が半分といった感じだったように思います。
それが原因なのか、新型W206ではエアサスは採用されませんでした。
CクラスにSクラスのような装備が必要なのか…
メーカーも思うところがあったのかも知れません。

Cクラスにエアサスが搭載されたことは驚きのニュースでしたが、
ライバルのBMW3シリーズはその動きを完全にスルーしていました。
このあたりに関してはBMWのほうがブレていない印象となったものです

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両車比較のまとめ

C200アバンギャルドとAMGラインはどちらも人気のクルマではありますが、
上で述べたように基本的には同じグレードのクルマであり、
オプションとしてAMG装備を選んでいるかどうかだけの違いに過ぎません。
そういう意味では、

「アバンギャルド=やや装備の貧弱なクルマ」

「AMGライン=豪華装備のクルマ」

という解釈で間違いはなく、そういう考え方でいいと思いますが、
例えばアバンギャルドのレザーエクスクルーシブパッケージ車と、
ベーシックパッケージにAMGラインを装備したクルマを比較すると、
アバンギャルドのレザーエクスクルーシブパッケージ車のほうが豪華に見えると思います。

もし中古車でC200アバンギャルドやAMGラインを購入する場合、
どういうオプションの組み方をされているかしっかり確認したほうが良さそうです。
オプションの組み方で新車販売価格に100万円以上の差が生じていますが、
この差は当然ながら中古車の販売価格にも影響しています。

また、正規ディーラーではC200AMGラインとは表記せず、
正式名であるC200アバンギャルドとしか表記していないことも多いです。
そういうクルマはオプション詳細欄にAMGラインと表記されています。
少々わかりにくいですが、本来はこれが正しい表記だと思います。

そして中古車の場合、単に〇〇年式C200AMGラインなどとだけ表記されていることもありますが、
ベーシックパッケージのAMGラインなのか、プレミアムパッケージのAMGラインなのか、
内容が全然違って来ますのでそのあたりもしっかり確認されることをおすすめします。

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